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第3話、楽しいドラゴン狩りライフ

「あ〜!よく寝た。あっそうだ先輩、もしヨクネタって人がいたらきっと中東ですよね。」


初任務の二日目。俺とサトウさんは魔法が使える獣の噂の調査を頼まれてこの村まで来ていた。


「うっせえなあ。今日も調査だよ調査。俺は昨日ので筋肉痛だよ。筋・肉痛だよ。チャイニーズだよ。」


返してきた。もうこれ以上考えてないぞ?


「そ、そういえば聞いてた話だと鹿じゃなかったんですか?見間違いとか?」


「流石にないだろ、あんなバケモン。ああ、あとお前は今日聞き込みから頼む。俺はクリストさんから連絡があってな。ちょっと用事出来た。今日中には戻ってくるから。最悪殺処分しても問題ないってよ。」


クリストさんとはこの国の政治を全て仕切ってる実質の独裁者みたいなものだ。ただ、国民からの不満が一切無いことからその凄まじさが分かる。武勇伝を話せばそれだけで日が暮れてしまうだろう。


「じゃあ俺一人ってことすか!?昨日みたいなのが出てきたらどうすんすか!?」


「だから殺してもいいって言ってんだろ。その魔力の量で何言ってんだよ…。

ん?いやちょっと待てよ.......?もしかして昨日イノシシがあんなに怒ってたのって」


「うわあああ!!!それじゃ僕は村の人に話聞いてこようかな!!!それじゃサトーさんも頑張って!!!!」


「お、おう。頑張れよ。」


昨日のピンチの原因が実は俺の魔力でしたなんて笑い事じゃない。このままサトウさんには気付かないようにしてもらおう。


そのままサトウさんと別れた俺は魔獣を実際に目撃したっていうおばあさんに会いに行くことにした。

別になんてことは無い平凡なばあさんだった。


「そうねぇ。なんだか黒くてもやあってしてて怖かったわぁ。あ!あと昨日も山からすごく不穏な感じがしたんだけどぉ怖くってぇ。」


「あ!昨日イノシシが出たんすよ!それじゃないですかねえ!?きっとそうですよ!!!」


また俺の話か。勘弁してくれ。


「まぁ、でもお役所から人が来たんならもう安心だねぇ。そんな若いのに頑張ってねえ。それじゃあ引き続きお願いしますよぉ。」


目撃したっていうばあさんからは大した情報は得られなかったな。このまま村の人全員に聞くってのもやってられないしなあ。

ばあさんと別れた後とりあえずで森に入っていったのだが


「あ。」


そうだ。天才的な案を思いついてしまった。俺の魔力が魔獣を引き付けてるんならそれを餌にして誘き寄せればいい。

ここまで頭が回るとは。まさかとは思っていたが天才か?


「ふぅぅぅぅ。」


身体に力を込める。いつも以上に魔力を発散させてこの森のどこにいたって分かるようにしてやる。


「....!!」


鹿だ!鹿がやってきたぞ!まっすぐこっちに向かってきてやがる。


「鹿を捕まえるなんてチョロい仕事だぜ。多少魔力を纏っていようが所詮はただの.......」


鹿に全力のタックルを見せつけてやろうとしたのだが、鹿は俺の目の前で力尽きるように倒れてしまった。


「お、おいおい。弱ってんのか?それとも甘えてるのか?昼飯はやんねえからな?」


どうしたものかピクリとも動かない。それに


「あれ?そういやなんだこの魔法陣みたいな....。消えかかってる?」


確かにイノシシの時も魔法陣のようなものがあった気がする。あれはなんなんだ?ペットの印かなんかか?それにやっぱり弱ってるような.......


そんなことを考えていた時森中に響き渡るような強烈な音が轟いた。なんだ?木がなぎ倒される音か?


あ、話は変わるがそれにしても人は本当に驚いた時は喋れないと聞くが果たしてそうだろうか?

