第十一話 正体
――翌朝
寮の中にある食堂に行くと、セリナが大きな声で僕の名前を呼んできた。
僕はあくびをして、セリナに挨拶をする。
「どうしたの? そんな大きな声で僕を呼んで……」
「クズ男が自主退学したわ!」
クズ男……あ~、テミスのことか……。
「へぇ~、そうなんだ……」
「あのクズ男、退学理由にこう書いたらしいわよ。……自由の身になるためって」
僕は心の中でほくそ笑む。
「きっと苦しかったんだよ。僕に【決闘申請】で負けて、3食立ち食いすることが……」
セリナは鼻で笑う。
「ざまあみろよ! 先輩だからっていい気になってたから、こうなるんだわ!」
「……そうだね」
僕がテミスを自主退学させたのは、先輩だからって調子に乗りすぎだったからって訳ではない。僕はあいつと【決闘申請】をして、あいつの異能力がそこそこ強いと知った。雑魚のくせに先輩だからって調子に乗ってる奴ではないと思った。……だけど、僕はあいつを自主退学させた。……いや、違うな。僕があいつを自主退学させたのではなく、あいつが自ら自主退学する道を選んだって言った方がいっか。
だってあいつは――僕を敵に回したのだから。
★ ★ ★ ★
2時間目の授業が終わり、とある人物が男子トイレに入っていくのを見ていた僕は、自分も男子トイレに入った。
運良く男子トイレの中には、僕とその人物以外、生徒がいない。
僕はその人物に声をかけて、あることをお願いした。
すると、その人物は僕のお願いを承諾してくれた。
「それじゃあ、放課後……空き教室で」
★ ★ ★ ★
――放課後
僕は昨日、計画に加わってくれた人物――カミラ・セミロフと一緒に、空き教室に入った。
「また、この教室……。ねぇ、ここで何するの?」
「ん? 奴との【決闘申請】交渉だよ。……あ~、大丈夫! 君に何かをさせる気は全くないから! 安心して! 君はこの椅子にでも座って、僕と奴が交渉するのを見てればいいから……!」
「それって私……いる意味あんの?」
「まあまあ! 細かいことは気にしない気にしない!」
カミラはため息をついて、僕が置いた椅子にゆっくり座った。
「そろそろ来るかな~……?」
「ねぇ、リーヴ・レクトル……」
「ん? 何?」
「あんた、自分のことをどう思ってる?」
「……何でそんなこと聞くの?」
「気になったから……」
「う~ん……。自分のことをどう思ってるかって聞かれてもな~……」
「じゃああんたはあいつのことをどう思ってる?」
「どう思ってるって……。そりゃあ、頭のおかしい狂った奴だと思ってるよ」
「……確かにあいつは、頭が完璧にイカれてて狂ってる。……だけどね、リーヴ・レクトル。私は昨日、あんたと初めて話して分かったんだ。……リーヴ・レクトル、あんたの方があいつよりも狂――」
その時、僕たちのいる空き教室の引き戸が開き――リアヌ・ディヴィスが入ってきた。
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