連絡先。
ーーーーーーへ?
「いやいやいや、連絡先位は良くないか?だって花凛が全然電話に出ないから、俺が代わりに連絡係になって欲しいって事なんだよね?」
「へっ!?あ、いえ、あの……そ、そうなんです! か、花凛ちゃんに電話したりLIMEしても、電話無視とか既読スルーが多いので……。」
「た、確かに既読スルーとか多かったかも知れませんが、それは兄さんに変な虫が寄って来ない様にしてたからで、これからは出ます!出ますから! ですから、兄さんの連絡先を知る必要は無いんですよ?」
何やら必死に俺の連絡先を教える事を渋る花凛だが、花凛と同じクラスの子ならば、花凛が上手くやれているのか知る事も出来る。
「よし、宮代さん!連絡先を交換しよう!」
「あ、ありがとうございます!」
俺の返事に宮代さんは満面の笑みを浮かべる。一方、俺の連絡先を教えると伝えてから不服そうな顔をする花凛。
「何で!?兄さん、今の私達の話を聞いていましたか!? 宮代さんには私からちゃんと連絡しますから!」
「いや、何だかんだで花凛は多分また既読スルーするな。しっかりとクラスに馴染めているかも気になるし、宮代さんにはありのままの花凛の情報を伝えてもらうよ。」
「あ、そ、そうですね……!が、頑張ります…………!」
「宮代さん?何か期待通りでは無かった様ですね? 私の事を事細かく兄さんに伝えて下さいね、情報屋さん!」
花凛はさっきまでの慌てっぷりは何処へやら。宮代さんを置いて二階の自室に向かって行ってしまった。
「ごめんね、花凛の奴マイペースっていうか、自分勝手で……。もっと話したい事があっただろうに。」
「いえ、今日は先輩の連絡先を聞きたかっただけですので……。」
「それなら、俺に直接聞けば良かったのでは…………?」
「いえ、先輩の連絡先を聞くには花凛さんの許可がいりますので……。」
え、何その意味不明なシステム……初めて聞いたんですけど!?
「え?それって、花凛が許可を取れって言ってるの?」
「はい……。」
呆れた……。アイツ、勝手な事ばかりして……。ブラコンもここまで拗らせると重症だな……。
兄の連絡先手に入れるのに、妹の許可が必要なんて聞いた事が無い!
「取り敢えず、コレが俺の電話番号で、こっちがLIMEね! いつでも連絡して来てくれればいいからさ!」
「で、でも……花凛ちゃんの許可をハッキリ得た訳では……。」
まぁ、ハッキリいいよと言った訳ではないけれど、花凛の学校の様子を事細かく伝えろと宮代さんに言ってるって事は、連絡先の交換を認めている訳なのだ。
「何か言われたら俺に言ってくれればいいから!」
俺はそう答えると、この後用事があるからと、帰宅する宮代さんを途中まで送る事にしたのだった。




