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今日の朝食のメニューはパンとチーズとサラダ、キノコのスープだ。
パンはノーマル、ハーブ入り、木の実とドライフルーツ入りの3種類から選べる。
前から思っていたがツヴァイはキノコが好きみたいだ。食卓に並ぶスープのキノコ率が高い。
「さて、自己紹介から始めます。僕はヨシュア、はぐれ魔族のふりしてる人間です。気付いたら魔界にいたので聖域なら襲われないのをいいことにここで開拓生活してます。皆さんには護衛や家事、開拓の手伝いをしてもらいたいと思ってます。あと、半年間逃亡意思とか敵意がなければ奴隷解放の条件を満たして購入出来る可能性があって、自由の身になって人間界へ帰れるかもしれないので逃亡しようとしないでもらえると助かります」
自由の身になれるというところで息を飲む様子の新しい奴隷さんたち。
「僕はツヴァイ、治癒魔法師だけどここでは掃除、洗濯、料理を中心にしてます。昨日自由の身になりました」
「私はリズ、魔法剣士だ。弓も使える。ドラゴン退治に行きたくて逃亡を試みたらレンタル継続になってしまった。主に自己鍛練をしている」
「リズ、一応護衛だから。自己鍛練も仕事のうちだけど、趣味みたいなものでしょ」
おや?という表情のリズ。
「では右の女の子から順番にお願いします」
「………はい。アイリスと言います。治癒魔法師です。掃除と洗濯ならなんとかなると思いますが、料理はあまりしたことがなく、お役に立てるかどうか」
「大丈夫、料理はプロがいるから」
「プロじゃないから。俺の本職治癒魔法師だから」
「残念ながらここでそう思ってるのツヴァイだけだよ。じゃ、次の方どうぞ」
「クリフ、魔導師です。火と雷と水の攻撃魔法が得意です。あと転移が少し使えるから遠くにいる敵に魔法を転移させて攻撃を当てることも出来ます」
なんて心強い。
「アーノルド。薬師は薬の知識と自然を扱う魔法が得意。あと洗濯」
アーノルドはとにかく開拓の手伝いをしてもらおう。
「よし。じゃあ皆さんこれから敬語はやめて、同じ村で暮らす仲間だと思って生活してね。あとこれから個人部屋作るけど、こんな家具欲しいとか要望あったら言って」
リズが真っ先に手を上げる。
奴隷の先輩でありレンタル中の人間が要望をだせば他の皆も意見を出しやすくなるかもしれない。そんな心遣いが出来るとは思わなかった。
「思ったんだが、人数も増えたし風呂をもう1つ作れないか?男女別のほうがアイリスも安心だろう」
「リズ、本当は長風呂したいだけじゃないか?」
「その通りだ」
「だが採用する」
「よし」
人数が増えたため、部屋割りも変わった。
現在1人約10畳の部屋になっている。
リズの部屋をアイリスと半分に分け、ツヴァイの部屋を半分にわけてキッチン側をツヴァイ、ヨシュアの部屋側をアーノルド、ヨシュアの個人部屋を半分にし、さらに半分にした奥の部屋をクリフ、空き部屋、ヨシュアの部屋となり、ヨシュアの部屋だけ約20畳となった。
そしてトイレも2つに増やした。女子トイレと男子トイレである。ドアをオフホワイトと青で塗り分け間違えないように気を付けた。
寝具はあるので3人のベッドを作り、温泉の隣の土地を掘ってもう1つ温泉を作る。
新しいほうが女湯になるので壁際に綺麗な花の咲く木を森から持ってきて植えてみた。
こちらも間違えないよう女湯の壁をオフホワイト、男湯を青で塗り直す。
それにしても治癒魔法師は奴隷としての扱いがよっぽど悪いのか、アイリスはヨシュアのところへ来てからみるみる健康的になっていった。
真っ白の髪も艶やかになると天使の輪が神々しい。
頬もほのかにピンク色になり、色白の肌だが健康的に見える。
服選びはそれぞれの好みに任せたが、作業しやすいように選んだのだろう、Tシャツにズボンというボーイッシュな格好だ。
出来れば美少女にはワンピースを来て欲しいが、仕方ない。
このまま成長すれば美しい女性に育つだろうというのは見ればわかる。
男だらけの中に唯一の紅一点のためサークルの姫状態になるのを恐れていたが、クリフとアーノルドは14歳のアイリスに姪っ子に接するような態度でいるため心配は杞憂に終わった。
あくまでも良きお兄さんの立ち位置である。
年齢的に守備範囲に入っていないのだろう。
性別を間違えたツヴァイと二人で芋の皮を剥いているときなど、美少女が並んで料理を作っていて微笑ましい。
え?リズも女性だって?
