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異世界と絆な黙示録  作者: 八神
第六章~生命よりも、作法よりも~
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第106話:私の詩は届いていますか(前)




 大人になった少女は理解していた。


 自分の好きになった人は、他の人とは違う人。


 自分の好きになった人は、他の人より弱い人。


 いくら強さを纏っても、人は簡単には変われない。


 あの日から変わらずに、ずっとずっと弱いまま。










「懐かしいな、この部屋。」


 司羽は、思い出を切り出した絵画の様な情景に、一言そう言って表情を綻ばせた。ミシュナに手を引かれ、記憶と何も変わらない廊下を歩き、階段を上がった先に、その部屋はあった。


「あの頃から、何にも変わってないわ。……いいえ、この子達の数は増えたわね。」


「……あれから、ずっと続けてたのか。」


「ええ、最近まで……司羽にまた会った時まで続けていたわ。」


「そうか……。」


 壁に咲き乱れる様なスイートピー。部屋中に香る濃密な花の香りは、その一面の花達からのものか。それとも、部屋全体に染み付いた思い出の残り香であろうか。そんなある種、一般人から見たら狂気染みてさえ見えるこの場所は、美羽に取っては聖域で、司羽に取っては思い出であった。


「ベッド、こんなに小さかったかな。」


「もう私が眠るにも小さすぎるわね。でも、座り心地は良いんじゃないかしら。司羽の場所も、もう小さいと思うわ。」


「俺の場所……か。そういや、いつもこの椅子に座ってたっけ。これまでそのままなんだな。」


「そうよ。此処にあるものは全部あの時のまま。いつでも貴方に会えるように、いつでも貴方が帰ってきても良いように。絵本も、小説も、貴方がくれた沢山のものも、全部そのまま。」


「……全部……そうか。」


 それは、放置されていたとするには綺麗過ぎる部屋だった。手入れが行き届いている……と言う言葉が最も相応しいだろう。恐らく、とても繊細に宝物を扱うように……いやもしかしたらこの部屋自体が、宝箱なのかも知れない。そして宝箱自体も、大切にされて来たのだろう。


 司羽はその部屋の中で最も馴染み深い小さな椅子に近づくと、撫でるように触れた。あの頃と同じ……小さく感じるのは、やっぱり自分が変化したからだ。


「やっぱり小さいな。」


「ふふっ、何だか不思議な気分だわ。あの頃の事が直ぐに思い出せるから、急に司羽が成長してしまったみたいにも感じるの。」


「そうだな……あれから10年近く離れていたら、そういう感傷も沸くさ。」


「感傷…そうかも知れないわ。そんなに長い間、司羽と離れ離れだったんだって、改めて突きつけられてるみたい。最近そんな風に感じる事も少なかったから……。」


 そう寂しそうに呟いたミシュナだったが、その口調に似合わず、その瞳は何処か優しげに司羽を見つめたままだ。


「俺の方は、改めて混乱させられてる気分だよ。」


 司羽はそう言って椅子から手を離し、あの頃より小さいベッドの方に座った。縦長のソファ二つ分程の面積のそこからは、懐かしい香りと、肌触りがする。本来なら、彼女でもない女の子のベッドに無遠慮に座るような事はしなかっただろう。だが此処に座るのは何も初めてではないし、寧ろ椅子に座るか、ベッドに座るか、昔からその二箇所の内のどちらかだった。椅子に座れないならと、自然に身体が動いた。


「あら、どうして? 私が美羽だって、ちゃんと思い出してくれたんでしょう?」


「そりゃあまあ、頭ではな。……でも、それは良い事なんだろう。あの頃の、殆んど寝たきりだった美羽と、今のミシュが被らないってのはさ。」


「……司羽、もしかしてずっと心配してくれてたの?」


「心配っていうか……いや、心配してたのかも知れないな。気術は教えたし、シュナさんも付いてるからって分かっては居たんだけど、あの頃のイメージがどうしても拭えなくてさ。ほら、凄く泣き虫だっただろ? ちゃんと自分で幸せになれてるのかなってさ。」


「はぁっ、そういうの、本人の前で言う? 実は結構気にしてたのよ。いつもみっともない顔ばっかり見せて……。」


「ああ、悪い。でも仕方ないだろ、正直な所を話すとこうなっちゃうんだ。この部屋にいると、色々思い出しちゃうしさ。」


「それにしたって言い方が……いや、やっぱりいいわ。そういう部分とかも直されちゃうと、司羽がどんどんモテちゃうもの。」


「なんかその反応はモヤモヤするな……。」


「ふふっ、欠点とまでは言わないけど、司羽のそういう不器用な所はちょっと安心出来るわ。それに、それが素敵な時もあるし。」


「………ああ、そう……。」


 褒められてるんだかダメ出しされているんだか、なのに最後にそれが素敵だなんて言われると、もうこれ以上何も言えなくなる。不器用と言われたが、もしかしたらこういう所もそうなのかも知れない。


