第58話:わしゃわしゃ、ちゃぷちゃぷ
就活の影響で一週間も遅れてしまいました……。
次回もなるべく一ヶ月の期限は守るつもりなのですが、もしかしたら暫くは一週間程度の遅れがある恐れがあります。更新を楽しみにしてくださっている皆様には多大な迷惑をおかけしますが、どうかこの時期だけご理解の程よろしくお願いします……。
ぶっちゃけた話、本編とは関係ない話とかも挙げて行きたいのですが、皆様はどう思ってるんでしょうか。
わしゃわしゃ♪
「ふんふんふーんっ♪ あっ、大人しくしてなきゃダメだよっ!!」
「うっ、悪い。」
「ふふふっ、痒い所はないかなー? あったら言ってね? 私が洗ってあげるから♪」
「あ、ああ。」
わしゃわしゃわしゃ♪
上機嫌なルーンの声が浴場に反響し、それに併せてわしゃわしゃと司羽の髪が泡立っていく。その場所は言わずもがな屋敷の大浴場。そう、大浴場である。一般的な銭湯と比べれば勿論小さいが、浴槽だけで見れば同じくらいの広さがあるだろう。司羽も最初に見た時は驚いたと同時に、一般家庭に大浴場が必要なのだろうかと疑問を抱いたものだが、慣れれば快適である。そんな大浴場に、司羽は夕食を食べ終わった後、ゆっくり一人で入ろうかと思っていたのだが、いつの間にかルーンが乱入して来て今に至る。ぶっちゃけ、いつもの事だった。
「あのさ、ルーン。やっぱり髪は自分で洗うから……。」
「だーめっ!! 司羽はそのまま私に洗われてればいいのっ!!」
「いやーでもさ、ルーンも自分の体とか髪とか洗わないと……。」
「うん、司羽を洗い終わったら、次は私を洗ってね?」
「……いや、恥ずかしいんだけどそれ。」
ルーンの文脈をぶった切る勢いの言葉に、司羽が抵抗するように呟く。そんなやり取りもまた、いつもの事である。ルーンもそれが分かっているのか、司羽の言葉に特に何か応えるでもなく、司羽の頭をわしゃわしゃと泡立てていく、わしゃわしゃわしゃわしゃ。
「今日はミシュ達もまだ入ってないし、やっぱり二人で一緒に手早く洗った方が良くないか? ほら、待たせるのも悪……。」
「はい、シャワーで一回流すよー。眼を閉じて?」
「あ、ああ。」
ざぱーっ
「はい、良いよ。次はリンスね。」
「いや、リンスはいい。シャンプーだけで充分だから。ほら俺男だし、髪のケアとかそんな……。」
「だーめっ♪」
司羽の説得もルーンには効果がないようで、パチャパチャとリンスを手に掛け、第二ラウンド突入。駄目だ、まるで説得の余地がない。……と言うより、ルーンがこの手の説得に応じた記憶がない気がするのは気のせいではないだろう。
「司羽は黙って私に洗われてれば良いの。私の一日の楽しみなんだから。昨日は司羽が一人で勝手に先に入っちゃって、寂しかったんだよ? なのに今日も一人で先に入るし……。」
「そ、それは謝ったじゃんか。でもやっぱりミシュとかトワとかユーリアが居る前でってのは俺も恥ずかしいんだよ。……ルーンと入ろうとするとミシュが汚物を見る目で見てくるし。あれって結構、心にくるものがあるんだよ。」
「ミシュナちゃんのあれは照れ隠しだよ。そもそも色々と今更な気もするし。堂々としてれば良いんだよ、自分の家なんだから。」
照れ隠し、そうなのだろうか? そうだとするなら、出来ればもう少し分かりやすい照れ隠しにして欲しい。湯舟を汚さないでね、とか言いながらあんな眼で見られたら心が折れる。それを隣で聞いて顔を真っ赤にしながら、聞こえないフリをしつつ裁縫をしているユーリアを見るがいい。あれが照れ隠しと言うものだ。正統派と言うものだ。司羽がそう話すと、ルーンはクスクスと笑い出した。
「ねーねー、やっぱり司羽はそういうの可愛いと思う? 私がしても似合うかな?」
「……いや、ルーンは今のままで良い。」
「えー、何それ。いいもんいいもん、どーせ私は恥知らずですよー、えいえいっ。」
「いやいやいや、訳分からん拗ね方するなよ!! ってか胸が当たってるぞ。」
「ふふっ、嬉しい癖にねー。司羽ったら顔赤いよー? 大丈夫ー?」
ふにふにっ
膨れた表情になったと思った次の瞬間には、ルーンは悪戯っぽい笑顔で司羽の背中に抱き着き、自分の胸を押し付けていた。その状況は嬉しいか嬉しくないかと聞かれれば男としては当然嬉しいのだが……って、あれ?
