宮代さんは神対応&塩対応。
「城ヶ崎先輩、手帳の外に名前があったから良かったですが、もう落としては駄目ですよ!でも、渡せてよかったです!」
ビシッと指を突き立てて、宮代さんは俺が大切にしていた手帳を落としてしまった事を指摘してくる。
「そ、そうだね……ごめん……。」
雪菜と花凛が受けていた対応とは真逆の、所謂『神対応』に近い対応を受け、正直面食らってしまった。
「いいんですよ。でも、その手帳を拾い上げた時に、既にページが開かれていた状態で、少しだけ目に入ってしまったんですけど、何かビジネスをされてるんですか?」
宮代さんは手帳の内容から、どうやら俺がビジネスをしている事に気付いた様だ。
まぁ、別にビジネスをしていた所で、別に隠す必要も無いんだが……。
「そうだね。一応、ネットビジネスをしていて……。まだまだ会社の規模も小さいんだけど、まだ高校生活を送ってるし、本格的な展開はまだかな。」
「そうなんですね……。でも、城ヶ崎先輩なら絶対に成功させられますよ!」
宮代さんは何を根拠にしているのか分からないが、俺のビジネス成功に太鼓判を押してくる。
「ちょっと待って下さい!さっきから人の家の前でイチャイチャイチャイチャと! 兄さんはそんな軽い男ではありませんし、大体から兄さんのタイプと貴女の容姿や性格は違い過ぎます!」
俺と宮代さんが話していたのが相当気に入らなかったのか、堪らず花凛と雪菜が外に飛び出してくる。
「何ですか。私は今、城ヶ崎先輩と話しています。花凛さんと高崎先輩には関係が無い事です。」
さっきまでの対応とは打って変わって、バッサリと花凛と雪菜を切り捨てるような発言をする宮代さん。
何で花凛と雪菜にはこんなにも『塩対応』なんだ?何か二人と喧嘩していたのか!?
何かこのやり取り見てたら胃がキリキリしてきた……。
「私は貴女達と話した事は殆どありません。私はクラスメイトからも瓶底メガネのブサイク女と罵られ、常に馬鹿にされてきました。反論すれば更に罵倒され、常にイジメの的になっていました。 そんな私をどうする訳でも無く、ただただ遠巻きに見ていただけの花凛さんには、私の気持ちなんて解る訳がありませんよね!?」
宮代さんの思い掛けない発言に、俺は耳を疑い、そして花凛は俯いてしまった。
「宮代さんがイジメに遭っている、のか……!?」
「は、はい……。もう随分前からです。この地味な瓶底メガネと三編み姿から、イジメの標的にされています。」
宮代さんは淡々と話しているが、それでも今まで虐められてきた苦痛は耐え難いものだっただろう。虐げられて来た気分は最悪だったであろう……。 底知れぬ苦痛に痛み藻掻き、誰にも相談して来られなかったのは相当に辛かっただろう……。
「ちょ、ちょっと待って下さい。兄さん、その顔……まさか!?」
花凛の言葉には耳を貸す事なく、俺はこう言い放った。
「宮代さん、明日時間ある?」




