一話
俺は高校二年の芦屋 光輝。バスケ部キャプテンだ。
極めて普通の高校生だ。中学のときに異世界にトリップしたということ以外は。
異世界から一時間も経たずに帰ってきた俺は、普通に受験をして、高校に受かって、普通にバカやって笑いあってそれなりに楽しく過ごしていた。
今日もいつものように仲間たちと馬鹿な事をしている。
真冬の凍える寒さの中、学校のすぐそばの川で突き落としあいをしている。
『わっ!?ちょ!危ないだろ!?』
俺は真冬の冷たい川に突き落とされる。
『寒っ!?冷た!?』
直後、ビッビと痛みが足から全身に走る。
・・・・・足つった。
バチャバチャともがく俺。
どんなにもがいても水が口に入る一方なわけで。
マネの女の子が慌てて川辺に駆け寄ってくるのがみえた。
彼女のスカートの中は・・・白だ。
最後にいいもの見たな、なんて思いながら俺の意識は暗闇にのまれていく。
仲間とマネの叫び声のなか、懐かしい声が聞こえた気がした。
『誰か助けてよ』
左耳につけていたピアスが優しく光って俺を包む。
この感覚は覚えてる。中学生の時と同じだ。
またマリンちゃんに会えるのか・・・?
そんなことを考えながら俺の思考はそこで停止した。
ニュースをお知らせします。
昨日午後、○○川の河川敷で遊んでいた高校生の少年らが仲間を川に突き落として殺害しました。被害者は○○市に住む芦屋 光輝さん。十七歳です。警視庁によりますと、・・・・・