「んっ?」
「ふふっ、どーしたの?」
「あー、いや、なんでも……。」
「あれれーっ、どうしたのかな? もしかして気付いた? 押し当ててるだけなのにねー………司羽のえっち。」
「あのなー……。」
気付いた、と言うべきか。それとも気付いてしまった、と言うべきか。
「凄いね司羽。大きくなったって言っても少しくらいなのに。これするの久々だから気付いたのかな?」
「……そうかもな、背負う事はあっても服越しだし。変化は判り難いかも。」
「ふふっ、司羽のお陰だねー?」
「………そ、そうなのかな。」
「そうだよ。司羽にしか触らせてないもん。……これも愛の結晶なのかな?」
嬉しそうに司羽に胸を押し付けながら、司羽の肩越しに顔を出したルーンは上機嫌で笑った。それからそのまま司羽の方に顔を向けると、司羽の頬にちょんと優しくキスをして、また上機嫌に、そしてちょっと照れ臭そうに頬を赤らめる。司羽が鏡越しに見たその笑顔は、とても蠱惑的で、殺人的な魅力を持った笑顔だった。
「…………。」
「えへへー、司羽もしかして照れてる?」
「うっ。ルーンだって照れてるだろ、自分でやっておきながら……。」
「だって司羽からはなかなかしてくれないんだもん。おはようと、行ってきますと、ただいまと、おやすみなさいのチューはしてくれるけど……一日十回くらいしかしてくれないし。」
十分じゃないのか、とは言えない。以前それを言ったら凄い怒られた。罰ゲームとして一日ダーリン、ハニーで呼び方を統一させられたのだ。あんな辱めはもう嫌だ。ミシュナは元より、ユーリアとトワの視線も中々に痛かった。次に同じ事を言ったら学園のある平日にそれを実施すると言っていた。なんて恐ろしい……間違いなくもう表通りを歩けなくなってしまう。
「でも、いつも我慢してるんだから私の前では我慢しなくてもいいのに。」
「別にいつも我慢なんてしてないぞ?」
「本当にー? ユーリアさんとかトワちゃんのおっぱい見てる時とか、結構無防備にベタベタしてくるミシュナちゃんと一緒の時とか、本当に我慢してない?」
「…………してない。」
「はい、嘘。罰ゲームとして司羽の体も洗います。」
「ずるいっ!! 最近ルーンの手口がすっごくずるいっ!!」
「ずるくなーい。はい、またシャワーするよー。」
「ちょっと待っ」
ざばーっ
「ふっふっふっ、司羽は黙って私に洗われていればいいのだー♪」
「………ううっ。」
司羽の反論はシャワーとルーンの御機嫌な言葉に一方的に掻き消された。どうやら今日も髪と全身のフルコースが決定したらしい。思い返して見れば、今までの戦績は通算0勝全敗。戦う前から勝負は決していたのだ。それだけ負ければ司羽も自然と潔さが身に付くと言うものである。それにルーンは本当にこの時を楽しみにしているらしいので、恐らく司羽が勝った場合、それよりも心にくる難題を吹っかけられる事だろう。総じて、大人しくしているしかないのだ。
「よし、終了。それじゃあ次は、ゴシゴシしましょーねー♪」
「はい……。」
こうして、いつも通りに覚悟を決めて大人しくなった司羽を相手に、ルーンは心底幸せそうな表情でスポンジをクシャクシャと泡立てた。抵抗すると体で洗うとか言い始めて、もの凄い長い時間がかかるので、決して抵抗してはいけない。……無論、それが嫌なわけではないのだが……あとに入るミシュナ達に有らぬ疑いを持たれるのは宜しくない。有らぬ疑いでなくなる場合もまた同じことである。自分にいつも通りの釈明を終えると、司羽はルーンの優しい手使いに身を任せるのだった。