いやリズは女性、男性の性別を越えた何かだから。
役割的にツヴァイがアイリスに家事を教え、リズがクリフと護衛、ヨシュアがアーノルドと開拓兼農業に勤しんでいる。
クリフとリズは1人でいることが多い。仲が悪いのではなく護衛でも肉体派のリズと魔術メインのクリフでは訓練内容が異なるためらしい。
クリフがこの前あれは人間かな?メスゴリラかな?と呟いていたが聞こえなかったこととする。
アーノルドとは今後の開拓計画についてよく相談している。
日当たり確保のため木を適度に抜く作業はほぼ終了しているため、今後こういう作物を育てたいという話をしているのだ。
やはり農園に人気な職業なだけあって、漠然とこうしたいという案を話すと具体的なアドバイスをもらえるのは助かる。
「川沿いに水田を作って米を育てることと、畑の拡大、あとゆくゆくは家畜を飼育したいんだ」
「大雨があれば川が氾濫する。水害で稲がダメになるより、川から水路を作り、少し離れたところで作る方がいい」
「なるほど。川に堤防作るのは?」
「堤防は土だと土砂になって悪化する可能性がある。木は、腐敗するから管理が面倒だ。石ならいいが、時間がかかるぞ」
「そっか。じゃあやっぱり水路を引いて川から少し離れたところのほうがいいかな」
「そうだな。川沿いには薬草園を作るのはどうだ?薬草とはいえ、雑草だから自然災害に強いし、金になる」
「いいね!薬草園の植える植物はアーノルドに任せてもいいかな」
「ああ、わかった」
すこしぶっきらぼうなしゃべり方だが、アーノルドは公用語があまり上手く喋れないそうだ。
ヨシュアは何故か何語でも喋れるが、みんなはそういうわけにはいかないのでここでの暮らしでは人族の公用語を使ってもらっている。だが従軍するほどの薬師になっているだけあって、意思疎通には問題ない。
今思ったけど、魔界に侵攻する軍隊に従軍してるから皆エリートなんじゃないかな?
リズはドラゴンに挑もうとする時点で人間を辞める勢いである。
クリフは魔法を転移させて奇襲できるし、アーノルドも薬師なんて特殊な職業なだけあって、薬草の知識だけでなく育てるにはどうしたらいいかという知識もあり、自然を操る魔法にも長けている。
アイリスは治癒魔法師で聖女の可能性がある。
ツヴァイは治癒魔法師かつ家事すべてが完璧である。軍のサポートとして従軍していただけある。
ヨシュアは使おうと思えば魔法が使え、なぜか言葉は通じるし文字も読めるチートだが、学ぶ機会がないため生かしきれていない。
もし教師が奴隷になっていたら買い取るのだが、教師が従軍しているとも思えない。なぜ王道ファンタジーの定番、魔法学園に進学ルートがないのか、悔やまれるところである。
「ヨシュアくーん!」
遠くからツヴァイの声が聞こえた。
「なにー?」
ツヴァイが珍しく駆け寄って来る。
「アーノルドさんから聞いたよ、薬草園作るんだよね?」
「ああ、川沿いにな。アーノルドに任せることにしてるけど、どうかした?」
「料理やポプリに使えるハーブを育てたいんだ。薬草園の一部を俺も使っちゃダメかな」
「それならわざわざ川沿いに行くのも面倒だから家の余ってる庭でやれば?そのほうが料理のときにも収穫しやすいだろ」
「本当?やった!ありがとう!」
