伝えたい想い
今日こそ、好きな彼に思いを伝える。そう決意して彼女、朝霧結華はその彼――木暮辰を公園に呼び出した。
ベンチに座って髪の毛をいじり、忙しなく服装を弄りながら待つこと数分。現れた辰に結華は立ち上がる。
「わり、待ったか?」
「う、うぅん! 全然!」
結華は彼に頬を赤らめながら手を差し出した。辰が躊躇いながらもその手をとって、ふたりは歩きだした。
他愛ない話をしながら街中を巡って、ゲームセンターに入ったふたり。結華はまっすぐにプリクラを撮りたいと指差して、戸惑う彼の背を押して入った。
「もっとくっついて撮ろうよ」
「お、おう……っ!」
身を寄せあって撮影されたプリクラに、編集する段階になると彼を中から追い出し――数分後、出てきた結華はそれを彼の胸に押し付けた。
「それ、私の気持ち。こんな形でごめんだけど……」
辰は戸惑いながらもそのプリクラの写真に目を落とす。そこには、ハートで囲まれた二人の姿があった。辰は顔を真っ赤に染めながらも、結華をまっすぐに見つめる。
「ばーか。どんな形だろうが好きなやつに告られたんだぜ? 嬉しい以外の気持ちがあるかよ」
「し、辰……」
「なんつーか……その、よろしくな、結華!」
「――うんっ!」
結華は、微笑みながら辰の手を取った。その手はさっきよりも温かくて、ずっと特別なものに感じられた――。




