〜前篇〜
明けましておめでとう御座います。璃瑛と申します。
元旦から大変失礼致します。
未熟な内容かと思いますが楽しんで頂けると幸いです。
〜前篇〜
時は西暦33××年。
我が日の本の国【日ノ国】は修羅の国と化している。魑魅魍魎が蔓延り、異形の姿のモノが国を支配している。その治世は既に1500年程続いていた。
「千春。貴女達にお願いがあるの。」
そう告げたのは淡い紫の菊模様の着物を見に纏った50代の女性。それを聞いていたのは向かいに座る少女その背には二振りの刀が差してある。
「いきなり呼び出してどうしたの?お祖母様。」
千春は不思議思う。今の日本の大半は羅刹と呼ばれるもの達に支配され人間が住まう場所は限りなく少なくなった。更に羅刹は人を見るや否や襲う為人々は息を潜めて暮らしていた。そんな生活に終止符を打つため羅刹に対抗して人々から精鋭を集め自警団を作った。
その自警団に千春は席を置いていたため、急な祖母の呼び出しに動揺を隠せない。
「私が鬼の一族である事は知っているでしょう?」
「はい。」
「私の一族はもう人間より少なくなって純血の鬼はもう私を含めて2人になってしまったわ。純血では無い者でも先の戦いであなた達自警団にいる数人のみになってしまった。」
【鬼の一族】とは異形の力を持つ一族でどちらかといえば羅刹に近い一族の事。彼らの大きな違いは理性があるかないかと鬼の一族は長命だという違いだけ。その為羅刹が生まれる前は鬼の一族が人の驚異と言われていた。
「千春。貴女も…いえ…あなた達もう分かっているのではなくて?」
「……。」
千春は言葉に詰まった。確かにもう私達が足掻いても羅刹には勝てない事を…けれど…。
答えに詰まる千春を見ながら一呼吸おいた後に祖母は答えた。
「私が貴女を呼んだのは羅刹が生まれた頃に行って欲しいから。」
「羅刹が生まれた頃⁈」
千春は耳を疑った。それもその筈羅刹が生まれた頃といえば1500年前だ。この世界に時を超えるというような非現実的な力など無いハズ。驚きを隠せない千春に祖母は続ける。
「あの時代に行って元凶を倒して欲しいの。」
「そんな事出来るの?」
「出来るからお願いしてるのよ。」
「お祖母様は行かないの?」
「私はあなた達をあの時代に送る役目があるもの。」
そう言って祖母は微笑む。しかし若干哀愁が漂っていたのを千春は感じた。
「そっか」
「そういう風に言うのは、行く事を承知してくれたのかしら?」
「うん。他の皆は聞いて見なきゃ分からないけど多分殆どは行くと思う。過去が変われば今の暮らしより楽になるかもしれないから。」
その後二つ三つ世間話をし千春は祖母の元を後にした。