ある晴れた朝突然に。
私事ながら、先日、COVID‐19、いわゆる新型コロナウイルス感染症に罹患しました。
結果から言うと、はい、ごく軽症で終わりました。
現在のところ後遺症らしきものも発現してはいません。無事に快復したからこそ書ける内容ではありますが、自身の備忘録も兼ねてここに残しておきたいと思います。
言うまでもなく症状には大きな個人差があります。あくまでひとつのケースとして読んで頂けると幸いです。
当方、四十代女性。基礎疾患なし。血圧・血糖値ともに正常値。標準体型。昨年8月に二回目のワクチン接種を済ませています。同居家族は同年代の配偶者のみ。
始まりはしごく緩やかだった。
2022年2月25日(金)、朝から少し喉に違和感があった。喉というか、口腔の奥の方がヒリヒリする感じ。舌打ちをすると痛い。その週、オンライン会議で長く喋る機会があったので、そのせいかと思った。空気がめちゃくちゃ乾燥していることだし。
とはいえ、社内でも年明けから新型コロナ陽性者が増えている。念のため職場にある非接触式の体温計で検温するも、平熱だった。
急いでコンビニで「のど飴」を調達し、それを舐めつつ一日の仕事をこなした。
夜、市販のトラネキサム酸を服用して布団に入る。もちろん加湿器をつけて。
翌26日(土)、朝の検温で、おや? 36.9度。少し高いぞ。
薬を飲んだにもかかわらず、喉の痛みは昨日より悪化しているようだった。
しかし私はさほど焦らなかった。ご存じの方は多いと思うが、女性には体温周期というものがある。その時期の私は高温期にあたり、朝イチの体温(いわゆる基礎体温)が37度近くになることも珍しくなかったので、ただちに異常だとは感じなかったのだ。咳や倦怠感はない。
夫と一緒に自動車でちゃちゃっと買い物に行き、帰宅した頃に少し体がだるくなってきた。熱は37.2度。
病院行った方がいいか……と、市内の発熱外来およびPCR検査を調べ始める。ふんふん、土日も検査してくれる病院もあるんだ。おっと、ここはかかりつけ患者のみか……なるほどなるほど。
そうこうしているうちにうたた寝をしてしまう。夕方頃の検温では37度。
とりあえず明日の朝まで様子を見ることした。土日の炊事係は夫なので、夜は家事もせずダラダラ過ごさせてもらって、就寝した。
翌27日(日)、朝の検温では36.8度で、平熱の範疇に戻っていた。喉は相変わらず痛いが、食事ができないほどではない。これならまあ大丈夫かな、と安易に判断してしまう。
後で考えれば、この時にとっとと病院に行くべきだったのだ。
私の場合、喉が腫れるのは風邪の定番症状である。扁桃腺をやられた際もっと激しい痛みと高熱の経験があったので、このくらいならと舐めてかかったのがマズかった。
それともうひとつ――時節柄、発熱で受診、すなわちPCR検査になることが予想された。そうなると、結果が判明するまで自宅待機になってしまう。即日分かればいいけれど、月末月初の繁忙期に数日間休むのは厳しい。もちろん同居の夫も当然に出勤できなくなるので、今ひとつ受診に積極的になれなかった。
日曜日は診療時間が短いし、検査の受付枠は少ないし、きっと混雑しているだろうし……と言い訳を数えてしまった。決断の遅れこそが判断ミスである。
その日は特に外出の予定もなく、大人しく家で過ごした。
午後になって、何か体が火照るなあと思って検温すると、37.5度。これはマズいと初めて危機感を覚える。ちなみにこの体温が今回の症状では最高値だった。
日曜診療の病院は受付時間がもう過ぎている。市のホームページでPCR検査を実施しているクリニックを改めて確認し、早めに就寝。体温は夜には少し下がっていて、37度台前半に。
「明日の朝、少しでも熱があったら病院行きな。俺の方は会社に説明したらちゃんと休めるから」
夫にもそう言われてしまった。
さて運命の2月28日(月)、朝の検温で37.2度。
さすがにしれっと出勤できる体温ではない。倦怠感や息苦しさはなかったが、ちょっと空咳が出始めた。
代理を立てないといけない業務があったため、上司と担当の同僚にLINEを送る。「結果が分かったら知らせてね。仕事のことは任せろ!」という心強い返信をもらい、PCR検査を受け付けているクリニック(かかりつけの医院だった)へ。事前の電話連絡なしで来院OKだった。
正直なところ、この時点ではまだ自分が感染しているとは思っていなかった。噂に聞く、そして社内で報告が上がってくる新型コロナの症状にしてはヌルすぎる……。




