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1000000回生きた野良猫  作者: 羊
2/3

2度目の人生


こんにちはこんばんは羊です。転生物なのに2話目でやっと転生しました。と思ったら…。一般的な転生物とはややテイスト(?)が違うと思うので、そこを楽しんでいただけたら嬉しいです。



どれくらい時間が経っただろうか。おかしい。意識がなくならない。未だに冴えている。とっくに火葬されてていいはずなのに。死んだらこうなるのだろうか。死後の世界はどんなとこだろうか。やっぱり楽園だろうか。妄想や1人しりとりが千だか万だか超えた辺りで幻聴が聞こえ始めた。


グワァーグワァー


鳥の鳴き声…か?いや、もっともっと化け物じみてる。…恐竜…?やばい。とうとう頭がおかしくなり始めたらしい。生きている時に見たテレビでやってたのを思い出した。人は暗闇にいると頭がおかしくなるらしい。生きてる時は自信があった。自分はそうはならないだろうって。でも、どんどん幻聴が大きくなって量も増えていく。何かが草を駆ける音や滝の音まで聞こえてきた。これはやばい。次第に匂いまでする気がしている。草や土の匂い。


(やばいやばい、どうしよう)


本格的に焦り始めた。だんだん眩しくなってきた。


(……ん?眩しく…?目が開けられる…。幻覚…?)


頭が朦朧とする。火葬はされてない。まじか。周りはジャングル…。馬鹿でかい木が周りにある。もしかしてぽい捨てされた?そんな雑なことがあるのか?悲しくなってきた。


(それよりここどこだ。あぁ死後の世界か?あの泣き声は?)


頭が働かない。蒸し暑い。段々と体を動かせるようになった。しかし四つん這いじゃなきゃ歩けない。そりゃそうか。微動だにしてなかったんだから。川がある。ジャングルなら当たり前か。…………。やはり頭がおかしくなったらしい。水面に猫が見える。


(…僕か?)


顔を動かしてみる。水面に映る猫も同じ動きをする。

自分の手を見た。肉球がある。


(これは…僕だな。あー…。なるほど?)


唐突に理解した気がする。所謂、よくある転生ものか。…あれ?おかしくないか。転生もののテンプレは異世界じゃんか。中世のヨーロッパ風じゃんか。どこだよここ。ジャングルだよ。なんでだよ。てゆうかなんで転生?本当に転生なのか?神さまに会ってない…!しかも何でジャングルで猫…。つっこみたい気持ちを胸にとりあえず歩いた。


(状況を整理したい。まず僕は事故で死んだ。このことは確かだろう。ならいつ転生されたんだ?だめだ…。情報がなさすぎる。)


遠くで鳴き声が聞こえる。


グワァァ


恐竜がいた。


(あ、アンキロサウルスだ。…あれ?恐竜⁉︎やっぱりさっき聞こえたのは鳥じゃなかったんだ!あれ?この時代に猫っていなくね?やっぱり異世界なのか?…!もしや今の僕は動物と話せるのではないだろうか。動物だし。アンキロと冒険とかいいじゃないか!どうせ10数年の人生だ。話し掛けよう!よし!行くぞ)


「にゃ…にゃぁ!」


(……話せなかった…。恥っっず!恥ずい恥ずい!僕が話せなかった。そりゃそうだ。猫だもん。人じゃないんだったよ。それより「にゃぁ」って何だよ。高校生だったんだぞ。はぁ、アンキロとの冒険が…。詰んだ。いや!話せなくても其の内コミュニケーションは取れるはず…!犬も其の内懐くって言うし。)


とりあえず背中に乗ろうとした。近くの木に登って機を窺った。川辺で水を飲もうと座っている。


「今だ…!」


ぐわんっ‼︎


衝撃が走った。意識が飛んだ。気がついたら、空を舞っていた。身体中が痛い。痛いなんてものじゃない。飛び乗ろうとした時に尻尾で殴り飛ばされた。身体が宙に浮いている。


ヒュンヒュン


空をきる音がする。


ガサガサガサ…ドサ…


やっと地面につけた。けど動けない。身体中が痛い。何日経っても身体を動かせない。どれくらい経ったろうか。雨の日も風の日も雷雨の時も、ピクリとも動けなかった。身体が腐り始めた。


(腐り始めた⁉︎ まじか。やらかした。貴重な異世界転生が一瞬で終わった。アンキロサウルスに吹き飛ばされるだけとかまじかよ。泣けてくる。)


だんだん周りが暗くなった。


(今度こそ死ぬのか)


周りは完全に暗くなった。何も見えない。けどやっぱり意識ははっきりとしてる。…はっきりしてる…。


最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。二話以降もまだまだ続く予定です。更新されたら是非読んでみてください。コメントの方も宜しくお願いします。

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