過去の決別
この小説はフィクションです。
何かの気まぐれで夜、散歩をしていた。
明日は土曜日だし時間はあるから、
夜の公園でゆっくりとしていた。
「こんばんわ」
驚いた。
こんな時間に女性がいるとは。
「こんばんわ。
こんな時間に
一人なんて危ないぜ。」
普段はあまり喋らないのに
この時は口数が多かった。
「一人じゃないわ。
此処には貴方がいるし、
それとも危ない事するつもりだったの?」
「俺にそのつもりはないが
初対面の人間を信用しすぎだろ?」
彼女は見覚えのある顔で笑った。
「そこまでバカじゃないわ。
でも貴方にとっては初対面なのね。」
俺を知っているのか?
目の前の女性は・・・
「君とどこかで逢ったか?」
「逢っているでも
逢っていない。」
何だその答えは・・・
「『今』の私とは初対面よ」
「まぁいい。
でも俺に話しかけたのはなぜだ?」
彼女は初対面といったはずだ。
「お話がしたかったから。」
「それだけか?」
「それだけよ。」
それから色んなことを話した。
時間を感じないくらい話した。
「もう時間ね。」
「そうか。
楽しかったぜ、久しぶりに笑えた。
今日のことは忘れないから。」
「私も楽しかった。
貴方に逢えたこと忘れないわ。
だから・・・
もう過去に囚われないでね
これからは笑顔で負けないでがんばってね。」
そう言って彼女は今まで見た
どれよりも優しく微笑んで去っていった。
あれから3日過ぎた。
今俺は昔亡くなった初恋の少女の写真を見ている。
俺はあの時から人を好きになっていない。
失ってしまったから。
失う悲しみを知ってしまったから。
あの少女の眠ってしまった顔が忘れられなかった。
公園で逢った彼女はあの少女だったのか?
あるいはまったく別の誰かだったのか。
真実の行方はわからない。
あぁそうだ。
彼女の墓参りに行こう。
そして伝えよう。
「ありがとう
愛していた」と
乗り越えよう。
悲しみを、
彼女と過ごした尊くも儚い想い出を。
君は微笑んでいてくれるだろうか?
初めて書いたので
読みにくかったりするかもしれませんが、
これからもよろしくお願いします。