表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/18

第十八話 化け物じみている隠れた怪物

 カミラは胸元から、僕が渡したペンチを取り出した。

 それを見た奴は、大声で「やめてー!!」と叫んでいるように聞こえた。

 奴を見て、カミラは狂気じみた笑みを浮かべていた。

 カミラの表情を見て、僕は思った。


 君も立派なサイコパスじゃないか……。


「エヘヘヘヘヘヘ……! ねぇ! 口の悪い奴隷! 今どんな気持ちか私に教えて!」


 奴は慌てふためきながら大声で言っているが、なんて言っているのか僕にはよく聞き取れない。


「ふーん。そうなんだ~……。なんて言ってんのか全然分かんな~い!」


 そう言いながらカミラは、ペンチで奴の上の前歯を掴み、引き抜いた。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


 奴の引き抜かれた箇所からは、大量の鮮血が吹き出していて、奴の口の中にその鮮血が溜まっていくのを見て、僕は思う。


 うわ~、めっちゃ痛そ~! ……だけど、君たちが僕の計画通りに進んでくれたおかげで、僕は今、めっちゃ愉しい!!


 奴は前歯をペンチで引き抜かれて、涙目になりながらカミラに、なんて言っているのかは聞き取れないが、多分謝っているんだと思う。

 しかし、今のカミラは立派なサイコパスだから……奴が謝っているのを見て、カミラは狂気じみた笑いをした。


「アハッ! アハハハハ! アーハハハハハハハハ……!! ねぇ、分かるでしょ? 恐怖と痛みで感情がぐちゃぐちゃになるのが……! 模擬戦の時、あんたは私を同じ目に遭わせた……! いいや、あんたよりももっとひどい目に遭ったわ! ……そうよ。私と比べれば、あんたは全然()()()()()()……。アハハハハハハハ……! だから……私と同じ目に遭わせてあげる!!」


 カミラの言葉を聞いた奴は、パニックになって大声で叫び出した。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


 カミラは狂気じみた笑みを浮かべながら、大声で叫んでいる奴の上の前歯をペンチで掴み、引き抜いた。

 奴は足をバタバタさせながら、痛くて大声で叫んでいる。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

「アハハハハハハ……!」


 僕は満面の笑みを浮かべて、奴らの光景を眺めていた。


 いや~! 女の子って恐ろし~! あのカミラが、こんなにもサイコパスで……()()()()()だったとはね~! 入学式の時、学園長も言ってたけど……やっぱりこの学園は、()()()()()()()()! 


「は~い! それじゃあ3本目の前歯、引き抜くわよ~! アハッ! アハハハハハハ……!」


 奴は顔を真っ赤にして、激しい息遣いをしながら泣き叫んでいる。

 カミラは奴の下の前歯をペンチで掴んで引き抜いた。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

「あっ、そうだ!」


 そう言うとカミラは、胸元からもう1つ同じペンチを取り出した。

 カミラは取り出したペンチを見つめると、突然笑い出した。


「アハッ! アハハハハ……! 次は、2本の前歯を同時に抜いてみようかしら!! アハハハハハハハ……!」


 奴はずっと顔を真っ赤にして、激しい息遣いをしながら泣き叫んでいる。

 カミラは両手にペンチを持ち、奴の下の前歯2本をペンチで掴んで、同時に引き抜いた。  


「アハハハハハハ! アーハハハハハハハハ……!」


 狂気じみた笑いをしているカミラを見て、奴は多分こう呟いた。


 ――()()()、と。


 奴隷の君だって、女の子のゲロを舐める変態化け物だと思うけど……。だけど、今のカミラが奴よりも化け物じみていることは確かだ。 

 奴は、上の前歯2本と下の前歯3本をペンチで抜かれて、気を失いそうになっていた。

 僕は奴に声をかける。


「奴隷く~ん! 今から僕と()()()をしよう!」

「あえ……?」

「もし、君がこのゲームに勝ったら……僕とカミラは、この学園を明日までに()()退()()して、君を()()()()()()してあげる!」

「!?」

「いいよね! カミラ……?」

「ええ……あんたがそのゲームに勝てたら、私は明日、自主退学してやるわ……!」

「その代わりもし、君がこのゲームで負けてしまったら……今まで通り、学園を卒業するまで僕の奴隷になる……プラス! 明日から毎日、僕とカミラから厳しい躾けをされる……! さあ! 選びたまえ! ()()()()ゲームをするか! しないか!」


