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我が家

 太陽が西へ傾き、空が紅く染まり始めたころ、1台の馬車がとある建物に着いた。馬車の扉が開く。

 出てきたのは1人のエルフと4人の人間らしき人物だった。人間の1人とエルフは似たような黒を基調とした騎士団の服を身に纏い、1人は朱の鎧を着て、また1人は漆黒のマントの様なものをつけ、もう1人は青いローブを着ている。


「お帰りなさいませだにゃ。」


 その5人が建物の中に向かって歩き出した時、声がかかった。

 鈴の音と共に聴こえた『それ』は、まるで猫の鳴き声の様だった。語尾もどこかおかしい。だが、最もおかしかったのはその喋った者の姿が見えないことだ。


 建物は古そうな広い2階建てだが廃墟といった感じはなく、生活感が溢れている。が、だだっ広い草原の真ん中にポツンと建っているので人気が無かった。


「ああ、帰ったぞ。ん、そうだ!5人分の何か飲み物を用意しといてくれ。喉乾いたしな。俺はコーヒーで。」


 普通は驚くだろうその事態に、人間は全く持って動揺せずに反応を返した。まるでそれが日常茶飯事であるかのように。


「はいはい。了解しましたのにゃ。」




□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


「ありがとな。」


 アーサーはそう言って差し出されたカップを受け取った。

 カップを差し出した人物は黒かった。異常に黒かった。光を吸いとったかの様に艶が全くなく、そこに『無』という空間が広がっているようにも見える。


「どういたしましてなのにゃ。」


 そして、それは猫の形をしていた。もっと正確に言うならば二足歩行の猫だ。


 生成魔法『生成』

 そのまんまな名前だが、機能は素晴らしい。生き物(正確には違うのだが)を造り出せるというのは『分身』と同じなのだが、唯一違うのが自我を持っていると言うこと。『分身』の魔法は、本体が何かを考えたりしなければ分身自体は動いてくれない。その点『生成』の魔法は、その分身は勝手に動き回る。戦闘中であれば、その分身の事を考えていなくても勝手に避けて攻撃してくれる。デメリットを挙げるとすれば、燃費が悪く、すぐ(マナ)が尽きてしまい長く保っていられないだとか、ストライキを起こされたりするくらいだろう。


「しかし他の者に挨拶しなくて良かったのですか?」


「まあ、結構確認したいことがあったからな。後でしとこうかな。」


 一応言っておくと、ここはただの住居ではない。様々な者達が武の高みを目指して歴戦の戦士に教えを乞う、簡単に言えば『道場』である。主にアーサー、ルギナス、レゴラス、ロイドが師となるのだが、仕事柄よく旅に出る4人である。道場に居ない時に出てくる代理の師(道場を開いて最初の方に集まった弟子)がエリザを含めて8人いた。そして住み込みの弟子が50人程か。

 取り合えず数が多いのだ。なので挨拶には時間がかかるとアーサーは判断した。

 ちなみに、ここではアーサー達4人とエリザは師と弟子の関係なので、エリザは敬語だ。


「確認したいこととにゃ?」


「ああ。それで、2人にも手伝って貰いたいんだけど・・・・・・んー何と言えばいいかな。」


 考え込むアーサーにルギナスが痺れを切らしたかのように口を開いた。


「だぁーーっ!もう面倒臭いからオブラートに包まず言うとだな・・・・・・ガレン帝国のシークレット・ラボに潜入したいと思ってる。」


「え?」


「にゃんですと?」

生成魔法[Cats]


 料理作り・洗濯などの家事から、あなたの机に残るデスクワークまで。全て完璧にこなします。


それがなんと!

只今10000円で販売中!是非お買い求めを!

※1ヶ月に1回給料(マタタビ)をあげてやって下さい、喜びます。

※尚、当社はCatsが機嫌を損ねてストライキを起こしても責任は持ちませんのであしからず。

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