第一話 ようこそ狂人だらけの学園へ
よろしくお願いしま~す!
この世界には魔法が存在するが、この世界のおよそ3割の人間は、魔法よりも強力な【異能力】と呼ばれる特殊な能力を持っている。
僕、リーヴ・レクトルは、この世界のおよそ3割の人間の中に含まれる。
そう。僕は――異能力者だ。
そして僕は、異能力者専用の学園――エドラール異能学園に入学した。
僕は学園の正門から校舎を見上げる。
「彼女、作れるかなぁ……? な~んてね」
★ ★ ★ ★
「やぁやぁやぁ、新入生の諸君! 初めまして! 私がこの学園の学園長――オネスト・ドーレスさ!」
う~ん、癖の強い学園長だけど……敵に回すと厄介そうだな~。
「早速だけど、学園での生活について説明するよ! まず、学園内には校舎と寮が設備されている。君たちも知っての通り、この学園に在籍している生徒は寮で生活をしている。つまり! 今日から君たちにも学園内の寮で生活してもらうよ! って、言わなくても分かっているよね。だって、入学日の持ち物に『寮生活する上での必需品』って書いてあったからね。というわけで、一つ目は、寮で生活をすること。二つ目、異能力を使った授業があること。異能学園なんだから、異能力を使った授業があって当然だよね! そして三つ目、このエドラール異能学園には特殊な制度があるんだ。それは――【決闘申請】といって、決闘を申請した側の条件に、申請された側が承諾すれば、【決闘申請】が開始されるんだ。決闘を始める前に、お互いに勝利した際の要求を言ってから決闘を開始する――これが、【決闘申請】のやり方だよ。学園での生活については以上だけど……。あっ! そうそう! 学園長の私から君たちに助言しておくけど、エドラール異能学園――この学園はすべてが狂ってるよ」
★ ★ ★ ★
「――というわけで、今日からお前ら1年B組の担任になるジノルだ。あー、一応言っておくが……俺は、酒と女遊びとカジノでギャンブルをするのが好きだ」
ジノル先生がそう言うと、それを聞いていたクラスメイトの大半が引いていた。
僕は別になんとも思わないけどね。
僕はそれよりもジノル先生が冷静沈着で、無表情で話している方が引くんだけど……。愛想もないし、よく見ると目が死んでるし、感情も薄い……というか、感情があるのかな? ジノル先生?
「俺の自己紹介が済んだわけだし、午後の授業について話す。あー、お前らには午後の授業で異能力を使った模擬戦をしてもらう」
それを聞いたクラスメイトの半数が動揺している。
「あー、模擬戦のルールについては授業の時に説明する」
「……模擬戦か~」
僕は笑みを浮かべる。
――リスクヘッジしておくのにいい機会だ。
★ ★ ★ ★
「――これからお前らには異能力を使った模擬戦をしてもらう。ルールは簡単だ。1対1で戦い、相手を戦闘不能、もしくは降参させれば勝ちだ。試合の組み合わせは俺が独断で決めた。あー、第1試合、ギド・カンネス対リーヴ・レクトル」
あっ、呼ばれた。
僕はズボンのポケットに手を入れて、前に出る。
対戦相手のギドは、僕を一目見ると不適な笑みを浮かべた。
「ん……?」
「おい! お前!」
「……何?」
「試合が始まったらすぐに降参しろ!」
……コイツは何を言っているんだ?
「どうして?」
「そんなの決まってんだろ……。俺の異能力が強すぎるからだ!」
…………はぁー、出たよ。
――我の強いバカが。
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