第六話 似た者同士
――翌日
昼休み。僕はジノル先生に呼ばれて空き教室に連れられた。
空き教室には木製の椅子や机などが積み重なっていて、物置として使われているようだ。
ジノル先生は木製の椅子を2脚手に取り、対面するように置いた。
「座れ……」
「はい……」
ジノル先生に言われて僕は椅子に座った。
ジノル先生もため息をつきながら椅子に座った。
「リーヴ……」
「なんですか?」
「お前、今日の放課後、2年C組のテミスと決闘をするらしいな……」
「えぇ。あいつと決闘をしますけど……。なにか問題でも?」
「いや。普通の奴があいつと戦うのは問題しかないが、リーヴ……お前は普通じゃないからな」
「アハハハハハ……! ジノル先生、おかしなこと言わないでくださいよ~! 僕が普通じゃないって失礼ですよ!」
「リーヴ……お前は俺と同じ目をしている。……死んだ目をな」
「……ジノル先生も過去にあるんですね」
「まあな……。リーヴ」
「ん? なんですか?」
「────」
「……アハハハハ! 端からそのつもりですよ! ジノル先生!」
「だろうな……」
「ジノル先生、わざと僕に言いましたよね?」
「あぁ。お前の名前を初めて名簿で確認したときから、薄々気づいていた」
「ジノル先生、察しが良すぎますよ~!」
「それと、お前の名前が偽名だってこともな……」
「いや~、怖い怖い。もしかしてジノル先生、僕の過去についても知ってます?」
「お前の過去については知らない……」
「はぁー、良かった~。もし、ジノル先生が僕の過去を知っていたら、口封じをしないといけなかったんで……」
「仮に俺がお前の過去を知っていたとしても、誰にも口外しない」
「ですよね~。ジノル先生、口が堅そうですから」
ジノル先生は椅子から立ち上がった。
「俺がお前に話したかったことは以上だ」
そう言うと、ジノル先生は空き教室から出ていった。
「…………あ~、お腹空いた~」
僕は椅子から立ち上がり、空き教室を後にして、学食を食べに向かった。
★ ★ ★ ★
――放課後
闘技場で僕とテミスの決闘が始まろうとしていた。
闘技場の観客席には、たくさんの生徒が僕とテミスの決闘を見に来ている。
「リーヴ! 負けるんじゃないわよ!」
もちろんセリナも。
「おい! クソガキ。俺が勝ったら……お前、退学な」
……そっか! この決闘で勝てば……僕が絶対に勝つけど。こいつを退学にさせることができるんだ! ……う~ん。だけどなぁ……それだと何も面白くないよな~。…………あっ! 僕がこいつを退学にさせるんじゃなくて、こいつが自分で退学するように仕向ければいいんだ!
僕は不適な笑みを浮かべる。
「じゃあ僕が勝ったら……テミス先輩にはこれから毎日、立ち食いをしてもらいます! 学食、寮の中にある食堂で……もちろん! 朝昼晩です!」
【作者からのお願い】
先が気になる!執筆頑張れ!と思われた方は
ブックマーク登録と広告の下にある
☆☆☆☆☆を★★★★★に評価して頂けると超超超嬉しいです!
執筆の原動力になりますので、よろしくお願いします!