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第9話 そして斯波はいない

俺はあても無く、ひたすら斯波を探し続けた。斯波、いたんだよね。俺の妄想じゃないよね

斯波の居場所の手がかりを無くした俺はひたすら斯波の姿を求めて街を彷徨った


 斯波は大好きな本を BOOK OFFで買っていた。俺もそうだが、紙の本派なんだ


 たくさん読みたいから新書では無く古本で買っていた。俺は街中のBOOK OFFに斯波の姿を探した


 BOOK OFFで斯波の写真を見せて手がかりを探した


 だが、全く手がかりはなかった。そこで、俺は例の渋谷のいけないところに行った


『斯波、頼む、道を踏み外さないでくれ』


俺はそう願い。渋谷のホテル街を彷徨った。もちろん手がかりは何もなかった


 1ヶ月間、俺は斯波を探し求めた。俺は精も根も尽き果てた


 俺は髪はボサボサで伸び、ひどい顔色で毎日学校に登校していた


 最初はクラスメイトが俺を気遣ってくれたが、その内、誰も俺に近づかなくなった


 人の情も長続きはしないものの様だ


 俺は京子姉にも相談した。だが、京子姉はつれない返事だった


「私も人探しはどうしていいかわからないわ」


あっさりそう言われた


 俺は、絶望した。ほんの1ヶ月前まで、斯波に会うのは当たり前の事だった


 でも、今はどんなに恋しくても会えない


「斯波、何処に行ったんだ。俺にだけには居場所を教えてよ


 俺の事なんてそんなものだったのか?」


俺は自分の部屋で泣いた。斯波に会えない、いや、二度と会えないかもしれない


 そう考えると自然に涙が頬を伝った


 俺は、斯波と一緒に過ごした日々を反芻した。二人で撮った写真を見つめ直した


「斯波、この時、本当に恥ずかしそうだったな」


それは俺がドンキで買ったアニメのコスプレをした時の写真だ。赤い顔の斯波


 でも、とっても斯波は可愛いかった。パンツが写ってる写真は斯波に消された


 でも、一番決めポーズが似合っていた写真は残っていた


「俺たち、一緒にいたんだよな。何で、黙って行ってしまったんだ」


俺は斯波との楽しかった頃の写真を何度も何度も見返した


「斯波、帰ってきてくれ」


俺は心の底から、そう思った


 そして、更に1ヶ月が過ぎ、俺は卒業式を迎えた。桜の吹雪が舞い散る中に斯波はいた

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