表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

(2-1)侍女の仕事は大変だ!

これより2章です。


侍女メイドの仕事については、結構想像部分が多いです。ご了承ください。



ーーー世界最強の侍女になるんだ!


ーーー前世では叶わなかった、本当のなりたいオレになってやる!



そう意気込んだバルルは、翌日からドタドタと仕事に取り組む。が、それは侍女として相応とは言い難いモノだった。


バルルはあの時一念発起したあまり、侍女の衣服は動きにくいと、用意された衣服を破った。身支度はほとんどしない。実家と同じで髪さえ整えず、ボサボサのまま作業に取りかかる。当然サリーの大目玉を食らい、その日は日中の大半を謹慎させられた。後日、大量の反省文を書かされたのは言うまでもない。


掃除はドタバタとうるさいくせに大雑把。広い屋敷で迷子になりかけ、慌てるがあまり転びまくって装飾品を落としかける。その度に持ち前の俊敏さを使い、破壊という最悪の事態からは避けられた。とはいえ、サリーからの説教は避けられないが。


洗濯は相変わらずで、汚れが落ちきってなかったり布がヨレヨレになったり。洗濯の仕方は毎度毎度教わっているが、完璧までは程遠い。とはいえ洗濯では持ち前の体力で、考えられない量の水やら洗濯物を抱えて、サリーやフォーク子爵からは色んな意味で目立っている。


バルルにとって1番の問題は、とにかく落ち着きがないことだ。何かをする度に失敗を起こして、混乱しながら挽回しようとドタバタして、それがまた別の失敗を招く。そうすればサリーから「いい加減になさい!」とまたまたお説教だ。


彼女は、根っからのトラブルメーカーらしい。バルルが来てからというもの、ジェステルの屋敷はとにかく騒がしい日々になっていたのだ。「淑女になりなさい」と期待した母には、とんだ悲報なので知らないことを願おう。


毎日怒られてばかりなので、流石のバルルも参ってしまう。オマケにその理由は自分の不足にあるので、落ち込み度合いは大きい。


「オレ、侍女に向いてないのかな・・・。そもそも、前世なんか思い出さなきゃ良かったのかな・・・」


と数十秒ほど顔を暗くするが、「いやいやいやいや!」と頬を叩いて何とか立ち直ろうと、頭をブンブン振る。


「大丈夫、うん大丈夫。だってオレ、頑張って乗り越えてきたじゃないか!小っちゃい時も野球でヒット打てなくても、諦めずに練習してたら出来るようになったんだ!まずは行動しないと、メソメソしてたら兄ちゃんに突っつかれるし!」


そうだ、乗り越える方法は、既に前世で得られたはず。モヤモヤしてても始まらない、まずは行動しなければ!


とにかく今できることは・・・明日の朝、15分早く起きるために寝ることだ。大欠伸をしつつ、バルルはドスン!とまたまた音を立ててベッドに入るのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