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吸血姫  作者: 璃瑛
プロローグ : 過去へ…。
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〜 後篇 〜

〜後篇〜


砦から脱出した後。千春達は祖母の屋敷に、身を潜めていた。あの後分かった事なのだが、祖母千鶴の屋敷は富士の樹海の何処かにあるらしく中々見つからないとの事だ。以前千春が千鶴に会った時も案内人が屋敷に案内したのでどのような場所かは分かっていなかった。

千鶴の屋敷に着いた彼女達は千鶴から改めて過去への説明を受けていた。


「千春には話したけれど、もう一度話すわね。あなた達には過去へ…羅刹が生まれた時代に行ってもらいたいの。」

「どうゆう意味です。千鶴様。」


春樹達には意味が分からなかった。過去へ行く事など通常ならあり得ないのだから。千鶴が言った言葉は非現実的な内容なのだ。


「言った通りですよ。今の現状では我らに勝機はありません。鬼の力も粉砕されてしまっている。ならばこの時代ではなく、過去を変えるしか道はありません。羅刹が生まれた頃はまだ鬼の力はそれこそ脅威とされていましたから。それに今の世を思えば過去を変える行いなど私は恐ろしいとは思いません。」


春樹を始め千秋や双子達は千鶴の気迫に唖然としていた。何時も飄々とした立居振舞を崩さない千鶴が初めて見せた姿だった。



過去への話を聞いてから一週間後。

あの後四人の答えを聞いたが即座に行くことの意思を伝えてきた。


『ここで行かないという選択肢は無いな。』

『『そうですよ』』

『真琴…さん…と…新…さんも…そう…いいま…す。』


と揺るがない決意を伝えてきた。


(…つか双子よ。いい加減揃って話すのやめないか……。)


そんなどうでもいい事を考えている辺り皆の答えは分かり切っていた事だが、それでも嬉しい気持ちが溢れた。




◼️◻️◼️◻️◼️◻️◼️◻️◼️◻️




千春達が過去へ行くための準備をしていると、どこからともなく風が吹き始め1人の女性が立っていた。


「久しぶりね。千春。」

「母様。何時この国へ?」

「千春が覚悟を決めたなら協力しないわけないじゃない。もう後戻りは出来ないわよ?」


それは千春の母・千歳だった。今は他国に羅刹への対抗策を授けに日の本の国を出ていた。


「分かってるわ。けどやっぱり母様は知っていたのね。お祖母様の力の事。」

「そりゃぁお祖母様の娘だもの。」


「それ位は当然よ」と千歳は茶目っ気たっぷりに言い放った。次に千歳は真面目な顔をして言葉を続けた。


「千春。貴女に伝えておく事があるわ。……………………………………………………。」

「…っえ?……。」


母の語った言葉に思わず耳を疑った。周りの音が消え、千春は呆然と立ち尽くした。


「これは貴女の中だけに、納めときなさい。来たる日が来るその時まで。」


千歳は千春にそう言い残してその場を去った。



「「……団長ー準備できましたか?」」



千歳と入れ替わりのように、やって来た双子は千春の様子がおかしい事には気づいたが、敢えて触れないよう努めた。


「大丈夫だ。呼びに来てくれたの❓」

「「はい。後は団長が来て下さればいつでもいけます。」」


(ははっ…だから、一緒に話し出すのやめなよ)


千春は双子のお蔭で沈んでた気持ちが浮き上がる気がした。

その後3人は中庭に向かい、春樹と千秋と合流した。







千春達が居るのは二重の円形の中に三角の形が三つ並び見たことのない文字が書かれた陣の中にいた。


「さて、準備はいいですか?」


千鶴が最後の確認をすると次々と声が上がる。


「はい。いつでも構いません。」

「「いっちゃいましょ‼︎」」

「だ…いじょ…う…ぶで…す。」

「お祖母様お母様。お願いします。」


5人の顔を一人づつ見つめ千鶴と千歳は頷き合い千春達を中心に互いに手を翳す。

すると陣が光だし辺りの風が騒ぎ出す。

千鶴は最後の言葉を語り出す。


「千春。これから貴女達には、数々の困難が待ち受けているでしょう。そして時に別れや出会いがあり選択しなければなりません。けれど、これだけは覚えておいて。自分の心に素直になりなさい。貴女が…貴女達がしたい事がそれが未来に繋がります。いつも貴女達に幸が多き事を。」


そして千歳も…。


「強く生きなさい。」


千歳はその一言を言っただけだったが、その言葉には幾つもの想いが込められていた。

2人は彼等の言葉を待たず祝詞を紡ぎ出す。


『テントチニオワシマスワガソヨカノモノタチノミチシルベトナランカノチヘトオミチビキクダサイ』


祝詞を言い終えるや否や強い光が陣から放たれ収まる頃には5人の姿は消えていた。

最後に千鶴は言った。


「千春。必ず幸せになりなさい…。」


お読み頂きありがとうございますm(_ _)m

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