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華言葉の呪い -Freya-  作者: 衣吹
華言葉のある日
20/24

エルダーナ復興大作戦6

大変お待たせいたしました!

毎日投稿していると、こちらに手がなかなかつけられなかったのですが、今後もう少し早いペースでこちらも投稿していきます!

 復興が順調に進み、街の広場が完成した頃セオドアがアブニールを連れてやってきた。アブニールはあれだけ小さかったのに、もう自力で進むことが出来るようになっている。


セオドア「やぁ、随分綺麗になったな!!」


イレネー「あぁ。皆のおかげだ。」


レオン「にしてもあれから随分掛かったな。なんかあったのか?」


 セオドアは神の国から地上に戻った際に、そこからの移動手段を考えていなかった。神の国に行くときはヘレーナの魔法で来ていたため、帰りの手段がないことを完全に忘れていた。そこでもう一度神の国へ戻り、ヨハンネスからマユキに声を掛け、マユキがヤンに声を掛け、船を出してもらってやっとここまでたどり着いたということだった。


セオドア「いやぁ本当、魔法って便利だな……。それで、いつアブニールを連れて行くんだ?」


イレネー「なるべく早いほうがいいだろう。レオン、今後の施工の予定はどうなっている?もし余裕があるのであれば、明日にでも行きたいのだが。」


レオン「あ〜。明日は教会の修繕が終わる予定だ。それ以外は近日中普段通りで予定はない。」


イレネー「分かった。なら明日教会が完成したら発つとしよう。」


セオドア「一人で行くのか?結構大変だぜ?」


イレネー「ここで人員を割くわけにも行かないからな。私一人で行くよ。」


??「待ちなさい。」


 その声に振り返ると、マユキが立っていた。


セオドア「いつのまに!ってか来るなら連れてってくれよ!!」


マユキ「その当時は忙しかったの。」


イレネー「マユキ……。」


マユキ「随分綺麗になったのね。こんなに待たせるなんて酷いじゃない。」


イレネー「すまない……。何も言い返せる言葉がない。」


マユキ「責めたいわけじゃない。ただ会いたかったの。私もついていくわ。赤子の面倒あなた一人では見きれないでしょう。」


レオン「国の方は良いのかよ。忙しいんだろ?」


マユキ「アカツキがいるから大丈夫よ。散々国を空けていたんだし、今更少し離れたって問題ないわ。」


イレネー「ありがとう。マユキ……、君には……。」


マユキ「あなたの気持ちを尊重してあげられなくてごめんなさい。でも、私のわがままも許して。」


 マユキは一瞬イレネーの指に手を絡めてすぐに離した。そして大きく手を振っているヘレーナの元へ歩いていく。


レオン「お、今神サマ以外揃ったな。」


セオドア「あいつ拗ねるぜ。多分今も上から見てんだろ。」


ヨハンネス「あぁ、見てるよ。何が揃っただ。俺を忘れてんじゃねぇっての。雷落とすぞ。」


レオン「おお怖、これじゃ下手に悪口一つ言えねぇな。」


ヨハンネス「おう、慎めコラ。」


ヘレーナ「口の悪い神サマね……。マユキ、来て来て!こっちに素敵な広場があるのよ!!」


 ヘレーナはマユキを引っ張って行った。彼女もマユキに久し振りに会えて嬉しいようだ。一方イレネーはやられたという顔をしている。


イレネー「ヘレーナに負けたか。」


セオドア「ここまで放っといたイレネーも悪いな。」


イレネー「あぁ、その通りだな。これから挽回していくよ。」


 その夜、教会が遂に完成したと少しだけお祝いの会が起こった。教会に設置された鐘を鳴らし、ここで働く人々を呼び寄せる。今このエルダーナを復興する取り組みは沢山の人が無償で参加してくれている。当初問題だった金銭も、少しずつ観光業を起こしたことで順調に入ってきている。教会の前に広がる広場で沢山の食事と酒をカイルが用意していると、ハーレイが来た


ハーレイ「よぉ、順調そうじゃねぇか。」


イレネー「ハーレイ!来てくれたのか!!」


ハーレイ「ほらよ、西の大陸の酒だ。お前らで飲むといい。この広場は懐かしいな、昔のエルダーナだ。」


レオン「ここはこだわりたかったんだとよ。ここは昔人が集っていた場所だからな。色々思い出もあんだろ。」


ハーレイ「もう少し明かりがあればな、夜でももっと綺麗なんだろうな。改善はしないのか?」


イレネー「もちろん。ここは一歩裏道に入れば真っ暗になってしまうので、以前よりも明るく照らし、裏道にもランタンを設置しようと考えています。」


ハーレイ「そうか。それで、そいつは誰の子だ?もうおめでただったか?」


 イレネーの抱くアブニールを見てハーレイはそう言った。事の次第を説明し、もうすぐ発つことも伝えた。


ハーレイ「そうか。どうなるか予想は出来ないな。だがもう発つならここは任せろ。吟遊詩人ハーレイ様の腕の見せ所だ。」


 そう言ってハーレイは人々の和の中に入っていった。

マユキと合流し、レオンやセオドアにあとを頼むと伝えてエルダーナを発つ。かつて丘から見下ろした景色は美しい街並みだった。それが瓦礫と化し、今また明かりが灯っている。


マユキ「綺麗ね……。」


イレネー「そう言って貰えてよかった。」


マユキ「城は直さないの?」


イレネー「城は最後にするさ。王がいない城は、人々に提供しようと考えている。もし、アブニールが未来の王となるなら、少し城のあり方を考えなければな。今は私が指揮を取っているが、立ち位置としては微妙だ。国として立て直すなら、王でなくとも導く者が必要になる。」


マユキ「そうね……。」


イレネー「あぁ、ここに咲いている華が、王女の華だ。魂はここに留まっているらしい。前にヘレーナが話してくれたんだ。」


マユキ「ええ、確かに感じるわ。優しく見守っていてくれている。イレネーをありがとう。この指輪、確かに受け取ったわ。」


 カリーナのアンランジュが風もないのにひとりでに揺れている。優しく、穏やかな空気を感じた。


イレネー「さぁ、行こうか。」


マユキ「ええ。」


 既に夜は更け、アブニールはスヤスヤと眠っている。ランタンで道を照らしながら、ヨハンネスに聞いた家族の元へ足を進めていく。

ゆる~く投稿していこうと思っていたのですが、ゆるすぎました。今後引き締めて2つの柱を両立させていきたいと思います。

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