選択の結果と出会い
朝起きると昨日の返信が来ている。
『仮契約は完了しましたが、本契約は完了していません。金額の受け取り方法はあなたに委ねますので、その方法を返信してください。』
「やたらと本格的で手が込んでんな。口座テキトーに作って口座番号書いてみっか。」
悪用されても構わないと思いながら、メールを返信したら、またすぐに返事が来て、契約完了と罰則や監視のことについて書かれている。
「まあいっか、無視。」
学校で友人にこのメールのことについて話してみたが、
モブA「龍は見た目と違ってそんなこと信じちゃうのか。ヤンキーのくせに勉強もできるとかまじキャラめちゃめちゃじゃん。笑」
「うるせえよ、モブ!暇だからやってみただけだっての。てか同じようなメール来てねーの?」
「ううん、来てないよ。モブBモブCも来てないよな?」
「「来てないよぉー。」」
「そうか。」
女子「・・・・・・。」
その後、龍也はトイレで口座情報をスマホで照会すると、見たことがないケタの金額を目にする。
「あのメールまじだったのかよ、信じらんねえ。
やべぇ、故障じゃねえのか?おろさない限りこんなの信じねえ。」
お金のことに頭をもっていかれていて、その時は気づかなかった、
『人生において最も誤った選択をしたことに・・・・・・。』
「銀行で確かめたらまじだよな。うん、信じるしかねえ。てゆーか今後彼女作れないと思うと辛えかも・・・・・・。いや、おれに女はいらねぇ!!!」
高校生が酒池肉林のような事をしても意味がないと考えていたので、生活は普段と変わらなかった。
ある日のかえりの道中にて。
ぷるるるぷるるる、ポチ。
竜美「もしもしりゅーちゃん?ひさしぶり!
なにしてんのー?そろそろ春休みでしょー?ニューヨークに遊びに来てよ!」
「竜美か?久々!
いきなりすぎだろお前、けど特に予定はねえからなあ・・・・・・。
ニューヨーク行くか!世界の中心がどんなものか確かめてやらあ。龍也ニューヨーク凱旋ってな!」
「りゅーちゃんニューヨーク初めてでしょ。まぁいっか待ってるよ!ばいばーい!」
「嵐のようなやつだったな。」
エアーチケットとホテルを予約し、人生で初めて、ニューヨークに行くことになった。
実は先ほどの人物は、龍也の幼馴染の山本竜美である。ニューヨークに留学している最中であった。
「平凡な生活からの解放って考えると、興奮してくんな!
ん・・・・・・やべっ、委員の掃除忘れてたっ!」
急いで学校に戻ると、もう1人の美化委員である一般的にギャルと呼ばれてる身なりの女の子が腹をたたせて1人で仕事をしている。
女子「あ、きた。本当なに考えてんの?ホームルームに言ってたの聞いてなかったの?ばかじゃない。」
仕事内容が下駄箱の掃除であったため、ひどく怒っている。
「申し訳ない、ちょっと大きい方してたんだよ。忘れてなかったから怒るなって。」
「走ってきてたじゃん。理由に下ネタとかまじキモいからっ!」
その後・・・・・・
「あー、めんどかった。あんなギャルみたいなやついたんだ。」
と愚痴をこぼしながら帰宅した。
春休みに入り、予定していたニューヨーク旅行に行くことになった龍也。
連絡していた幼馴染の竜美と会うために待ち合わせ場所に向かう道中で外国人に怒られている日本人を見つけた。
「Are you kidding me? You're so rude!」
と外国人が言っており、
その女の子は混乱しながら、
「お前が悪いんだろ、ゆーふぁっくだー!」
と叫んでいた。
龍也は厄介ごとに首を突っ込むのはごめんだと思いながら立ち去ろうとすると、その女の子が助けを求めてきた。
「お願い!助けて!こいつまじで意味わかんないだけど!」
「よく見たら、この間のギャルじゃん!?
借りもあるし、しゃーなしやるか。」
とりあえずその場を治めて、カフェで落ち着かせて話を聞くと、
「ほしかった限定商品を先に買われたからだあ?
そんなことで外国で揉めんなよ。」
「あたしにとっては重要なことなんだから、グスッ。てゆうかなんであんたここにいんの?」
それはこっちが言いたいという気持ちは抑えて、約束があることを伝えると、
「番号教えて、また困ったら助けにきてよ。こないだの借り返せ。」
「は?勝手なやつだなおまえ、さっきのはなんだったんだよ。」
(あんな泣き顔すんだな・・・・・・。)
だが、しぶしぶ交換した。
女子の連絡先は姉と母以外なかったが、高校生活で初めて新しく登録された。
『永井しいな』
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