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第十三話 サイコパス

 リーヴが空き教室を後にした直後、カミラも空き教室から出て、廊下を歩いているリーヴに声をかけた。


「リーヴ・レクトル!」


 リーヴはカミラに声をかけられて振り向く。


「さっきのって……」


 リーヴは深呼吸をする。


「場所を変えて話そうか……」

「あっ、うん……」


 カミラはリーヴについていった。




★ ★ ★ ★




 カミラとリーヴは、校舎の外にあるベンチに座った。

 リーヴはベンチに座ると、深呼吸をして地面を見つめている。

 カミラはそんなリーヴを見て、話しかける。


「あんた……顔色悪いわよ」

「アハハハハ……。そっか……」

「ねぇ、どうしてあんたは私を守ったの?」

「守ったって……?」

「あんた、私にだけ聞こえるように言ったじゃない。『黙ってろ』って……。そしたらいつの間にか私の前に、何故かゲロが吐かれてた。あの時、私は何が起きたのかさっぱり分からなかった……けど、今なら分かる。あの時、あんたは異能力を発動して、()()()()()()()()()()()()……。そうでしょ? リーヴ・レクトル……」

「ピンポ~ン。正解……」

「どうして……? どうしてあんたは私の代わりにゲロを吐いたの?! あんた、私を餌として利用するんじゃなかったの?! ねぇ、教えてよ! リーヴ・レクトル! あんたは何がしたかったの?!」


 今まで地面を見つめていたリーヴは、顔を上げて、カミラの方を向いて笑う。


「アハハハハハハ……!」

「笑ってないで答えてよ!」

「…………君を裏切ったら、計画が崩れてしまうだろ」

「えっ……?」

「以前にも言ったけど……僕は、君が奴に復讐する姿と、奴が君に復讐されて苦しむ姿を見て、愉しみたいんだ。君を餌として利用はしたけど、僕が奴の条件に従って、君にゲロを吐かせたら……当然君は僕の事を嫌いになるし、僕の計画に従わなくなるだろ。……だから、僕は君の代わりにゲロを吐いたってわけ。喉の奥に指を入れてね……」

「リーヴ・レクトル……あんた、やっぱり()()()()()だよ」

「アハハハハハ……。それは、褒め言葉?」

「……うん。褒め言葉だよ」

「!?」

「あんたは計画のために、自分で自分の喉の奥に指を入れてゲロを吐いた。私があんたの立場だったら、そんなこと絶対に出来ない。私はあんたの事を尊敬するよ。リーヴ・レクトル……」


 そう言うとカミラは、リーヴに握手を求める。


「…………ブッ……ブハハハハハハハハ……! へぇ~、そうなんだ。君は僕の事を尊敬してんのか~……」

「そういえばさっきあんた、私を餌として利用はしたけどって言ってたけど、私があの場にいなかったら、あいつはあんたに何も条件を出さずに【決闘申請(ストラッグル)】」を承諾してくれたんじゃない?」

「い~や、違うよ。仮に君があの場にいなかったら、奴は僕との【決闘申請】を承諾しなかった」

「どうして……?」

「だって奴は……()()()()()舐めることしか考えてないからね!」


 リーヴはベンチから立ち上がり、ズボンのポケットに手を入れ、カミラに別れの挨拶をして、その場を去った。

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