1、始まり
八百万の神。
日本では自然界の森羅万象や現象、道具に至るまであらゆるものに神が宿ると言われている。
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--討伐任務--
正体不明の神の討伐(B-)
発生場所〇〇市〜〜町
急がれたし
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「僕が行きます。泉さんはサポートを頼みます。」
「はいはい、分かりました。はいこれいつもの。じゃ、気をつけて行っておいで。」
僕は通信機器と武器を受け取りBARを出る。
(この距離なら走った方が早いか)
「あー、あー。それで、状況は?」
「まぁもう慣れたからいいけど…。位はB-、正体は不明。…まぁいつも通りね。民間人は避けといたから後は倒すだけ。」
「ありがとうございます。では。」
機器の電源を落とし速度を上げる。
ーーー
「ここか。」
寂れた神社。苔むした境内、水のない手水舎、辺りを包み込む静寂。神秘的…と言えば聞こえはいいが、ただ捨てられた神社だ。
僕は鳥居をくぐり、境内で何かを音を立てながら食べている"それ"と対面する。
『君は…次の挑戦者かい?』
「…」
『違うのかい?』
「…」
『…分かんないな〜まぁいいやどうせ食べちゃえば同じだしねッ!!』
ーー3分後ーー
「こちら第3騎士団〇〇部隊。現場に着きました。交戦許可を…え…?」
「…騎士団の人ですよね。神は僕が倒しました。神物化はしてません。神名は分かりません。見た目的に木に関連のある神だと思います。掃除は任せました。では。」
「…はい?え?え?ちょ、ちょっと君!?い、行っちゃった…」
「た、隊長…!こ、これは!」
「な、何これ…跡形もない…じ、神社が…」
あったはずの神社があとかたもなく壊れている。あの子がやった…わけじゃないはず…きっと神が壊したのだろう。でも…もしあの子がこれをやったのだとしたら…
ーーー
「そ・れ・で?これはどういうこと?ねぇ?」
【 泉さん。さっきの任務でサポートしてくれた赤髪の女性。このBARでの唯一の良心。強いが少し馬鹿。】
「…ごめんなさい」
「今日という今日はもう許さないからね!まず任務の内容はきちんと把握してから行く!どれだけクソな神だとしても怒りに任せて建物壊さない!めんどくさいからって後から来た他の騎士団に後処理を任せない!分かる!?」
「………はい」
「あなたねぇこんな風に注意するの何回目か分かってる!?その度に他の騎士団のとこからグチグチ言われてるのよ!?」
「………はい」
「ほんとに分かってる!?あなたはほんとに~」
「ほらほら泉さん、カイも。これ飲んで落ち着いて。」
「ん?あぁありがと。」
「ありがとうございます。」
泉さんが飲んだのを確認してから飲むふりをしたグラスを置く。この場合は大抵…
「ん…これおいし…い…?…zzz」
「ありがとうございます師匠。今回は何分ですか?」
「10分から20分ってとこかな。泉さん強いからなぁ…もしかしたらもっと短いかも。」
【 黛さん。俺の師匠でありこのBARの店長。現役を退き、60代らしいが底が見えない人。 自称最弱のS級とのこと。】
「師匠…なんでこの人この手に何回も引っかかるんでしょうか…」
「…カイ。他の人を呼んできて。多分みんな2回にいるから。」
(逃げたな)
ーー5分後ーー
「さて、泉さんも起きたことだし定例会議だ。」
泉さんが不服そうにこっちに目線を向けてきたが逸らしておく。
「まず先に良い話をしよう。先程カイが行った任務が無事完了した。これでカイは晴れてA級となった!拍手!」
「…ありがとうございます。早くS級になれるように今後も頑張ります。」
「あの可愛かったカイくんがA級かぁ…やばい泣きそう…ぐすん」
【 哲さん。超涙脆い。一緒に任務をこなしていた時期もあったが、泣くのが煩わしくなってきてこっそり師匠に変えてもらった。でも良い人。】
「カイちゃんたまには休みなね〜。私に聞いてくれたらいくらでも休みの方法教えるよ〜。」
【 花さん。目を引く青髪が特徴の女性。いつも何かにつけて任務サボっている。俺よりも泉さんに怒られている。良い人。】
「ほらそこ!泣かない!堕落の方向に導かない!黛さんも注意して!」
「ここでは結果さえ出せば咎めないよ。自由がここのモットーだ。」
「…」
これがここ、"特異騎士団"の日常だ。
「ゴホンッ。では次、どうやら最近謎の宗教が出来上がった。しかも神の下僕と名乗っている。あまり褒められたものじゃないね。」
「また増えたの!?懲りないのね〜あいつら。」
この世界では現在、神による侵攻が始まっている。理由は不明…ただ確実なのは俺たち人間を始末しようとしているということだけ。
「…この前似たような名前の組織を潰しましたよね?また作り替えたんですか?」
「過去に潰した組織はどれも再起不能にしたはずなんだけどね。ほら、如何せん捕らえても全員自害するからね…何も分からないよ。」
過去に4度似たような組織を潰し、幹部を拘束したのだが…どれも失敗している。何も喋らずただ自害してしまうためだ。
「何でもいいんだけど〜また花ちゃんたちがその組織倒せばいいの〜?」
花さんがとても面倒くさそうに質問をする。
「いや、今回は数が多いらしく他の騎士団が当たることになったよ。私たちは普段通りだ。他に何か質問はあるかい?なければ会議はここで終わりとするが…」
「ないです。」
「ないわよ。」
「ないな。」
「ないない〜。」
「うん、じゃあ今日はこれで解散。皆また明日ね。カイはシャワー浴びてきなさい。」
ーーー
「あ、カイ。ご飯できたから運んでくれるかい?」
「分かりました。いつもありがとうございます。」
俺はBARの2階…師匠の家に居候させて貰っている。師匠に拾われた日からなので大体8年くらいだろうか。
「「いただきます。」」
ーーー
「ご馳走様でした。後片付けは僕がやるので師匠は休んでください。」
「ありがとう。じゃあ私は自室に戻らせてもらうよ。また明日、おやすみ。」
「はい、おやすみなさい。」
俺は片付けを行う。食事以外の家事全般は俺の仕事だ。最初の頃は迷惑をかけたが…今はもう失敗することもなくなり、成長を感じる。
(…よし、俺ももう寝るか。)
俺は片付けを終え自室に戻り、ベッドに寝転がる。
(…明日も早いし寝よう。)
そんなこんなで一日を終える。また明日…
??『やぁやぁ気分はどうだい?て言ってもちょくちょく見てるけどね〜!頑張ってるっぽいじゃん?』
…俺の中には平穏を乱す邪魔者がいる。それがこいつ…
「…寝かせろよ。今回は何の用だ?スキマ」
『つれないな〜。ま、いいや。あの神社…お前が壊したところな。あそこに行け。契約だ。』
「…チッこのクソ神が。」




