第五話 かくして僕は【決闘申請】を承諾する
時刻は19時を過ぎた。
僕はセリナとリアヌのことについて話しながら、食堂で夕食を取っていた。
「あいつの異能力、リーヴは何だと思う?」
「僕? う~ん……。なんだろうね~?」
「真面目に考えなさいよ!」
「真面目に考えても分からないよ~。あいつの異能力が何なのかなんて……。だけど……」
「だけど?」
「……あいつは所詮、この学園のモブにすぎないよ」
「えっ? リーヴ、それって……一体どういう意味よ?」
「どういう意味だ――」
「おい……」
「ん?」
僕とセリナは同時に振り向いた。
どうやら僕たちに声をかけてきたのは、2年か3年の男三人組のようだ。
「なんですか?」
「なんですかじゃねぇよ。オメェらが座ってるこの席は、俺らがいつも座ってる席なんだよ」
「へぇ~、そうなんですか。それはすみません」
「……オメェら1年だろ?」
「はい」
「だったら、俺ら先輩に席譲れや」
「いや~、でも、先輩らに席譲ったら他に空いている席ないんで、僕たち食事ができませんよ~」
「立ちながら食えばいいじゃねぇか」
「そうだそうだ! テミスさんの言う通りや! テメェら後輩なんだから、先輩の言う通りにしろや!」
「さっさとどかんかい! 俺は腹が減ってイライラしとるんじゃ!」
「あんたたち、先輩だからって――」
「アハハハハハハハハ……!」
「何がおかしい?」
「リーヴ?」
「……いや~、先輩らにこの席は譲れませんね~」
「ああん?」
「なんやて?」
「どういうことじゃ!」
僕は満面の笑みで先輩らに言う。
「だって、先輩ら……クズじゃないですか!」
先輩らの額に青筋が浮かぶ。
「そうね。リーヴの言う通り、コイツらはクズだわ」
「うん。こんなクズ共に席なんか必要ないでしょ。クズはクズらしく……立ち食いでもしてれば? あっ! クズなんかに食わせる食事は必要ないか!」
すると、テミスと呼ばれている男が、僕が飲んでいたスープのカップを手に取り、僕の頭を殴ってきた。
「リーヴ!」
「口を慎めよ……クソガキが!」
あ~あ。頭から出血してんじゃん。それに……。
「制服……汚れたんだけど……」
「ああん? 知るかそんなこと」
「そうだそうだ! テミスさんの言う通りや! 俺らに楯突いたテメェが悪いんだろうが! 自業自得や!」
「クッソ生意気なガキやな~! 痛い目に遭わせてやろうか? ああん!? ビビってん――」
僕はそいつの喉元にフォークを突きつける。
「なっ……!?」
僕は狂気じみた目でそいつに言う。
「雑魚のくせに威張ってんじゃねぇよ……。お前ごときにやられるほど、僕は弱くないぞ……」
僕がそう言うと、そいつは怯えて顔が引きつっていた。
「リ……リーヴ……」
あっ……ヤバッ。セリナに僕の本性をすこ~しだけ見せちゃった。ど……どうしよう? …………そうだ!
「な……なんちゃっ――」
「おもしれぇクソガキじゃねぇか……。おい! クソガキ! 俺とお前、どっちがつええか決めようじゃねぇか……」
え~、なんでそうなるの~?
正直、こいつと戦うのめんどくさいな~。
……だけど、あれを増やすのにちょうどいっか!
「いいよ。やろうか。僕とお前、どっちが強いか白黒つけよう」
テミスは僕の返事を聞くと、不適な笑みを浮かべた。
「そうこなくっちゃなぁ……。2年C組、テミス・クリフ。お前に【決闘申請】を申請する」
「もちろん承諾する」
「……決闘は明日の放課後。場所は闘技場だ」
「OK」
――こうして僕は、2年C組のテミス・クリフと決闘することとなった。
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