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テーマ詩集:ふたつ名

小心者

作者: 歌川 詩季

 だから、なんでこういうタイトル、つけちゃうんでしょう?

 ここぞというとき いつも

 どうでもいい嘘をつくよ

 はぐらかすのだけ うまく

 なるのはつらいもの

 カビくさい地下室で

 チーズのような機が熟すまで

 じっと待つなど 正気の沙汰じゃないだろ


 小心者の心臓には

 カミソリはいらないぜ 生えそろわぬ産毛(うぶげ)

 四つの小部屋を 流れめぐる

 赤い血潮だけが ()えた脚に(むち)打つ



 まさかという タイミングに

 どうしようもないポカをやるよ

 とりつくろうのが うまく

 なれたなら なれたで

 キナくさい風吹けば

 うしろめたさだけは正直さ

 何食わぬ顔 できる図太さはないけど


 小心者の肝っ玉は

 ゆがみ ひしゃげて (つぶ)れ かたちくずれの泥団子

 (はら)の奥へと()えたのに なお

 青く血の気ひかす (すく)む脚が浮き立つ

 チーズは、好きです。

 カビカビしいのは、あんまり食べたことないですけどね。

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