「でも、やっぱり嬉しいわ。」


「嬉しいって、何がだ?」


「どんな私のことでも、私が居ない間に思い出してくれてた、心配してくれてたって、それだけで凄く胸が暖かくなるのよ。だから凄く嬉しい。」


「むぅ……そりゃあ、まあな……俺だってそうだし。」


 その言葉からは美羽の好意が溢れていた。今日一日、『ミシュナ』の好意を一身に受け止めてきた司羽だったが、『美羽』の言葉となるとまた受け止め方が変わってくる。いや、『ミシュナ』も『美羽』も混ざり合った今の彼女の言葉だからこそ、簡単に受け止められない。まるで二人分の気持ちを一度に向けられている様な感覚に陥ってしまう。その強さに、混乱してしまう。


「なあ、もしかして………その……あれからずっと……俺の事を……。」


「…………。」


 司羽が歯切れ悪く何かを言おうとする。男らしくもない、もはや質問でもない事を、確認でもない事を、口に出そうとして、迷って……美羽はそれを遮った。


「ええ、ずっと好きよ。貴方と離れ離れになってからもずっと。司羽の事だけを考えて生きてきた。司羽を想ったまま生きてきたわ。」


「……そうか……ああ、そうか……。」


 美羽は全てを聞かずとも、司羽の言葉に正確に応えた。もはやそんな言葉は確認にもならない事くらい、本当は司羽も分かっていた。そして美羽もまた分かっていた、司羽が今何に悩んでいるかを。


「ええ、貴方は覚えていないかも知れないけど。あの時に言った言葉に、嘘はないわ。」


「覚えてるよ。全部覚えてる。」


「あら、本当に?」


「ああ……美羽があの日、俺に言った言葉も、俺がなんて応えたかも、結果美羽を泣かせたまま二度と会えなくても仕方ないって割り切った事も。俺は全部覚えてる。」


「……………。」


 司羽は、溜息の様な、それよりも重く、苦しい息を吐いた。美羽からの反応はない。


「美羽……聞いてくれ。」


「……うん。」


 今日この瞬間がくる事は覚悟していた。正直、まだなんと言って良いのか分からない。しかし、もう今しかない。これ以上、お互いが苦しむ道を進むことはしたくない。


 だから、司羽は覚悟を決めた。


「美羽、また会えて嬉しい。想い続けてくれた事も嬉しい。」


 ……正直、あの時の美羽の表情はもう見たくない。泣き虫だった美羽が、司羽に初めて見せた冷たい涙。だがどうやら、もう一度、繰り返さなければならないらしい。


「もしかしたら……いや、そんな言葉使わなくても。俺は今ミシュの事、美羽の事が好きだ。」


「……うん、嬉しいわ。私も司羽が大好き。」


「ああ……今日一日で、俺がどれだけ幸せ者かって事も分かったよ。」


 その言葉に嘘はない。もしも少しでも嘘が混じってしまえば、美羽は絶対に気付くだろう。同情も、慰めも、きっと二人の将来の為にはならない。だから、正直に言おう。


「でも……ごめん。俺はやっぱり、ルーンが好きだ。ルーンしか選べない。」


「…………。」


「美羽が好きなのも本当だ。でも俺は、一人しか愛せない。好きなのは本当だ、でも二人なんて無理だ。ルーンと美羽が良くても……俺が、そんな事出来ない。」


 言ってしまった。でも、言うしかなかった。こうするしか、道はない。


「誠実さとか、倫理観とか、そういうのじゃないんだ。難しい事は分からないけど、俺にはそんな風に人は愛せない。愛しちゃいけないって思う。正しいかどうかは分からないけど、これが俺の……俺の答えだ。」


「『司羽』の……答え?」


「ああ。俺は……俺はこういう男だ。ルーンを愛していくって決めた。一生、一人だけを愛して行くって決めたんだ。だから……本当にごめっ。」


 それは、なんとか絞り出した言葉だった。今日のデートの終わりになんと言おうか考えに考えて、その結果の言葉だった。自分にはルーンがいる、二人なんて考えられないし、考えてはいけない。


