緊張感と安堵感
今回はすこーしだけ長くなってしまいましたが、見逃せない大事な展開です。どうぞお願いします!
「おまえらなにしてんだ。そいつの手はなさねぇとぶっ飛ばすぞ!!」
「んだてめぇ、関係ねぇだろ。早く消えろ、ぼこぼこにすんぞ?」
「やってみろっ!このくそどもがっ!!」
龍也は男2人と喧嘩になったが、相手が応援を呼び、大勢対1人といった状況になっていた。
そんな時、目を覚ましたしいなはこの状況を把握し、すぐに大声をあげた。
強モブA「やばい、今ので周りの視線が集まっとるわ。めんどいことなる前にずらかろか!」
男たちは去ったが、龍也はボロボロの状態であった。
「なにしてんだよおめぇわ。面倒事に巻き込まれんなよ。あーいてえ。」
「あんたこそなんで。血でてるし、大丈夫なの?病院か警察に行ったほうがいいじゃないの?」
「バーカそんなことしたら学校にばれて問題になんだろ。バスに戻んぞ。」
「そーだけど。本当に大丈夫なの?」
「おれよりおめえが大丈夫か?なにもされてねーのか?」
「うん。それは大丈夫。」
警察に通報されていなかったのか、その場は何事もなく、2人はバスに戻っていた。
「なんで助けに来てくれたの?あたし1人だったし、誰も来てくれないと思ってた。」
「竜美が連絡してきたんだよ。なんかやばい状況だから来てくれって。お前こそなんであんなとこにいたんだよ。」
「いや、ちょっと、何も考え事したくなかったし、あいつらがなんかおごってくれるっていうからさ。」
「なに考えてんだよ。いくらなんでもそれは怪しいってわかんだろ普通。」
「・・・・・・。」
「まぁなにもなかったからよかったけどよ。」
「ありがと。」
「なんだってえ?耳キーンってなってて聞こえねえよ。」
「なんでもないっ。」
「なんか昨日からお前へんだけど、悩みでもあんだったら竜美かおれに言えよ。相談できんのおれらくらいしかいねえだろおまえ。笑」
「そんなことねーし!でもそーね、今度からそーしてあげる。」
「あげるってなんだよ。ったく素直じゃねーなおまえわ。」
バスに戻ると、竜美が後から急いで帰って来た。
「りゅーちゃん、しいちゃん大丈夫だった??
医療キット買ってきたよ!」
「ありがてえ。さすが竜美だな。」
「大丈夫だよ。ありがと竜美。あたしがやるよ。」
しいなが龍也のけがの治療をしている間に他の生徒も続々と帰ってきている。
龍也(無口の時もこいつ可愛いな。)
「なに見てんのよ!集中できないじゃない。」
「こいつほんと可愛いなぁ。って心の中で思ってるんだよきっと!笑」
「何言ってんだよ竜美!」
龍也としいなは顔を真っ赤にしている。
モブ「おいおい、みんな!お熱いぞこの2人!お似合いカップルめ!みんなの前でなにしてんだよー。」
モブ達「ひゅーひゅー熱いねえ!」
「てめぇら1人ずつぶっ飛ばしていくからな!」
そんなこんなでホテルに到着し、夕飯を終え、レクリエーションが始まろうとしていた。
内容は結局その場で決めることになり、結果、王様ゲームと怖い話をすることになった。
モブA「おれが王様になったら定番の何番と何番がチューとか命令するからな!」
モブB「おれならもっとエロいこと思いつくぜっ、えへへ。」
「ぼくならりゅーちゃんとしいちゃんにチューさせるけどみんなはどお?笑」
モブ達「いいねぇ!それはありすぎる!!」
「竜美てめぇふざけんなよ!」
王様ゲームはいい具合に進んでいき、ラストゲームに竜美が王様になった。
「うーん、そーだなぁ。ちょっと待ってね。」
「おい竜美はやくしろ!てかなにスマホ触ってんだよ!」
「ごめんごめん!決めたよ!
