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異世界と絆な黙示録  作者: 八神
第二章~恋の矛先~
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第31話:a tender smile

「あら、お帰りなさい。貴方達も出掛けてたのね?」


「おお、リアの家に行ってたんだ。貴方達もって事は、ミシュも出掛けてたのか。」


 買い物を終えて、帰路に着いていた司羽とユーリアが屋敷の近くまで来ると、調度ミシュナが屋敷の扉に手を掛けようとしている所だった。


「でもミシュがこうやって出掛けるのは珍しいな。基本的に学園に行く時以外は家に居るのに。」


「ええ、まぁね………って、私がこの家の住人じゃないって事を忘れてない? ちょっと家に帰っていただけよ。………着替えとか私物を取りに。」


 あ、最後の方で視線を逸らされた。しかも微妙に声が小さくなってたし。


「………完全にこの屋敷に住み込む気まんまんだな。」


「あら、別に良いじゃない。むさ苦しい男ならともかく、見目麗しい美少女なんだから。学園にも街にも此処からの方が近いし、私が家に居なきゃいけない理由なんてないもの。勿論首席ちゃんの許可も貰ってるし、自分の食費くらいは入れるわ。……それとも、貴方の愛の巣作りの邪魔かしら?」


「別にそんな事はねーよ、特に反対してるわけでもないしな。……ってか自分で見目麗しいとか言うなよ。恥ずかしい奴だな。」


「でも否定出来ないでしょう?」


「…………。」


「ふふっ……。」


 ミシュナは自信満々にそう言い返し、対して咄嗟に言葉に詰まってしまった司羽に、面白い物を見た様な意地悪な笑みを浮かべた。それを見ていたユーリアは苦笑混じりに口を開いた。


「ふふふっ、司羽様はミシュナ様には弱いのですね。」


「別にそう言う訳じゃあないんだけど……。」


 司羽がユーリアから微笑混じりの発言に答えあぐねていると、ミシュナはクスリと笑みを漏らして言った。


「サドだって、たまには虐められたくなっちゃうのよね?」


「俺が確定的なサディストみたいに言うなよ!! ユーリアが信じたらどうしてくれるんだ!!」


「あら、本当の事じゃない。それに相手の性癖を知ってないと後々後悔しちゃうわよ? あの子みたいにピッタリ一致なんて、そうそうある事じゃないのよ?」


「ダァーッ、もう!! 下ネタは止めろ下ネタは!!」


「いやよ。だって司羽、下ネタが一番面白い反応するんだもの。」


「お前な………性格悪いぞ。」


「…………ふふっ。」


 いつも通りのやり取りを繰り返すミシュナと司羽を見て、ユーリアはつい小さく噴き出してしまった。この二人が出会ったのは最近だと聞いたが、何かもっと長い年月を経て培われた物がある様な気がしてしまう。二人の会話が、それほどに相手の事を心得た、なんとも小気味の良い物に感じられてしまったのだ。ユーリアの笑みは、それが微笑ましくて、自然に出てしまった。そんな微笑みだった。

 ………だが、どうやら当の二人にはそれが通じて居なかった様である。


「ふふふっ…………、って……あ……。」


 ユーリアがそれに気付き、ヤバいと思った時には既に二人の視線はユーリアに向けられていた。ミシュナも今のやり取りを笑われたのが恥ずかしいらしく、仄かに頬を染めている。それだけを見れば微笑ましいのだが……。


「「…………。」」


「………あー、ええとですね、これは、何と言うか……。」


「……侍従さん? 何がそんなに可笑しいのかしら?」


「……お、可笑しい等と言う事は……あはは………。」


 いつもクラスでミリクに合わせて司羽で遊んでいるミシュナだが、その対象が自分に向くのはかなり恥ずかしいらしい。そのせいか、いつの間にかミシュナの矛先はユーリアへと向いていた。


「み、ミシュナ様はトワ様のお姉さんみたいな落ち着いた方だと思って居たので、その……少々意外だったと言いますか……。」


「成る程。つまり今の私はまるで子供の様で、幻滅したと言いたいのね。私は一生部屋の隅で大人しくしている様なそんな生き方が似合っているんだもの、仕方がない事よ。……そうね、私は根暗で寡黙で無愛想な女よ。貴方程胸もないし。」


