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これは恋?

あずま(♀)

佐藤くん(♂)

聖理奈(♀)


東 佐藤くんが好き。臆病で奥手で人との距離を取ってしまう。

佐藤くん 東の挙動不審さに気づいてる。優しい。

聖理奈 東の友人。彼氏がいるので東の恋の相談を聞いてる。サバサバしている。






校舎内の廊下

東が携帯をいじりながら壁に寄りかかっている。

瀬里奈が東の前に現れる。



東「あと、少しで…レアモンスター。ううん、クリスタル足らない」


聖理奈「呼び出されたと思ったらゲームしてたの?」


東「あ、聖理奈!ごめん、遅いからついつい…それにゲームしてる間は悩まないし」


聖理奈「はぁ…まだ悩んでるの?もういっそのこと告ってきなよ!」


東「出来ないから聖理奈に相談したいって…言ったんじゃない」


聖理奈「はあ、ほんっとに放っておけないな…。それで?どこまで進んだのよ、佐藤くんとの関係は」


東「挨拶、は出来てるよ」


聖理奈「挨拶くらい誰でも出来るでしょ!会話は?」


東「今朝は…ね…」








今朝、教室前。



東「お、おお、おはよう。佐藤くん」


佐藤「ああ、おはよう!今日も天気いいよね」


東「うん。そ、そうだね…」


佐藤「…。あ、おはよー!!昨日借りた本返すなー!」


東「あ!…行っちゃった」












東「です…」


聖理奈「あんたのリアクションが悪い」


東「ええ?!なんで?天気いいねって言われたらそうだねとしか…」


聖理奈「それは既に壁を作ってるって!!それに!!どもりすぎ!」


東「ええええー!!だって、き、緊張しちゃうんだもん!!」


聖理奈「わかるよ、好きな人を前にしたら顔も熱くなるし、なんか落ち着かなくなるし、会話を続けるために頭も使うけど!!でも、おはようくらい自然と言いなさい!」


東「そ、そこまで言わなくても。私、だって…臆病だし、無理だよ…」


聖理奈「…むう、どうしたものか。告白以前に佐藤くんからしたら変な子って見えるし…誰でもそうだけど」


東「そうなの?!だ、誰でもってひど…」


聖理奈「事実でしょ」


東「…はい…その通りです。ううう…何で佐藤くんまで…」


聖理奈「ああ、そう言えばこの間…だったけ?東のことを聞かれたの」









一週間前、昼休みの教室。



佐藤「なあ、聖理奈」


聖理奈「佐藤?何よ」


佐藤「東がいないうちに聞きたいんだけどさ」


聖理奈「東?…何を聞きたいの?私、彼氏いるからね」


佐藤「お前のことじゃない!東のことだよ」


聖理奈「東のこと?ふーん、いいわよ。なんでも聞いて?」


佐藤「うん、なんか嫌なことしちゃったかなって思ってて。目も合わせてくれないし、俺の前じゃ全く笑わないし…お前なら東と仲いいだろ?なんか知ってるかなって。嫌なことしたなら謝りたいんだ…」


聖理奈「うーん、東からは聞いてないなぁ?聞いても答えない」


佐藤「はあ?!ムカつくなあ…じゃあ、何で俺だけ…?俺の何が悪いのかな?」


聖理奈「色々あるんじゃないの?東だって私には話さないこともあるって」


佐藤「そう…だよな、女ってよくわかんないな」


聖理奈「男も十分わかんないわ!」


佐藤「それは聖理奈の彼氏の趣味が悪いって」


聖理奈「うるさいわね!惚れた弱みよ!あっち行けバーカ!!」











東「私より長く話してる!聖理奈、そんな話聞いてないよお!」


聖理奈「え、言ってないもん」


東「ひどいよぅ…」


聖理奈「っていうか、あんたが会話続ける努力しなさいよ。私には彼氏がいるから心配ない!」


東「そうだけど、うう…」


聖理奈「嫉妬してる余裕あるなら、告ってきなさい!!」


東「うわ、いきなり押さないでよ、ちょ、どこに行くの?」


聖理奈「セッティングはばっちりよ!フフフ、私に抜かりはない!」


東「せ、セッティング?!うわわ、ちょっとー!!」









校舎裏、佐藤が携帯で時間を見ながら立っている。



佐藤「瀬里奈の奴…遅いな…何してんだ。俺に機会を与えるとか意味わかんないメールよこしやがって…それどころじゃないっての。東に好かれたいのに…」


聖理奈「おまたせー!!」


佐藤「遅い!!って東?!どうしたんだよ、顔真っ赤だぞ?」


東「さ、佐藤くん…あの」


聖理奈「あとはお二人で!ふふ、いい仕事したー!アイス食べに行こうっと」


東「せ、聖理奈?!嘘、ええと…」


佐藤「東…」


東「あああ、あの!待たせちゃって…ごめんなさい…」


佐藤「どうせ、あいつが無理やり引っ張ったんだろ?」


東「そ、その。あの。私、はな、話あって。聖理奈は協力して、くれた…感じなの!聖理奈はいい子なの!あ、じゃなくて…言いたいのは、そうじゃなくてね」


佐藤「一回深呼吸しよっか。なんか俺まで緊張してきた…」


東「そ、そうだね!すうう…はあ…」


佐藤「すうう、はあ…」


東「ほ、ほんとに落ち着いた…」


佐藤「良かった。大丈夫?」


東「うん。佐藤くん、今までの行動、本当にごめんなさい…私、その。嫌いとかじゃないの」


佐藤「え?本当?俺てっきりキツイ事言われるかと思ってた…」


東「い、言わない、よ。だって、だって…ほんとはね、ほんとは…逆なの」


佐藤「え??」


東「佐藤くんの、こと。私ね、ずっと、ずっとす、きだったの…嫌いじゃないの。好き、なの。好きなの」


佐藤「…それで挙動不審だったり目も合わせてくれなかったのか…」


東「ほ、本当にごめんなさい!私、きっと佐藤くんを不快にさせてきたよね!本当にごめんなさい!」


佐藤「…いいって。なんか、嬉しいし」


東「…へ?嬉しい?え??」


佐藤「時間かかるけど、東のこともっと知ってから答え言ってもいいかな?」


東「う、うん!もちろん!」


佐藤「東は本気なんでしょ?なら、俺もちゃんと考える」


東「佐藤くん…」


佐藤「だから、まずは友達からってことで!」


東「…さと、くん…、それ。オッケーって聞こえる、よ」


佐藤「かもね」


東「ううう…」


佐藤「顔、真っ赤だね。可愛い」


東「だって、好きなんだもん…」





数ヵ月後

東の自室、瀬里奈が暗い顔で出されたコーラを飲む。

もじもじしながら瀬里奈の様子を伺う東にしびれを切らして聖理奈は言う。



聖理奈「はぁ…それで?今度の悩みは何よ…」


東「で、デートに着ていく服ってどんなのかな?!」


聖理奈「…そろそろカウンセリング代払ってもらうわよ…」


東「あ、聖理奈…別れたばっかだったけ…ごめんなさい」


聖理奈「はあ…本当に放っておけないわね」


東「聖理奈ぁ!」


聖理奈「仕方ないからコーディネートしてあげる!」


東「聖理奈!ありがとう!」


聖理奈「…佐藤の奴、東泣かせたらただじゃおかないわよ…」


東「聖理奈?」


聖理奈「何でもないわ!行きましょ!」





部活中の佐藤。



佐藤「へっくしゅん!!…誰か噂してるのか?…あ、東…かな?へへ」












終わり

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