無邪気な笑顔の美少年。
庭でハーブのガーデニングをするなんてどこの新妻だ。
まったくけしからん。もっとやれ。
新しい仲間がここでの生活になれてきた頃、やっと野菜が収穫できるくらいに育ってきた。
アーノルドに見てもらい、収穫可能な野菜をもいでツヴァイ達にわかるようキッチンへ置いておく。
そして畑の草むしりでもしようと玄関を出ようとしたときである。ドアの外からツヴァイとアイリスの声が聞こえた。
「アイリス、洗濯物置いたら次はハーブ探しに行こうか。洗濯物置いてくるから待ってて」
「そんな、私が持っていきます」
「大丈夫。6人分の洗濯物重たいでしょ?女の子なんだから無理しなくていいよ」
「女だからとか、仕事に関係ありません」
「うん。仕事することに性別は関係なくても、男のほうが力があるし体力もある。こんな見た目だけどアイリスより俺のほうが力があるんだ。でもアイリスは細かい染み汚れとか丁寧に洗うのが得意だろ?料理も煮込んでる間にサラダの用意とか要領いいしさ。性別だけが理由じゃないけど、向き不向きがあるからここは気にせず俺に運ばせてくれないかな」
なるたるイケメン。
性別間違えてなかったよツヴァイ。
君は女性にモテる。
「………わかりました。特別扱いは嫌ですからね」
「大丈夫、俺もヨシュア君もアイリスが聖女かもしれないってのはわかってたんだ。でもヨシュア君は自分で言い出さない限り、ここで暮らすあいだは普通の女の子として扱おうって言ってる。これは特別扱いじゃないよ。よくある普通の女の子扱い。じゃ、置いてくるから汚れてもいいカゴ用意して待ってて」
アイリス、聖女確定のお知らせ。
ドアを開けてもアイリスからは見えないよう物陰に隠れる。
「あれ?ヨシュア君珍しいね」
洗濯物を抱えたツヴァイに見つかった。
「野菜、収穫出来た。夕食、使う。僕、喜ぶ」
「そうなんだ、わかった。………さっきの話聞こえた?」
盗み聞きしていた居心地悪さから、精一杯のオチャメな話し方をしてみたが見事スルーされた。
「アイリスが聖女なのは話を聞いててわかったよ」
「俺が気付いたのもたまたまだけどね。アイリスはやっぱり聖女様だった。だけど教会で洗礼の時に聖女だってわかってから今までずっと特別扱いされて生活してたから、皆には知られずに普通に接して欲しいんだって。普通の農村での生活が実家で暮らしてたときみたいで懐かしいらしい」
「へぇー。才能あるがゆえの悩みってことか。僕なら調子に乗って偉そうになっちゃいそうだけど、アイリスは凄いね。本人が知られたくないならこのままでいいんじゃない?」
「ぷっ。そうだね。それがいいよ」
おいちょっと待て、なんで笑った。
「じゃ、俺はアイリスと庭のハーブ園に植えるハーブ探してくるから」
「行ってらっしゃい。森の奥行くならクリフかリズに護衛頼むんだよ」
「はいはい。心配症だなぁうちの村長は」
「だれが村長だ」
ツヴァイを見送るとき、一瞬アイリスの横顔が見えた。
ほんのり頬を染めた様子の横顔は、まるで恋する女の子のようである。
……………ん?
恋する女の子……?
まさか、ツヴァイに恋愛フラグ?
聖女様なんてどう考えてもメインヒロインの女の子が、ツヴァイに恋愛フラグを立てている………だと……?