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「ふぅー、満足満足ぅ……司羽も女の子の体の扱い上手になったよね。最初から優しくはあったけど、最近は言わなくても加減が分かるみたいだし。」
「そりゃあ、これだけ何度もしてればな。痛がらせるのも嫌だし。」
「でもでも、嬉しいよ? ちゃんと手でしてくれるようになったし。こういう所で大事にされてるのが分かると、愛されてるって実感出来るもん。」
「……そういうものか。」
体を洗い終えて、司羽とルーンは二人で並んでゆったりと広い湯船に浸かっていた。もちろん、ルーンの体は司羽が洗った訳だが、ルーンには満足してもらえたようで何よりであった。最初の頃はスポンジを使っていたのだがルーンが痛がってしまい、司羽もルーンの繊細な肌に対し力加減が良くわからなかったので調節しやすい手洗いにしたところ、ルーンはとても気に入ってくれている。そのせいで司羽と一緒に入る時は自分で洗うと言う事をしなくなったのが司羽の唯一の計算違いだったのだが、司羽もまた、ルーンに洗ってもらっているのである意味では平等なのかも知れない。
「後は、司羽が恥ずかしがらないで毎日ちゃんと一緒に入ってくれれば完璧なんだけどなあ。」
「なるべく努力はするよ。」
「もう、そればっかりなんだから。」
ルーンは司羽のつれない言葉をジト目で受け止めながら、体を翻して司羽の足の間に入った。そしてそのまま司羽の胸にゆったりとしなだれかかると、首に腕を巻きつけて抱きついてきた。先程司羽が洗ったルーンの柔らかな肌の感触が直に伝わってくる。
「どうしたんだ、いきなり。」
「司羽って、洗いっことか恥ずかしがる割にはこういうのは平気だよね。」
「うっ、ま、まあ……。」
実際、こうして正面から抱きつかれる方が刺激が強いのは確かだ。先程はルーンが後ろ側から洗っていた為に視覚的な刺激はなかったのだが、今回は違う。膝の上に乗ったルーンの、きめ細かでくすみの無い綺麗な白い肌と体が隠されることなく司羽に晒されているのだから当然だ。とはいえ……
「正直言って、裸を見ること自体は男としては嬉しいくらいだからな。」
「あ、言い切ったね。そうだよね、司羽って基本おっぱい好きだし。」
「そ、そうか?」
「そうだよ、洗う時もする時も胸からだもん。だから私も司羽の趣味に答えられるように色々勉強してるんだよ? 将来大きくなったりしても形が崩れない様にーとか、張りがなくならない様にーとか。さっきも言ったけど、トワちゃん達のおっぱいにも偶に眼が行くし。」
そう語るルーンの瞳には少々の呆れが混ざっている様にも感じる。だが、いやいや、そんな事ないだろう。確かに女性の胸に眼が行く事はある。それは認めよう、認めざるを得ない事実だ。しかしそれくらいは男であれば当然であり、自分が特別と言う訳ではない筈だ。
「いや、そんな人をおっぱい星人みたいに言わなくても。普通だよ普通。」
「ふーん。じゃあ、今夜は触らないで良いの? 折角司羽の為に大きくなったのに。」
「……………。」
「ふふっ、うそうそ。私は司羽のものなんだから。旦那様の欲望が他に向いたら困るしねー。トワちゃんなんかは悩むこともなく司羽の言う事なら聞くだろうし。だから、そんな悲しそうな顔をしないの。」
「そ、そんな顔はしてない……と、思う。」
「もう、素直じゃないなあ。私はそんな司羽も大好きだけどね。」
