修羅場ってる。
「な、何で二人が一緒にショッピングモールに?」
犬猿の仲のはずの水無瀬と雪菜がなぜ一緒に? そして雪菜と休戦協定を結んだはずの花凛が宮代さんといるというこのカオス。
あ、そもそも俺から宮代さんに話し掛けてはいけない決まりを作られていた気がするんだが……。
「李玖、何で宮代さんと一緒にいるの?接近禁止命令を出していたはずだよね!?」
珍しく雪菜が俺に対して怒りをあらわにし、激しく怒鳴り散らして来た。
「止めて下さい。城ヶ崎先輩は私の事を考えて、忙しいながらも時間割いてくれたんです。何も知らないくせに先輩を責める等、言語道断!」
宮代さんは俺の前に立ち塞がり、雪菜と睨み合う。接近禁止命令が出ていたのは確かだが、宮代さんは今イジメを受けている。放っておく訳にはいかない。 だが、それを俺から話す訳にもいかない。
「ど、どうなってるの李玖君。全く話についていけないんだけど……。」
水無瀬は俺達がバチバチしているのを見てオロオロしている。
「私は誰とも馴れ合うつもりはありません。あ、もちろん城ヶ崎先輩は別です!」
「はぁ!?大体からアンタが中途半端に横からしゃしゃり出てくるから訳わかんなくなるんでしょーが! ぽっと出は引っ込んでなよ!!」
宮代さんの挑発に、雪菜が凄まじい勢いで噛み付いていくが、宮代さんは全く気にしていない様だ。
「第一、接近禁止命令を出した花凛ちゃんが宮代さんと李玖を引き合わせてるなんて、大概だね。」
こちらで勝手に動いていたのが相当気に入らなかったのか、雪菜は怒りの矛先を花凛に向けた。
「わ、私が引き合わせてるなんてとんでもない!大体から、宮代さんは私の事を『花凛ちゃん』から『花凛さん』に呼び方を変更しているんですよ!? 塩対応だって酷くなる一方ですし!」
た、確かに言われてみれば、花凛の扱いが酷くなっている感は否めない。
「元はと言えば、李玖が誰に対しても優し過ぎるのがいけないんだ!」
「そうですよ、兄さん!優しいのは私だけでいいんです!」
「何言ってるんですか、城ヶ崎先輩が優しいのは長所なんです。むしろ貴女達の器が小さ過ぎるのでは?」
雪菜と花凛、宮代さんが互いに罵り合い、俺を貶しているのか褒め称えているのか、もはや分からなくなってきたその時だった。
「何がどうなっているのか、教えて下さーーい!! 私が一番リードしていたはずなのに、何故私がビリみたいになってるんですか!」
完全に置いてけぼりを食らった水無瀬は半泣き状態だった。