ツヴァイも今は中性的で美少女に見間違うほどの可愛さだが、成長すれば中性的なイケメンになるだろうし、パリコレモデル並みの美男子になるのは確定ルートだ。美男美女、お似合いの二人である。
そうか、もしツヴァイとうまくいけばここでカップルが誕生するかもしれないのか。ツヴァイとアイリスが結婚したら二人の新居たててお祝いしないとなぁ。そんなことを考えながら草むしりへと向かった。
チマチマ雑草を抜くのはわりと楽しい。一本一本手作業で抜いていく。雑草が抜けた後は、作物にアーノルドに作ってもらった肥料を水に混ぜて雨を降らせる。
アーノルドは薬草園作りに川沿いへ行っている。金になる薬草メインで作るようお願いしているので、聖域に生息する薬草の種類を把握したいと薬草園作りと平行して森をよく探索している。
リズはドラゴンに挑む前の最終調整だと言い残し訓練へ、クリフは転移魔方陣の気配がすると森へ探しに行っている。
ボッチである。
いっそのことボッチ村長として君臨しようと思う。
いや、いい。
言わなくてもわかっている。
聖女かもしれないなんて、メインヒロインがついに表れたのではないかと期待した気持ちがなかったとは言えない。だが奴隷としてレンタルしている以上、恋愛イベントなんてなかなかない。
奴隷と共に二人きりでしばらく生活しているならあるかもしれないが、うちはもう軽い集落である。農村である。
聖女かもしれないのはわかっていたが特別扱いするわけにもいかないし、サークルの姫になってはいけないと距離をおいて接したのがダメだったのか。
ヨシュアのヒロインはいったいいつ表れてくれるのだろうか。ハーレム展開なんてなくていい。
たった一人の愛する女性と、のんびり一緒に暮らしたい。恋愛なんてすっ飛ばして嫁が出来ないものか。彼女いない歴=年齢の、ある意味魔法使い予備軍には恋愛のやり方がよくわからないのであった。
人恋しくなったその日の夜、皆をリビングに集めた。
「はい注目!毎回恒例、生活の困ったこと相談会を始めまーす」
寝る前に集まって皆でハーブティーを片手にツヴァイとアイリスお手製の木の実クッキーとマフィンを食べながらの相談会である。
「はい」
真っ先に手を挙げたのはリズだ。
「はいリズ」
「来週ドラゴン退治に行ってもいいだろうか。期間としては1週間ほどを予定している」
「はい行ってらっしゃい。じゃあその間皆は森の奥に入るときはクリフに護衛を頼んでね。クリフさんよろしく」
「わかった。声をかけやすいようなるべく泉の近くにいるからいつでも言って」
「では次の意見ある人ー」
「はい」
顔の横に手のひらがくるよう、控えめに手を挙げるあざと可愛いツヴァイである。
「はいツヴァイ」
「人数が増えて、アイリスと仕事を手分けしてるし、アーノルドさんもよく洗濯物を手伝ってくれて僕の仕事が料理くらいしか無くなってきてるんだ。手持ち無沙汰ってのもあるけど、そろそろ家畜飼わない?」
料理のクオリティが高すぎるし、三食とおやつと保存食とハーブティー作りと料理だけでかなり時間がかかりそうなのに手持無沙汰だというツヴァイ。のんびり開拓と散策して過ごし、隠居後の庭いじりが趣味の老人のような生活を送っているヨシュアには耳が痛い。
「あー、家畜かー。僕もいつかはとは思ってたんだ。じゃあ家畜小屋が出来しだいってことでいいかな。臭いそうだから少し離れたとこに作ると思う。でもそれだと世話に通うのが少し面倒かな、どこに作ろうか」
「ヨシュア、それなら薬草園のそばに家畜小屋を作って欲しい。糞はいい肥料になる」
アーノルドが会話に加わる。メンバーの中で唯一ヨシュアのことを呼び捨てにしているのは、公用語では敬称の使い分けが難しいらしい。全部日本語に聞こえてるからよくわからないけど。
「わかった。じゃあ場所はアーノルドと相談して決めるよ。次の意見ある人どうぞ」
「俺、いいか」
アーノルドである。
「どうぞどうぞ」
