李玖の怒り。その2
俺はテレビのリモコンを操作し、テレビに挿してあるUSBの内部データを呼び出す。
「こちらがその証拠です。残念ながらコンビニの防犯カメラは見せてもらう事は出来ませんでしたが、弁護士に依頼すれば可能かと。 今こちらにあるデータは家に設置されている高解像度の防犯カメラのデータです。」
俺は音声付きの高解像度の防犯カメラの映像を流し始め、それと同時に密かにポケットに仕舞い込んで録音していた、例のボイスレコーダーをテーブルに置いて再生する。
「な、な、なんだ……………コレは!?何なんだ、霧島あぁぁぁぁ!!」
リビング内に響き渡る怒号に、霧島の顔はどんどん青ざめていく。やっと事の重大さに気付いたのか。
「あ、それと重要参考人というか、当事者も連れてきております。入って来て下さい。」
俺が声で呼び掛けると、花凛と水無瀬がリビングに入って来る。
「この二人が詳細に話してくれますよ。あ、あと言い忘れていましたが、この防犯カメラとボイスレコーダーにはしっかりと霧島さんのやり取りが記録されておりますので、最後までどうぞお楽しみ下さい。」
俺は皮肉たっぷりにそう言い放つと、大音量でやり取りの詳細をテレビで公開してやった。
「まさか本当に繋がっていたとはな……。」
教頭先生はボソッと呟くようにそう言うと霧島の方を凄まじい形相で睨みつけた。
「学校内、職員内でも噂になっていたのだよ、君と明智君の関係はね! だが、決定的な証拠が見つからなかった。 しかし、この内容を見るに、彼等に責任を擦り付けて明智君達を助けようとした。つまり、明智君と君はそういう関係にある。そう取って良いね!?」
教頭先生からの激しい叱責と、逃れようが無い証拠を突きつけられ、霧島は膝からガクリと崩れ落ちた。
「初めは断っていました。しかし、何度も何度も明智君から迫られる内に……。でも、私には彼しかいないんです!お願いします、どうか見逃して下さい!」
なんと都合の良い話なのだろうか……。人に罪を着せて、自分達は幸せになろうだなんて……そんな事がまかり通っていいはずが無い!
「はぁ!?ふざけんなよ!?水無瀬や花凛がどんな怖い目に遭ったか、お前に想像できんのか!? この子達にしっかりとした謝罪もせず、開き直りやがって!! テメェがした事は立派な犯罪なんだよ! 謝れよ、花凛と水無瀬に謝れ!!」
気が付けば俺は泣きじゃくる霧島の襟首を掴み上げ、罵声を浴びせていた。気が付いてすっ飛んできた姉、花凛、水無瀬、教頭先生になだめられてやっとこさ呼吸を整えられた。
また冷静さを失いかねないからと、姉と教頭先生の二人で話し合い、今日は霧島の件は見送る形となった。
帰り際の霧島は、完全に茫然自失といった感じになっており、以前の鬼の霧島は見る影も無かった。