 倫理と、価値観と、そして皆の幸せを思えば、きっとこれが唯一無二の答えである。はぐらかすよりもきっと、美羽の為になる。自分達の為になる。






 しかし、その言葉は、目の前の少女によって封じられた。



 先程から一転して、悲しげな表情をした美羽によって。







「嘘つき。」 





 ちゅっ








---

----

-----











 司羽の思考は、停止していた。 


「んっ……ちゅっ……。」


「………………。」


 美羽の顔が目の前にあった。


「ちゅ…………んっ……。」


「…………………。」


 小さな水音だけが、静かな室内に響く。


 柔らかな、魅惑的な感触と、蠱惑的な甘い香りが、司羽の頭の中へと響くように与えられた。


 じっくりと、想いを注ぎ込むように。


 そして、長い長い時間が経ち、ゆっくりと甘い香りはゆっくりと離れていった。



「………ふぅ、私、これが初めてだから。」


「………あ…………初めて……何が……?」


「……キスしたの。私のファーストキスを、司羽にあげたの。」


「………………。」


 美羽は唇を司羽から少し離すと、そう言って微笑んだ。


 その距離は未だに近く、お互いの顔が瞳の中で混ざり合う様に映っている。


 ほんのりと顔を朱に染めた美羽の正面で、司羽は無言で呆けたまま、焦点の合わない瞳で美羽を見ていた。


「……あ……えっと………。」


「司羽、何か言ってくれないの?」


 美羽は、真剣な眼差しで司羽の瞳の奥をのぞき見る様に迫った。彼の言葉を遮ってのキス。拒絶を遮っての、強引な行為。彼は怒るだろうか、慌てふためくだろうか……。






 いや、きっと、そのどちらでもないはずだと、美羽はもう知っていた。









「……キス、ああ、そうか。キス、うん。えっと、これは……友達でも、するよな。」




 その司羽の言葉を聞いたのが、美羽でなかったなら、どういう反応をしただろうか。




「馬鹿な事を言わないで、私がキスするのは司羽だけ。私が愛している、司羽だけよ。キスは、愛し合ってる人同士がする事じゃないの? おでことか頬とは違うわよ?」


「……愛してる……ああ、そうだな。そういうキスもある……? ……ああ、うん、ある。」


「ふぅん………それって、こういうのかしら?」


 ちゅっ


 再び、美羽の唇が司羽の唇に重なった。そして、今度はそれだけではない。


「れろ……んくっ、ちぅ……こくっ。」


 美羽の唇の間から、とても柔らかく温かい何かが、司羽の口内へ伸びる。ゆっくりと美羽の両手が司羽の頭を抱えるように後ろに回り、それと同時に更に深く侵入してくる。そして、何度も何度も司羽の口内を撫でる様に動き、何かを求めるようにちゅうちゅうと吸った。それと同時に、美羽の喉が何度もこくこくと小さく鳴る。


「こくっ……ちゅっ、ちゅぅ……んくんっ……はっ、れろっ……。」


 小さく柔らかい侵入者は、何度も何度も、飽きることなく動き回った。とても長い時間、小さいながらも届く範囲を何度も這い回る。

 そして、それが終わる頃には二人とも唇の感触が麻痺してしまった様な感覚に陥っていた。


「はぁっ……はぁっ……んっ……どう? 初めてでも頑張ったんだけど……気持ちよかった?」


「………えっと……うん……なんで……キスしたんだ?」


「愛している人同士がする事だからよ。」


 長い、長いキスだった。司羽の瞳は、未だにフラフラと宙を彷徨っている。意識が飛びそうな甘い感触。美羽の女の子の甘さを、しつこい程に感じた。キスが終わっても、まだ触れ合う程の距離にいる美羽から漂う魅惑の香りは、先程まで触れ合っていた部分からも感じる。

 しかし、司羽はその感触すら思考の外に放り出し、ぶつぶつと何かをつぶやいていた。


「……愛している………えーっと……こういう時は……違う……キスはさ……えっと……ええっと……ルーンともするけど、今のは違うっていうか………。」


「そうなの? 司羽は今の、愛していない人ともするの? 拒まないの?」


「……あ、ああ、だって、今、したしさ。」


「そう、確かに今したわね。司羽は拒まなかった。でも、私のことは愛せない……なら、恋人じゃなくても、好き合ってればキスはするのね。それは、おかしいことじゃないのよね?」


「ああ、おかしくない。ルーンには悪いけど…………………………うん、キスは、仕方ないか。好きなだけでも、するよ。それくらいだったらさ。」


「…………。」


 もし、ルーンがこの場に居たとしたら、彼女はなんと言っただろうか。それとも、何も言わなかっただろうか。あの無邪気な使い魔や、純情な従者が居たら、今の司羽を見て何を思っただろうか。

 いつの間にか、ふらふらとしていた司羽の焦点はいつも通りに戻っていた。そして、まるで照れを誤魔化すように笑い出す。


「あ、あははははっ、いきなりでびっくりしたよ。でもさ……その、こんなことしても、意味ないと言うか、やっぱり美羽の気持ちには……。」


「ねえ、司羽?」


「な、なんだ?」


「どうだった? 気持ちよかった? 初めてなりに、頑張ったんだけど……。」


「……あ、ああ……よかった……なんか、甘かったって言うか……。」


「それなら、私の事は好き? これからもキスしたいって思ってくれる?」


「……うん、そうだな。美羽の事は好きだし。キスなら……良いよな。またしよう。」


「ふふっ、約束ね?」


「ああ、約束……だな。」


 それくらいで、美羽の気が済むのなら。それに司羽も嫌ではない、美羽の事は、ミシュナとして接していた時も含めて好きだ。ルーンも、問題ないと言っているのだから。だから、これで全部丸く収まって……そんな風に、司羽が思考し始めた時だった。