「薬草園のところに温室を用意したい。温度によって、収穫出来るまでの期間が変わる。温度調節は魔法でやる。材料が欲しい」
「へー、そうなんだ。今度町行くときに一緒に見に行こうか。アーノルドじゃないと何が必要かわからないだろうし。お金は気にしないで、キノコ売りでだいぶ潤ってるから」
「あのー」
アイリスが申し訳なさそうに手を挙げる。
「アイリス、どうぞ」
「もし余裕があったら、街で女性用のボディーソープとか、髪を洗うシャンプー、トリートメントが欲しいです」
雷に撃たれたような衝撃が走った。
盲点だった。男だらけで石鹸オンリー生活をしていた。
これが女子のいる暮らしか。
「早急に買おう。気付かなくてごめん、美容品も遠慮しなくていいよ。自分で選んだほうがいいと思うから、今度アイリスも買い物に行こうか」
というか生活にいっぱいいっぱいで皆好きなもの買う機会なんてなかったな。アイリスは自分で選んでと言っても遠慮して安いのを買いそうだ。
「よし、いっそ定期的に皆1万ずつくらいお小遣い持って街で買い物できる日でも作ろうか。たまには息抜きも必要だしね。荷台に乗ればみんなでお出かけできるし」
「なんか、ヨシュア君見てると本当に自分が奴隷という身分なのかわからなくなるよ」
苦笑しているのはクリフだ。
「あはは、俺もよく思ってたよ。ヨシュア君、調理器具増やしたいからお小遣いの予算増やしてくれないかな」
「調理器具はお小遣いで買っちゃいけません。生活費枠です。お小遣いは自分のために使いなさい。街でパンケーキ食べるとか、アクセサリー買うとか、お菓子買い込むとかね。服とかシャンプーは生活費枠から別途予算を渡すよ」
ツヴァイがくすくす笑っているが、何がおかしいのかさっぱりわからない。
わいわい和やかな相談会が終わったあと、寝るために各々部屋へと帰っていく。
「ヨシュア君。少し聞きたいことがあるんだけど、今いいかな」
クリフから話しかけてくるとは珍しい。ヨシュアやツヴァイとはあまり話さず、年齢が近いアーノルドとよく話している印象だ。わざわざ相談会が終わってからとは、何の話だろうか
「大丈夫。珍しいね、質問なんて」
「ああ、気になることがあって。この聖域には転移魔方陣の気配があるんだけど、中々見つからなくてね。ヨシュア君は気付いたら魔界にいたと言うけど、転移魔方陣でこの聖域に来たわけじゃないんだよね?」
「うん。僕がいたのは毒沼だったよ。沼の底に魔方陣があったのかもしれないけど確かめようがないんだ。命からがらやって来たのがここ。たまたま聖域に来れて助かっただけ」
まったく嘘は言っていない。
「そうか。転移魔方陣の気配だけはわかるんだが、少ししか使えないこともあって位置まではわからなくて困ってたんだ。ヨシュア君が来たときの魔方陣の気配かもしれないと思ったんだが、毒沼となるとだいぶ距離がある。さすがにあの距離で気配は感じられないから、やはりこの聖域のどこかに魔方陣があると思うんだけど」
「魔方陣って人間界側で壊してるのが多くてもう使えないのばかりって聞いたけど、大丈夫なの?」
「ああ、気配がわかるものは大体使える物だから大丈夫。多少不備があるくらいなら俺が修復出来る。何か怪しいところ知らないかな」
転移魔方陣が修復出来るなんて、やはりエリートか。
「聖域の範囲はあらかた開拓して見て回ったけどずっと森が続いてるだけだったからなぁ。…そういえば、マリーさんが世界樹のうろの中は冥界に繋がってるって話してたことがあった」
「うろの中?」
「そうそう。今干し草の倉庫になってるところ。ここに来たばかりのときはうろの中で寝起きしてたんだけど、虹の鳥のマリーさんにここの生活で気を付けることありますかって聞いたら、うろの中は冥界に繋がってるって話を教えてもらったんだ。なんの問題もなく寝起きしてたけど」
「迷信みたいなものかな?念のため見てみるよ」
ヨシュアがあくびをし、クリフが教えてくれてありがとう、おやすみと挨拶をして、各々部屋へ眠りに行った。




