第4話 始動
一応、この話にででくる『大森』も主要キャラクターになる予定です。
鉄也さんご感想ありがとうございます!これからもがんばるので宜しくお願いします!
大森は戸惑っていた。
あの時、『マシンガンを持った男が暴れている』との通報を受け、彼を隊長とした。『特殊装甲隊』が派遣された。
しかし、実質彼らは不必要だった。マシンガンを持った男は既に戦意喪失しており、全く抵抗せずに逮捕することが出来た。
問題はその男ではなかった。
彼をここまで恐怖させた少年。
彼には明らかに銃弾の後(服に1センチ大の穴が無数に開いていた)があったのだが、彼は血すら流していなかった。 その場にいる隊員全員が悟った。
(彼はサイボーグだ)
そして今、彼は取り調べを受けている。
大森も『警備』という名目で取調室の中にいる。
「答えろ!他のサイボーグの居場所を知っているのか!?知らないのか!?」
取調室の刑事、管見が叫ぶ。
「……」
ユータは黙秘を続けている。
「最後だ・・・他のサイボーグの居場所を知っているか?」
管見が囁くように言った。
「……」
ユータは何も答えない。
管見が長いため息をついた。
「サイボーグには人権がないのは知ってるな?」
管見がユータの目を見つめた。
コクリとユータが頷いた。
「つまり、俺が今ここで、利用価値のないサイボーグを殺しても罪にはならんということだ」
管見は内ポケットに手を突っ込み、そして拳銃を取り出した。
バスッ
管見の体から血が吹き飛んだ。
大森はユータを見た。
(違う、こいつじゃない)ユータは膝の上に手を置き。銃を打てたようには、とても思えない。
(アー、アー聞こえてる? 今あんたにだけ聞こえるように喋りかけてる)
頭の中に声が送られてくる感じだ。
「どこだ!」
大森が叫んだ。
(ちょっと遠く、でも、うちの優秀なスナイパーはここからでもあんたの頭を打ち抜くぜ)
「チッ」
大森は舌打ちした。相手の目的が何であれ、非常に不利な状況だ。
(我々はそのサイボーグを保護しにきた)『声』が続けた。
(我々の名はPeace crushers)