世界の誕生
この世界の始まりは、1つの柱だった。
何時から存在していたのかは、わからない。どうやって生まれてきたのかもわからない。そんな謎だらけの柱は何かを見ることもなく、何かをすることもなく、ただただ力を生み出していた。
力は空間を漂い、やがてそれぞれ集まり形を作っていった。
ある時、力は竜になった。
竜には、柱にはなかったものを沢山持っていた。それは目であり、口であり、鼻であり、耳であり・・・そして感情であり。
竜は空間を飛び回り、喜びを表した。しかし、柱と力しか無い空間に寂しさを感じ、考えるようになった。
何故、自分は造られたのかを。
これから、何をすればいいのかを。
長い間考え続け、答えをだした。
それから5000年、色々な変化があった。
空間の中には、幾つもの世界ができ、そこに住む住民もできた。無限に生み出される力を、ものに変換したのだ。そうして造り出された住民―人間やエルフ、ドワーフ、獣人など―はそれぞれ自由な思考を持ち、自由に暮らした。しかしそれでは問題もある。自由というのは、善であると同時に悪でもある。好き勝手行動していると、世界を滅ぼしかねないのだ。それで一人では管理しきれなくなった竜は、管理者を増やしていった。
すべての始まり、神竜。
魔の力を持つ、七精龍。
恵みの力を持つ、ルビディアス。
彼らは住人に試練を与えたり、慈悲を与えたりして世界が滅びぬようにしていた。
そんな管理者を住人はこう呼び、崇めた。
神、と…
これから、よろしくお願いします。