それならきっと俺ぐらいのレベルになると驚いた時は思わず惹き込まれるような甘美な一言を囁くと思うんだが。


「ド、ドラゴン!?!??!?!」


なんてベタなんだ。どうせならこの衝撃を川柳にでもして詠めばよかった。


「いやいやいやいやいや有り得ないだろ!!!なんじゃあれゃ!?」


全長約20m程か。鱗に覆われた爬虫類を思わせる巨体が空を覆うように飛んでいる。そしてやはりその体には魔法陣が浮かんでいた。


「ころ、殺すか!?流石に殺すか!?!?」


本気のビビリだった。


(いやちょっと待てよ。あの様子だと俺を見失ってるんじゃないか?あまりに巨体過ぎるのか体を上手く動かせてないみたいだ。生け捕りもできる!!)


息巻く俺はあのドラゴンを見定める。その目は儚くも可憐な俺の目としっかり見つめあっていた。


「バ、バレとるやん!!ホンマ冗談じゃ!!すまへんで!?」


良かった。今回はちゃんと五七五で言えたみたいだ。

しかし俺はなんの対策も考えてない訳では無い。任務に行く前に本部でルイズさんにアドバイスを受けていたのだ。


『ミカ君の魔力量は異常だからね。物に魔力を込めたらちょっとくらいじゃ抜けきらないんじゃないかな?』


魔力とは通常手を離れるとすぐさま霧散してしまうものだがなるほど。その発想は無かった。


『じゃあなんか俺専用の武器とかくれたり!?』


『いやこれでいいんじゃないか?』


その時俺がぶん投げた石ころは30センチ程の壁をぶち壊した。正直あれはルイズさんが悪かったと思っている。



俺はそこら辺の石ころを手に取る。額にはほのかに汗が滲んでいる。大きな物音を立て近づいてくるドラゴンにプレッシャーを感じながらもその目を見据え狙いを定める。やってやるぜ。


「オラよォ!!」


通常魔力を纏うと“重力に干渉されない質量“を持つとされている。ミカが手に取り魔力を込めたそれは実際には1t程の質量を有していた。


俺が投げた石ころはドラゴンの胴をいとも簡単に貫いた。威力はすごいと思っていたがまさかここまでとは。

ただあのドラゴンもくたばってはいないみたいで痛みに暴れ回ってる。


「もう一発行くか!?」


「お〜、派手にやってんねぇ〜。新人。」


突然森の奥の方から飛び出した女性があのドラゴンの後頭部を殴って昏倒させた。

・・・初登場にしてはあまりにパワフル過ぎないか?


「あ、新人って事は。先日からお世話になっております直属部隊所属のミカです!よろしくお願いします!!」


「さっきの見てたよ〜。サトウさんから話には聞いてたけどすっごいねえ〜!森の中でもはっきり見えてたよ〜。」


「そういやそのドラゴン俺が見つけたんすよ!!新種のバケモンっすか!?俺名前つけてもいいですかね!?」


ああ、心躍る。どんな名前にしよう。ミカノサウルス?ミカノトプス?いやでも恐竜じゃないしな。


「いや〜それはどうだろうね。それになんだかこれ生物としてすごく不自然な形じゃない?」


「はい?」


不自然?そらまあこんなもんが存在してる時点で自然もクソもないが。


「こんなに大きいのに今まで全く目撃されなかったり。羽の部分の骨格だったり。とても飛行出来る体の構造とは思えないし。それになんだろうな、なんだかまるで


まるで、トカゲを改造して無理やり引き伸ばしたような。なんて。

後書きです。

今回はファンタジーっぽいドラゴン回でしたね!ミカが活躍しててなりよりです。

さてそれでは今まで登場したキャラのプロフィールでも書いときましょうか。


ミカ(18)[男]:主人公、政府直属部隊の新人。能力は“無限“


パピヨン(29)[男]:直属部隊の隊長。愛想は悪いが仲間想いな一面もある。能力“身体強化“


ルイズ(29)[男]:直属部隊の副隊長。性格もいいし顔もいい。能力は“筋肉操作“パピヨンと同期である。


アネモネ(22)[女]:直属部隊所属。ショートカットの普通の女の子。ただちょっとだけパワフル。能力“速度操作“


クリスト(?)[男]:この国の偉い人。政府直属部隊は実質この人の私兵らしい。

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