「なら次はここも、司羽のものよ。」


「っ……。」


ふにっ


 いつの間にか司羽の手は、柔らかな感触に沈んでいた。それは先程まで布越しに感じていた感触だった。でも今、その布の感触はない。清楚な印象を与えていた彼女のドレスははだけ、その下にあった下着の中へと、司羽の指先は導かれている。その司羽の手に添えられた美羽の右手が、優しく包み込むように司羽の指を自身の胸に沈ませる。

 美羽の表情は先程よりも羞恥に染まり、瞳は潤み揺れていた。それでも彼女は、決して司羽から瞳を逸らすことはなかった。


 あまりの事に、司羽は再び硬直し……そして、


「美羽……これは……。」


「私は……司羽にしか、愛している人にしかこんな事しないわ。」


「あ、ああ……そう、そうか……でも俺は……。」


「司羽は、するの? 拒むの? 私を……貴方を愛する私を……どうするの? 私のことが好きなら……好きなだけで、何処までするの? したいの? もっと私のことを、自分のものにしたいって思わないの? 私のことが好きなら、何処までしていいか、司羽は考えられる?」


「……………ちょっと待って……くれ……今整理する……ちょっと待って………。」


「そう。……ねえ、司羽。一個教えておいてあげる。」


「な、なんだ……今ちょっと頭がこんがらがって……。」








「キスも、男女の事も、お母さんが愛し合う人としかしちゃ駄目って教えてくれたわ。」







「……っ……!?」


 瞬間、司羽は美羽の手を振り払った。美羽の下着の下の膨らみが、司羽の手の平から開放されて外気と、司羽の視線に晒される。しかし美羽は、朱に染めた頬をそのままに、隠そうともしなかった。


「………もういいの? 司羽にだったら、私、何されてもいいわ。」


「い、いや、そういう訳にはいかないだろ。こんな事、恋人同士でもないのに。」


「そう。私は司羽になら良いんだけど。司羽は駄目なのね。」


「ああ、悪いけど、そういうのは……。」


「そう、分かったわ。」


 美羽は、司羽がそう言うと素直に引き下がった。乱れた着衣を簡単に整える。そして、何やら警戒している司羽にクスリと微笑んだ。


「じゃあキスの続きを、しましょう?」


「いや、キスも……。」


「さっきと言ってることが違うわ、司羽。」


「………え………。」


「言ったじゃない、キスはいいって。私のキス、気持ちよかったんでしょ? 恋人じゃなくても、好き合ってればするんでしょ?」


「あ、い、いや、それは……さっきのは……。」


「私は、愛している人にしかしないわ。司羽にしか、絶対にしないわ。でも司羽は、違うんでしょう?」


「愛している人にしか……そうだ。俺もしない、愛している人としか……そんなの、当たり前だ。さっきのは……何かの間違いで……。」


「………………。」


 普段の様子とはまるで違う、軸がまるでなくなってしまった様な司羽を見て、美羽は静かに目を閉じた。


 今の司羽を見たら、皆はどう思うだろうか。発狂しているとでも思うだろうか、洗脳を疑うだろうか、失望するだろうか、哀れに見えるだろうか、……でも、ルーンであれば……きっと。


「……私は……もう迷わないわ。」


 美羽は小さく、司羽にも聞こえない程の声量で呟いた。


「……当たり前だ。そんなの……うん、当たり前………えっと……当たり前なのは……。」


「司羽。」


「……………………なんだ?」


「キスしましょう? 私と『またしたい』って言ったでしょう? だから、女の子の大切な、愛する人との儀式をしましょう?」


「それは、それは違うんだ……本当は……。」


「『約束』もしたわよね。」


「っ………それは……確かに……した。」


「ねえ、司羽。」


「……恋人……キス……大切な……誠実に……約束……。」










「どれか諦めて。もう、約束全部は守れないわよ?」












「…………守れない………?」


「……ええ、もう守れない。」


「守れ………守れな………い。ぅぁ……あああああああああああああああああああぁっ!!!!!!!!!!」





 小さな小さな宝箱。彼と彼女の始まりの場所で、少女は静かに少年を見ていた。


 些細なきっかけで、唐突に変容してしまった彼を、自分の手で守る為に。


 初めて聞く彼の絶叫を、慈しむように受け止めながら。




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