表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/22

業火の宴

 アーサーが閉じていた目を開いた。


 時間は夕方辺りだろうか。他の3人はまだ情報を集めている為、今だに目を閉じている。

 なぜアーサーが圧倒的に速かったか。それはアーサーが持つ魔術は雷ということにある。光龍には負けるものの、その移動スピードは速い。だから情報集めの時間も短いのだ。それに加え、微弱な電流を脳に流せば、現在のみならず過去も見れ、色々な情報を得られるということもある。


(今回はややこしそうだな)



 今回の問題を調べてみてアーサーが思ったことだ。どうやら絡んでくるのは(マナ)と負らしい。まあ、(マナ)の知名度は低いから一般的には『神の力』なのだが。

 (マナ)について詳しく説明すると、


1、蒼天柱(そうてんちゅう)により造られたものである。


2、(マナ)は世界に降り注ぎ、この空気中のなかを漂っている。


3、全ての生き物の体の中にある。魔術、魔術を使うと消費される。


4、人々が言う神々に感謝の気持ちを捧げると、(マナ)が消費された分蓄積される。


5、その生き物が死ぬと体から解放される。死因によって行く場所は様々で、もし病死だったら蒼天柱に魂と共に昇っていく。もし殺されたのだったら、殺した者に宿る。



といった感じだ。



 一方、負というのは『怨念』『哀しみ』のことで、負を体内に取り込むと一時的に狂気化したり、中毒症状が出る。代わりに、周りをねじ伏せられるだけのパワーを貰える。


 そして、今回のは負を取り入れて、生き物を殺し、力を負に捧げ更なるパワーを貰う、いわゆる弱者狩りをするといったものだった。

 この教会は罠で体力を消耗させてここに連れ込み、殺す為にあるらしい。道理でサグリアが喜びを見せた訳だ。



(腐った教会だよ)


 嫌悪を抱くアーサーの目には、憎悪があった。





 夜。それは起こった。



「火事だ!離れから出てるぞ!」


「早く消せよ!教会までまわってきたぞ!!」


「あ・・・今!炎が蛇の形になったぞ!?」


「そんな呑気なこと言ってるなら動け!!死にたいか!!」



 教会と小屋を燃やす明るい炎。そしてそれを消そうとする男達。しかし、炎は彼らの仲間や数々のものをすべてを飲み込んでいった。

 それを燃える小屋の陰から見つめる4人の人影。この4人は火の近くにいるというのにも関わらず、慌てすらいなかった。


「残りはこんだけしかいないらしいな。まあいい、『炎よ、我が力となれ』」


 残念そうに言ってから、魔術を唱えるルギナス。



 すると、何もなかった空間から人の形をした青い炎が現れた。目や口といったパーツも何もない、ただの燃え盛る人形。


「派手に遊んでやれ」



 ルギナスがそう言うと、青い人型の炎は男たちに襲いかかった。

 レゴラスがそれを見、静かに笑いながら言った。


「夜の宴の始まりだ」



アーサーは『雷』、ルギナスは『火』、レゴラスは『水』、ロイドは『土』の力を持っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