 奴は眉を寄せて目を閉じ、考えている。 

 

 まっ、奴が僕たちとゲームをするとして……いや、絶対に僕たちとゲームをするを選ばざるを得ないんだけど……。奴が僕たちとのゲームで勝てる確率は、0%だけどね……! そう! つまり、奴にとって俺たちとのゲームは、負け確ってわけ! それに……計画通りに奴を()()できてる!


「あ……ある。あります……」

「やるってことでOK?」

「あい……」

「OK! それじゃあ、ゲームの説明をするよ! これから行うゲームは、『辛抱ゲーム!』奴隷くんは今、上の前歯2本と下の前歯3本を抜かれてるよね! 人間の前歯は、上と下を合わせて8本ある。奴隷くんの前歯は残り3本……」


 僕はニッと笑い、奴に続けてゲームの説明をする。


「この残り3本の前歯をカミラがペンチで抜いたとき、奴隷くんが()()()()()辛抱していたら、辛抱ゲームの勝者は君だ! 逆に奴隷くんが、3本の前歯をペンチで抜かれるまでに降参する……もしくは、残り3本の前歯をペンチで抜いたとき、奴隷くんが辛抱できずに気絶していたら……君は辛抱ゲームの敗者になり、さっきも言ったけど、今まで通り、学園を卒業するまで僕の奴隷になって、明日から毎日、僕とカミラから厳しい躾けをされるからね……! 辛抱ゲームの説明は、これで以上だよ! それじゃあ早速、辛抱ゲームを始めようか!」


 奴は激しい息遣いをしている。

 僕は満面の笑みで辛抱ゲーム開始の合図をする。


「辛抱ゲーム……スタート~!」


 するとカミラは、いきなり奴の上の前歯をペンチで掴んで引き抜いた。


「えっ……!?」


 突然の出来事に奴は動揺し、少し間が空いてから奴は、痛みを感じて泣き叫んだ。


「あ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


 カミラは続けて奴の下の前歯をペンチで掴み、引き抜いた。

 奴は痛みを感じて泣き叫び、まだ気絶せずに辛抱しているが、明らかに先程とは様子が違い、虚ろな目をしている。

 僕は奴に声をかける。


「奴隷くん! すごいね~! 次、上の前歯をペンチで抜いて、気絶せずに辛抱していたら君の勝ちだ……!」

「お……おれ……かち……」

「ヤバイね~! カミラ! このままだと僕たち負けちゃうよ~! あ~、ヤダな~! 僕まだこの学園で()()()()()()()()()()があるんだけどな~!」


 僕はわざと大きなため息をつく。


「悲しいな~……悔しいな~……!」

「リーヴ・レクトル、それで茶番はおしまい?」

「うん!」

「えっ……?」

「奴隷くん! この辛抱ゲームで君が勝つ確率は、0%なんだ!」

「えっ……!?」

「奴隷くんは、負け確のゲームを――」


 僕が話している途中で、カミラが奴の上の前歯をペンチで掴んで引き抜いた。


「あ゛……あ゛あ゛……」

「あ~! ちょっとカミラ! 僕まだ奴隷くんと話してたんだけど……!」

「長い……。それにもう私、眠いから……。ほら、リーヴ・レクトル……」

「ん?」


 奴を見ると、白目を向いて気絶していた。


「うん。気絶してるね……」

「計画通り、ゲームは私たちの勝ちだから、あとは明日を待つだけよ。ということでリーヴ・レクトル……私、もう眠いから寮に戻るわ。後片付けよろしくね~」

「あっ……ちょ……」


 カミラは引き戸を開けて、空き教室から去っていってしまった。

 僕は大きなため息をついてこう思う。


 ――あいつ、人格が変わったな~……と。

【作者からのお願い】

先が気になる!執筆頑張れ!と思われた方は

ブックマーク登録と広告の下にある

☆☆☆☆☆を★★★★★に評価して頂けると超超超嬉しいです!


執筆の原動力になりますので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