「むう……。」
仕方がない、本当は絶対に違うのだけれど、ここはルーンの言う通りだと言う事にしておこう。そう、自分は大人な対応をしなくてはならないのだ。だからこれは別に、ルーンに色々と負けてしまいそうだから引くわけではないのだ………うん。
「でも、じゃあどうして洗いっこは恥ずかしいの? 裸を見るの嬉しいんでしょ?」
「なんでだろうな。なんか人に体とか頭を洗ってもらうのって、凄く子供っぽい感じがして恥ずかしいと言うか……。」
「ああ、納得したかも。司羽って私の体を洗うのはそんなに嫌がらないもんね。おっぱい揉みたいから恥ずかしさを我慢してるのかと思ってた。」
「俺そんなに胸中心の価値観してないよっ!?」
普段から胸ばっかり見てる訳じゃないし、胸の話をしてる訳でもないのに、この言われ様は酷すぎるのではないだろうか。そりゃあ興味はあるけど普通の男子の興味の範囲内だと思っていたのだが……いや、もしかして自分が間違えているのだろうか。……いやいや、それはない、きっとない筈だ。自分を信じることから全てが始まるのだ。
「うーん、でも子供っぽい……かなあ? 恋人同士なら割としてるって雑誌に書いてあったし、そんな事ないと思うけど。男の人は大体喜ぶとも書いてあったし。」
「言われてみれば、そうかも知れないけどさ。でもやっぱり子供っぽい感じがして恥ずかしいんだよな。裸同士の恥ずかしさとかじゃなくて……なんかそういうのあるだろ?」
「むぅ、まあ良いけどね。私は司羽が慣れるまで続けるから。司羽の体を洗うのは私の一日の楽しみの一つなんだし、司羽には慣れてもらうもん。」
「……な、なるべく頑張るよ。」
本音を言えば、別に嫌なわけじゃないからルーンがしたいと言えば断るつもりもないのだが、なんとなく気恥ずかしくて自分から言い出す気にならないのだ。勿論、ミシュナ達の眼があると言うのも嘘じゃない。それにルーンと一緒に入ると体を洗う時間も長くなるし、三人が入浴する時間が遅くなってしまうのだ。二人切りになりたいのなら部屋があるし、同居人に気を使わせすぎるのも良くないだろう。
「………さて、そろそろ出るか。」
「あれ、今日は早いんだね? もう出ちゃうの?」
「ああ、もう十分温まったからな。ルーンはまだ入っててもいいぞ。」
「ううん、私も出るよ。その代わり、このままお姫様抱っこして連れてって欲しいな。」
「はいよ、了解。」
膝に乗せていたルーンの足と背中に手を回して、そのまま湯船の中から持ち上げた。ルーンは司羽の首に回した腕を再度締め直して上機嫌だ。成程、膝に乗って抱きついて来たのは最初からこのつもりだったという事らしい。最近のルーンはお姫様抱っこがお気に入りらしく良くせがんでくるので、司羽も大分慣れてきた。とはいえ、
「流石に風呂の引き戸は無理だな、両手が塞がっちゃうし。」
「あ、それじゃあ私が開けるよ。」
司羽がルーンをお姫様抱っこしたまま引き戸の前まで来て、このままでは開けられない事に司羽が気付くと、ルーンが片手を司羽の首から外して手を伸ばした。そしてそれは、ルーンの手が引き戸に触れようとした時の事だった。
ガラッ
「へっ?」
「むっ?」
引き戸はルーンの手が触れる前に勝手に開かれた。そしてルーンの視線はそれを開いた人物……トワとばっちり重なる。そう、そしてここは風呂場だ。風呂場で裸になっているのは、何も今入浴していた司羽とルーンだけではない。トワの神秘性を後押しする様な、この世のモノから外れた美しく均整の取れた白い肢体が司羽の前に晒される。そして、
