ミミック生活の始まり
気付いたら変わったところにいた。
周りを見ると、悪魔にスライム、そして龍と凄い装備の人が居た。
「成功…したのか。」と凄い装備の人が言うと、悪魔やスライムが喜んだ。
名前、職業、年齢を思い出そう。
名前 レオ=ミミック
職業 画家
年齢 15歳
お前は宝箱に一生入っていると何度も攻撃された覚えがある。
「お前は人間か?」
すごい装備の人がそう言った瞬間喜びの声が止まった。
「えっ…あ、はい。人間です。」
言い終わってから後悔した。ここには、魔物がわんさかいる事を忘れていたのだから。
「なら、ドラゴンの餌にするか。」
「えっい、命だけはやめてくれ。な、何でもするから。」
(何でもするは口癖だから困る。)
「おっ、「何でも」と言ったな。じゃあドラゴンの餌に…」
「言ってませんし、出来そうなことを何でもすると言いました。」
どうしようか考えていたら、凄い装備の人が言った。
「ミミックになれ。餌になりたくなかったらな。人を捕まえて来るだけの簡単な仕事だ。」
(名前にミミックが入ってるし、簡単そうだし考えるのをやめよう。)
こうして、名前の通り俺のミミック生活は始まった。
「言い忘れたが、我は魔王である。その魔力で王国の適当な所に連れて行くから、帰る時は我を魔王城へ連れて行きたまえ。とか思えばいいからな。ただし!それを絶対に人に見られてはいかんぞ。では、さらばだ。」
と、魔王が言うと、いきなり路地裏に居た。
「え、魔王とか王国とか…しかも王国に来ちゃったし。魔王って事はもしや能力とかあるのかな。
取り敢えず大通りの方に出ないと。」
適当に歩いていると、人通りの多い道に出た。ちょっと誰かに聞いてみよう。
「あの、すみません。能力ってどこで確認できますか?」
「もしかしてステータスの事?それならギルドで確認できるよ。道案内は必要?」
「是非お願いします。初めて来たのでよく分からないんです。」
ギルドに行く間、勇者の話をしてくれた。
・「勇者」は体力の消耗が妙に激しい時がある。
・「確率操作」という他に誰も習得していないスキルを持っている。
のようなことがわかった。
「そろそろ着きますよ。ここがギルドです。」
「あ、ナノさんじゃ無いですか。クエスト終わったんですか?」
「ええ、無事終わりました。討伐証明用の粘液です。」
そう言って、中に粘り気のある液体が入っている小瓶を取り出した。
「スライム10体の討伐完了ですね。こちらが報酬の300Gです。」
へえ、あれスライムから取れるんだ。捕まえるのに使えそう。
「あ、名前教えて無かったね。私はナノ=ヒール。ナノで良いよ。」
「レオ=ミミックです。レオと呼んでください。そういえば、ステータスってどこで確認できますか?」
「あ、そうでしたね。あの青い石に触れれば良いです。触れた後は念じるだけで良いです。」
言われた通りに触れた。すると、空中にステータスが表示された。
レベル1 体力15 魔力100000
適正魔法 [空間魔法] [呪術] [回復魔法]
スキル [画家] [魔法強化]
「魔力10万?しかも画家なんて見たことも聞いたこともありませんよ。どういう事でしょうかねえ、レオさん?」
厄介なことになってしまった。