「い、いいえっ!! 私は決してそんなつもりでは!!」


「おいおいミシュ。ユーリアはそういうの慣れてないんだから、あんまり口撃するなよ。」


 まるで深く傷付いたとでも言うような悲嘆に暮れる演技をするミシュナに、司羽は苦笑混じりでそう言った。


「私、からかうのは好きだけど逆は大嫌いなの。」


「本当に最悪な性格だな。……いつか後ろから刺されても知らないぞ。」


 ミシュナの発言に対し、司羽が先程の仕返しとばかりにそう言うと、ミシュナは溜息を一つついて呆れた顔になった。


「……司羽がそれを言うの? 入れ替え試験が始まった時の事を考えると真っ先に刺されるのは司羽の方だと思うけど。」


「うっ………確かに………。」


 入れ替え試験での最初の襲われ具合をトワから聞いているらしいミシュナはクスリと笑ってそう言った。その口撃に司羽からは何も言い返せず、口元を引き攣らせながら言葉に詰まった。


「ふふっ、まぁいいわ。今日の私は特別気分が良いの。久し振りに当たりの本が見付かったし。……さ、こんな所に居ないで、早く家に入るわよ。もう時間も遅いし、あの子達も待ってるわ。」


「あ、ああ………。」


 ミシュナが言った事に対して、司羽は溜息をついてからそう返す。ミシュナはそれを楽しそうに眺めた後、一足先に扉を空け、屋敷の中へと入って行った。


「………司羽様でも、ミシュナ様相手ではああいう風になってしまうんですね。ちょっと意外です。」


「………まぁな。それにミシュには多分一番世話になってるんだろうし。どうしても強気に出れないんだよな……。特に不満があるわけじゃないけど。」


 そう言って深く溜息をついた司羽をユーリアはクスクスと笑いながら見詰めた。


「ふふっ……成る程、そういう事ですか。つまり私が司羽様に虐められたらミシュナ様に泣き付けば良いんですね。」


「虐められたらって……お前な……。」


「冗談です。……ちなみに、『さど』とか『さでぃすと』ってどういう意味なんですか? 方言か何かでしょうか。」


「………それ、本気で聞いてるのか?」


 ミシュナに続き屋敷に入りながら、司羽は表情を歪ませ、首を傾げるユーリアの隠れ天然に戦慄するのだった。









ーーーーーーーーーーーーーーー









「しかし主、随分遅い帰りだったの。リアの家に行っていた様じゃが……。」


「ああ、帰りにちょっと買い物をしてたんだよ。流石にユーリアの服が少ないからな。仕事着とかも欲しいだろうし。………そういえば仕立てるとか言ってたけど、本当に自分で作れるのか?」


「はい、問題ありません。こう見えても私の祖母は昔、隣国の王宮に仕える従者でしたので、孫の私もあらかたの家事雑用は習っているんです。ふふっ、まさか私も御祖母様と同じ道を行く事になろうとは思ってもいませんでしたが。」


「成る程、やけに立ち居振る舞いが綺麗なのはお婆さんの教育の賜物って訳か。どうりでな。」


 司羽の疑いの視線を受けて、ユーリアは胸を張ってそう言い返した。今は屋敷にいる全員が集まって食事をしている。ユーリアは最初、従者として同席するのを渋って居たのだが、歓迎会でも同席していたのだから同じにして欲しいとルーンが言った事で了承してくれた。ちなみに今日の夕食の支度はルーンとトワがしてくれた物だ。そして目の前に置かれた何かの包み焼きはルーンが担当した物だろう。席に着いた時からルーンの視線が自分とこれに固定されているのだから、そう見てまず間違いないだろう。


「うぅー……ねぇねぇ、司羽ぁ……どう? 美味しい?」


「うん、この包み焼き凄く美味いぞ。でもなんの肉だ? 食べた事ないな。」


「えへへ、アマドリって言う鳥のお肉だよ。今日トワちゃんと買い物してたらお肉屋さんで見付けたの。この時期にこの国に渡ってくる鳥の中でも捕獲数が少ない貴重な鳥なんだよ? 単純に逃げるのが早いってだけなんだけどね。」


「へー、アマドリって言うのか。今まで食べた肉の中では一番美味しいかも。肉が凄く柔らかいし。」


「本当っ!? 良かった、気に入ってくれて。それじゃあ……、あーん♪」


 司羽が美味しいと言って再び箸を伸ばすと、真横に座ったルーンが待ってましたと言わんばかりのタイミングで自分の箸を司羽の口元まで持っていく。


「あーむ。うん、美味い。じゃあ、お返しに。」


「あーん♪」


「………慣れてきたとはいえ、やっぱり見てて恥ずかしいわね、このやり取り。他の話の途中でいきなりやり始めるから質が悪いのよね。せめて心構えをさせて欲しいわ。」


 直ぐさまお返しに自分の箸をルーンの口元へ運んだ司羽を見て、ミシュナは軽く溜息をついた。このやり取りは毎回の恒例行事の様な物だが、ミシュナは今だに気になってしまう様だ。司羽も最初は恥ずかしかったのだが、ルーンがあまりに可愛らしくおねだりするものだから司羽も簡単に堕ちてしまったのだ。