1番と11番!みんなの前でお互いの良いところを伝えてください!笑」
なんと、その2人は龍也としいなだった。
偶然ではない、竜美がスマホで他のクラスメイトに連絡し、操作したのだ。
モブ達「おいおいっ!ほんと2人はお熱いねぇ!!」
「まじかよ、こんなことあんのかよ。」
「なに言ってんのあんた、多分竜美が仕組んだのよ。」
「そーいややけに遅かったし、スマホいじってたな。あの野郎・・・・・・。」
「さぁ次の怖い話もあるし、はやく言ってよ2人とも!」
周りと竜美に煽られて、腹立ちながらも龍也が口を開いた。
「わかったよ!言えばいいんだろ言えば!
こいつの良いところは顔が可愛いこととすげえ優しい一面があることだよっ!!」
モブ達「おいおいっ!笑
言われてもないのに2つも言ったぞ!これはもう告白だろもはや!笑」
モブA「龍!自分から告白はしないじゃなかったのかー?笑」
「いいねえ、りゅーちゃん!
はいっ次はしいちゃんだよ!」
龍也は赤面だが、今にもブチ切れそうは様子である。
(人からそんなこと言われたことなかったし、しかもこいつからとか。まじ頭パンクしそう。)
「わかってる!!
えーと、案外頼り甲斐があるとこ、かもね。」
龍也(・・・・・・。)
モブ達「永井もなんかガチだぞっ!おまえら2人できてるじゃんかー!!」
痺れを切らした龍也が暴れて、王様ゲームは終わり、怪談話大会が始まると同時にしいなは会場を後にし、ビーチに行った。
(ほんとやばい、なんかもう。
とりまジュースでも飲んで落ち着こ。)
だが、自販機には先客がいた。
(なんできたんだよあいつ、さっきので気まずすぎんだろ。けど、いつも通りでいくしかねぇか。)
「おーい永井!お前もジュース飲むのか?おごってやってもいいぞ。」
(えっ?!なんでいくとこいくとこあいつがいんのよ。)
「でたでたっ。プロストーカー。次ストーカーしたら警察に言うから!」
「なんでだよっ!こっちが言いてえよ!
てかいらねーのか?」
「いるに決まってんでしょ!」
実は、先ほどの王様ゲームの内容を竜美に録音されており、龍也はそれを消してもらうためにジュースを買わされていたのだった。
「さっきのはえぐかったなぁ。まじであいつらぶん殴りてぇよ。」
「そうね。あんなに煽られたの初めてよ。」
会話のキャッチボールが続かない上にお互いの心中が揺れているため、静かな時間が続いた。
「おれさ、今まで頼り甲斐があるとか言われたことなかったから、うそでも嬉しかったわ。」
「うそじゃない!」
「えっ!?」
「いや、なんでもない。
けど、あんたのほーこそうそじゃないの?」
「うそじゃねーよ。ニューヨークの帰りの飛行機覚えてっか?あんとき実は起きてたんだよ。」
「そーだったんだ。」
「そーいやあんときお前、助けてもらうために連絡交換するって言ってたよな?
今日でほんとは貸し借りなしだけど、今後も連絡先残しといてやるよ。」
「上からなに様よ。別に消してもいいし!」
「消さねーよ、てか怖かっただろ?
おれがもう二度とあんなこと起こさせねーから、次はすぐに連絡よこせよな。」
と言い、龍也がしいなの頭に手を置いた。
すると、大きな緊張感の後の安堵を感じ、しいなの目から涙が溢れてきた。
「怖かったよ。もうダメかと思ったもん。」
そして龍也はしいなをそっと抱きしめた。
1日目以上に濃い出来事が起き、それをきっかけに2人の距離はこれまで以上にグッと縮まった。
竜美「・・・・・・。」
翌日、一通のメールが龍也宛に届いていた。
『京本様、我々は監視しています。契約は覚えていますか?』
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最近やる気の落ちこぼれです!どうか今後も読んでくださると有り難いです。