「あっ……あっ……。」
「なっ………。」
トワの少し後ろに、ルーンと並べても遜色のない美少女が、いつもはクールな顔を真っ赤にして立っていた。長く美しい黒髪に対比している様な白い肌は、黒髪に包まれて守られている様だったが、逆に言えば、彼女の白く美しい肌を覆うものは他にはなく、本来隠すべき場所まで完全に、司羽の前で全身を余すところなく晒している。そんなあまりに突然の事に、手で体を隠すのも忘れて、ミシュナはただ硬直していた。そして僅かに、その口から言葉が漏れる。
「ト、トワ……司羽は……もう出たんじゃあ……。」
「あ、えっと……主の服がないから……。」
「あー、ごめんね。私が片付けちゃったの。着替えも私のカゴに一緒に入れてあるから……。」
ルーンはそう言って、あははー……と申し訳なさそうに笑いながら、体を隠す様に身を捩り、胸を手で隠しながら司羽に強く抱きついた。そして、それを見たトワもその事態に気付いた様に体を隠して赤くなる。なんとも気不味い雰囲気が司羽には感じ取れた。だが、どうすれば良いのか、謝るしかないけどなんて謝ればいいのか。両手が塞がっている中、混乱のあまりに戸を閉めてもらう発想すら出てこない。
「その、主……あんまり見られると……恥ずかしいのじゃ……。」
「あ、いや、わ、わるい……じゃなくて、えっと……。」
「じゃ、じゃが、主が見たいならば……妾は……。」
「えっ、いやいやいやっ!! ちょっと待て落ち着……。」
そんな全員が混乱している状況の中。トワが羞恥の表情で身を捩り、何かを決心した様に司羽に視線を向けた。そして自身を隠す手を体から外そうとした……その時だった。
「ふぅ……。」
トサッ
「なっ、ミシュ!!」
トワの後ろでミシュナが真っ赤になったままフラつき、その場に倒れた。その光景に我に返った司羽が声をあげ、その声に二人もハッとなって我に返る。
「み、ミシュナっ!? えっと、こんな時は……どうすればいいのじゃ!?」
「えっと、取り敢えず気を弄って意識を戻してみるか? って、ミシュは気術士か……。」
「それ以前に裸のまま司羽に介抱されたって知ったらまた気絶しちゃうよ!! と、とにかく、トワちゃんはタオルをミシュナちゃんに掛けてあげて。司羽は、えっと、外に出てユーリアさんに氷を持ってきてもらって!!」
「わ、分かった!!」
司羽はルーンの指示を受けてからルーンを床に降ろすと、タオルで拭くのも適当に速攻で着替えてユーリアを呼びに出た。トワも急いでその場にあったタオルでミシュナの体を隠す。とにかくその場はルーンが居れば大丈夫の筈だ。司羽はその後にルーン達がどうミシュナを介抱したのかは知らないが、聞いたところに寄るとどうやら単なる過呼吸が原因だったらしく、十分程で目を覚ましたらしい。司羽はそれを聞いて安心するのと同時に、後日、どんな顔でミシュナとトワに会えば良いのか大層悩むことになったという。
ちなみに……。
「司羽、二人の裸を見た感想は?」
「…………覚えてない。」
「はい、嘘ね。何処をと言わずに、上から下まで全部見たでしょ? やっぱり二人共綺麗な体してるよねー、服の上からでも分かってたけどスタイルも凄く良いし、そう思わない? ちなみに司羽的には何処が良かった?」
「………許してください……。」
その後一時間程、ルーンから二人についての感想を根掘り葉掘り聞かれることになり、終わる頃には精神が磨り減っていたのはまた別の話。