 具体的な内容としては、司羽が自分の行動を受け入れてくれると信じきっているキラキラした瞳の上目使いと、幸せいっぱいですと自己主張しまくっている可憐な笑顔である。そこから若干感覚が鈍って来ているのは司羽自身も自覚している。自覚しているが考えない様にもしている。


「ははは……、なんか悪いな。」


「………それは良いとして……、あの次席ちゃんの家には何をしに行ってたのよ? 侍従さんの事はもう聞かないけど、なんだか最近また隠し事が増えて来たんじゃないかしら? あんまり周りに心配かけるんじゃないわよ。」


「なんだミシュ、心配してくれるのか?」


「ごめんなさい。今は頬を赤く染めて、『し、心配なんかしてるわけないじゃないっ!! ………馬鹿。』とか言う気分にはなれないの、真面目に答えなさい。」


「………悪い、どこから突っ込んで良いのか分からん。」


「ほうほう、今のがツンデレというやつなのか。」


 しないと言いつつ迫真のツンデレ演技をしてくれたミシュナに対して言葉と気力を奪われつつ、司羽は呆れ笑いを浮かべた。そんな司羽を、ミシュナは少し険しい視線で見つめる。どうやらふざけた物言いながらもかなり真剣らしい。若干トワが要らない事を学習しているのも気になったが。


「本当……司羽はいつもそうよね。自分の事は何も話さないんだから……。」


「……そんな事はないだろ? 前回だってちゃんとミシュナには話したじゃんか。俺が隠してたのだって少しの間だったろ? それに止むを得ない事情があったんだ。」


「…………そうだったかしらね。」


「そうだったかしらって………。」


 惚けた様にそう言ったミシュナを見て、司羽は疲れた様にうなだれた。そこで司羽は一つの可能性に思い当った。もしかしたらミシュナは拗ねているのかも知れない、という可能性。

 それはまぁ、試験で一度一緒になったに過ぎない相手の家に行って、しかも相手は謎が服を着て歩いている様な存在なのだから、何かあったと考えるのは仕方のない事だと思う。 しかし、リアの秘密を司羽が隠しているのなら、それが簡単には言えない事であるのもミシュナならば分かる筈だ。だと言うのに不機嫌になっている。ならばやはり、これはそういう事なのではないか?


「………なあミシュ、お前もしかして……。」


「拗ねているんじゃないか……、とか言ったら明日学園で着衣を乱して職員室に駆け込むわよ。勿論涙と貴方の名前付きでね。」


「そうかそうかお前はそんなに俺を性犯罪者にしたいか。ただでさえ最近周りの視線が痛いって言うのにっ!!」


「ふふっ、いいじゃない。司羽が困っている所を見てるとゾクゾクするんだもの。」


「………なんというドS発言……。」


 駄目だこいつ、早く何とかしないと。というかこの分じゃミシュが拗ねたりとか絶対有り得ねぇな。地球……じゃなかったエーラがひっくり返っても有り得ない現象だ。


「………まったく、ちょっと困った流れになると直ぐに誤魔化そうとするんだから。とはいえ、貴方の性格は分かってたけどね。」


「……………。」


 呆れた様に、そして少し諦めた様に、ミシュナはそう言った。そこには寂しさの様なニュアンスも含まれている気がして、司羽は咄嗟にかける言葉を見失ってしまう。ミシュナが面白半分でリアの事を聞き出そうとしている訳ではない事は司羽も十分に理解している。だが、それを教えてしまう事はリアとの約束を放棄してしまう事に他ならない。司羽はそう考え、暫し迷った後に口を開いた。


「………悪いな、もう少し待ってくれ。今回は俺だけの話じゃないんだ。この事は、いつかちゃんと話す。」


「………なんとも気の長い話ね。」


「そう言うなよ。あいつにだって事情があるんだ。分かるだろ?」


「………はぁっ、仕方ないわね。」


 なんだかんだで面倒見の良いミシュナの事だ。話せば協力してくれるだろうし、信頼もしている。だが、リアがそれを望んでいない以上は話が別だ。ルーンには知られたくないと言っている事もあるし、あまり大勢に言うのは得策ではない。ミシュナもそんな司羽の心情に気付いたのか、諦めた様に肩を竦めた。


「でも、何か危険があるようなら直ぐに言いなさいよ? 貴方がいくら強かろうと、出来る事と出来ない事があるんだから。協力くらいさせなさい。…………それと、これからはその子の気持ちも、もっと考えてあげなさい。」


「えっ? ………わ、私?」


 ミシュナは司羽に諌める様にそう言いつつ、ルーンへと視線を移した。当のルーンは、いきなり自分に話が振られたので困惑してしまった様に首を傾げただけだったが。ミシュナはそんなルーンを見て表情を険しくした。


