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後日談 ウィリアム編

本編完結の後、後日談を書こうとしたのですが、リンクに失敗(T ^ T)

読みづらいと思いますが、楽しんで頂けたら幸いです。

ウィリアムはシルヴィーの結婚式を見ながら、小さなため息を吐いた。


頭が良くて人使いが荒いけど、誰よりも優しく強かった彼女。

この思いは恋ではなかったけど、ずっと自分の側に居てくれる、と信じていた。


「言うなれば、溺愛していた妹が腹が立つほどイケメンの男に持ってかれた兄の心境か?」

「妹離れをして、と言いたいけど私も大好きな姉を持っていかれた妹の気分です」


イザベルもため息をもらす。

シルヴィー達はイザベルが王宮に入れば自分達の補佐として働くことが決まっている。

だが、それは2年後。


「……絶対、子供居るんだろうな」

「シルヴィーの子供ならきっと可愛い子ね」

「俺はあと3年待たなきゃならねーのに」


イザベルの為にもあと3年は禁欲生活を強いられるのに、と恨みたくなるが、責任感の強いシルヴィーは仕事を投げ出すなんてしない。


「ま、3年後にはベルがシルヴィーを独占出来るから、我慢するか」

「今から楽しみです」


強かになったイザベルが嬉しそうに笑う。


3年後、俺達は盛大な式を上げ、夫婦になった。

待ちに待った初夜は……。

最高だった。


朝、二児の母親になっていたシルヴィーに呆れられたが、まだ20代の俺。

当然の結果だ、と爽やかに笑ってやった。


王太子としての仕事はアーネストがしっかり補佐をしてくれるから、多少の問題もさっくり解決してきたせいか、やたら俺は有能だと持ち上げられる。


だけどさー、本当に有能な人間を間近で見てると、おべっかに浮かれる気も起こらない。


バロスやラスティック以外の隣国とのいざこざや国内の問題も仲間や部下達と話し合い、対処すればなんとかなる。



俺が王位を継ぐ時、アレキサンド王国はかつて無いほどの繁栄を享受していたが、それに胡座なんてかいてたら後ろからアーネスト辺りに刺されるって。


王太子になった息子、ローランドが15歳になった時、婚約者に選んだのは、2歳下のシルヴィーの娘、ソフィアだった。


「ソフィアで無ければ私は婚約者は要りません。王位継承権も弟のハリスに」

「ローランド、まずはソフィアに言うべきじゃないのか?」

「外堀を埋めてから、と父上はよく仰っていましたが」


誰に似てこんなに腹黒になったんだよ。


「陛下の幼い頃に良く似ていらっしゃる」


書類を整理しながらアーネストが笑う。


クリスタル子爵は一代貴族。

そうは言っても、やたらスペックが高いアーネストの息子達を平民にはしたくない。

悩んでいた俺の横で、


「大丈夫、次男のダドリーは私の養子にしますから」


と、爽やかな笑顔でエインがガーネット子爵家の養子にダドリーを引き抜き、長男のシオンはジルコン公爵令息になったユーリとジェフリーが取り合っている。


ならば、1番シルヴィーに似ているソフィアは俺達夫婦の子供にしてもいいよな。


「イザベル様が既に外堀は埋め切ってますから、シルヴィーは反対しませんよ」


アーネスト、お前はシルヴィーを独占したいだけだろうが。

ベルの侍女として完璧なシルヴィーは、気が付けば王宮でも東奔西走していた。


「まだ、引退はさせないからな」

「これは手厳しい」


なんて事言ってるが、アーネストは良く解っている。

シルヴィーがベルの侍女を楽しんで勤め、子供達の将来を心配している事を。


「ソフィアがローランドを好いてくれてるなら、話を進めてくれ」

「では、何処ぞのお花畑は……」

「ローランドに任せてみる。優秀な参謀を手に入れれば、潰せるだろ」


俺の言葉にアーネストは静かに頷き、ローランドは目をキラキラさせている。


「ハロルドの三男がシルヴィーに似て、優秀だと聞いてます」


もう見つけてるのか。自分の息子だが抜け目がなさ過ぎだ。


まったく。もう出てこないと思ってたのに、別のお花畑のアホがローランドに学園で擦り寄ってるらしいが、どうやら杞憂で済みそうだ。


俺は、アーネストが入れたお茶を飲みながら次の仕事の事を考えた。

ウィリアム編の後は誰を書こうかな?

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