「ミシュナちゃん、私は別に大丈夫だよ? それは司羽が危ないことをするのは嫌だけど………。私達に言えない事があるのにはやっぱりそれなりの事情があるんだろうし。リアと会うのだってその為なんだろうから。」


「………またそんな事言って………。」


「で、でも私本当に………。」


「……まぁ、それも貴方の本心なんでしょうけどね。私が言いたいのはそういう事じゃないのよ。」


 少し怒った様なミシュナの言葉に対し、ルーンは困惑を交えた表情で小さく呟いた。そしてミシュナの妙な威圧感の中、司羽も口を開けずに沈黙が続く。そんな沈黙を破ったのは、ミシュナの小さな溜息だった。そしてミシュナは、同時に懐から何かの券を二枚取りだし、司羽達の前に置いた。


「まったく………取り敢えずこれあげるから、貴方達は次の休みにでも遊びに行って来なさい。勿論、二人切りでね。一泊くらいなら学園も問題ないでしょ。………ちなみに、拒否権はないから。」


「えっ………? で、でも……これって、いいの?」


「ホテルの宿泊券………か?」


「あ、そのホテルは確か……。」


 眼の前に置かれた宿泊券に、ルーンは戸惑い、司羽は手に取って確認した。司羽には何処かのホテルの宿泊券という事くらいしか分からなかったが、ルーンとユーリアは知っているらしく、軽く驚きの表情を見せている。


「二人とも知ってるのか?」


「は、はい。そこは各国の偉い方達が集まって会議が行われる際に使用されるホテルの内の一つです。そういったホテルが各国には一つずつあるのですが……普通の人間では泊まる事はおろか、入る事も出来ません。と言うのも高い地位の方が来られるので、大がかりな審査があると言う事なのですが。」


「別にそんな大層な所じゃないわよ。基本的に暇を潰すには困らない立地だから、金持ちの旅行者が多いってだけで、数年に一度此処で国際会議が開かれる時だけ審査が異様に厳しくなるけど、その時以外は普通のホテルよ。一般人だって泊まれるわ。まぁ、それなりに高いけど。」


「そ、それなりって………一泊が私のお父さんの月の収入の二倍以上した気がするんですが……。」


「そんなに凄い所なのか………。」


 ユーリアの父親がどれほどの収入だったかは知らないけど、よっぽどの場所っていうのは分かった。だが良いのだろうか、こんなものを貰ってしまっても。


「なぁミシュ、やっぱりこれは………。」


「拒否権はないって言ったわよね。」


「………でも、本当にいいの? 私、ミシュナちゃんにこんなにしてもらうだけの事してないよ? 確かに部屋は貸してるけど………。」


「………それは、貴方がそう思ってるだけよ。それにどうせ、私が持ってても仕方ないんだから行って来なさい。勿体ないわ。それペア招待券だし。」


「う~ん……。」


 いつもよりも強引な気がするミシュナの説得に、ルーンはミシュナと招待券を交互に見つめた後、判断を委ねるべく、司羽を見上げた。困っている様な、だが何処となく嬉しそうな表情だ。そんな顔を見せられたら、恋人としては選択肢は一つしかない。


「………行くか、そのホテル。……俺達は、初デートもまだだったもんな。」


「司羽……………うんっ。」


「…………ふふっ、決まりね。トワ、侍従さん、私達は留守番よ。柄じゃないけど、女の友情でも深めましょうか。」


「あら、良いですねそれ。」


「そうじゃの。あ、童は久しぶりにミシュナの料理が食べたくなってきた。」


「それは………面倒ね。」


 クスクスと笑いながら仲が良さそうに話す三人を見て、司羽は少し安心した。トワとユーリアの事も、きっとミシュナならば良い緩和剤になってくれるだろう。当日は心おきなく楽しむ事が出来そうだ。そんな事を思いながら、先程から腕に抱きついて着ているルーンの方を見ると、ルーンも同じ様に司羽を見て微笑んでいた。

 そうだ、自分で言っていて今気が付いた。これは初デートなのだ。それは、付き合い始めてからまだ殆んど日は経っていないし、忙しかった事もあるだろう。だが、もう少しルーンに割く時間を取ってあげるべきだったのではないか? ただでさえ入れ替え試験もあり、二人で居る時間は殆んど取れていなかったのだから。ミシュナが言ってくれなければ、自分はそれに気が付けただろうか?


「……ルーンが一番大事なのにな。」


「司羽が優しい人なのは知ってるから、私大丈夫だよ?」


「ありがとう、ルーン。」


 ルーンがそう言って、いつも通りに甘えてくるのを司羽はいつも通りに受け止めた。いつもよりも少しだけ賑やかになっている食卓の中、司羽の向かいで、そんな二人を視界の端で捉えながら、一人の少女が微笑んでいた。

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