表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の姉妹が鬼デレ過ぎていつまでも彼女が出来ない件。  作者: かむげん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/107

抜け駆け。

 俺達が水無瀬と花凛に見つかったのは、ドサクサに紛れて俺が雪菜の頭を軽く撫でた直後の事だった。

「追いかけて来て正解でした。兄さん、今雪菜さんの頭を撫でていましたよね!?」

 花凛は走って俺達を見つけ、信じられないモノを見たかのように一瞬硬直した後、ギッ!と鋭い視線を俺に向けてズンズンと歩いて来た。


「あ、あぁ……まぁ……そうだな。」

 無意識にとはいえ、雪菜の頭を撫でていたのは事実だ。弁解する余地も無い。これで水無瀬や花凛に引っ叩かれても文句は言えないな。


「では兄さん、私も頭ヨシヨシして下さい。」

「わ、私も頭撫でて下さい!」

 花凛と水無瀬は俺を引っ叩く訳でもなく、俺の真ん前まで歩み寄り、前のめりになり頭を突き出してくる。


ーーーー一体何なんだ、この状況は!?


 取り敢えず、俺はこの訳のわからない状況を打破する為に、花凛と水無瀬の頭をそれぞれゆっくりと撫でるしかなかった。


「えへへへへー!」

「く、くすぐったいけど、気持ちいいです!」

花凛も水無瀬も、それぞれが満足そうな気持ちでいる為、ここは何も言わずにスルーしとこう。

 だが、この状況を快く思っていない人が一人、俺の背後にいる訳で…………。 さっきから物凄い勢いで舌打ちされてるんだよなぁ……。

「李玖、優しいのは確かに大切な事だけど、必要以上の優しさは返って傷付けるんだからな……!?」


ーーーー確かに雪菜の言う通りかも知れない。この関係はいつまでも続く訳では無く、

いつかはこの中から、若しくは他の誰かを選ぶ事になるのだろうか……。


「わかったよ、雪菜。確かに雪菜の言う通り、真剣に向き合わなきゃ失礼だよな。」


「うん、待ってるよ!……さてと、私はもう帰るよ。じゃね、李玖!」

 俺が『送るよ』と言うよりも先に、雪菜はヒラヒラと手を振りながら去って行ってしまった。

「じゃ、じゃあ私も帰るね、李玖君!」

 雪菜に釣られて水無瀬も去って行こうとするが、咄嗟に俺は水無瀬の手を掴んでいた。


「お、送って行くよ、水無瀬!」

 俺は握った手を少し引き寄せると、水無瀬と向かい合い、彼女にそうハッキリ言っていた。

「い、いいの…………李玖君?」

 水無瀬は戸惑いながらも、俺の握った手をもう片手で重ねてくる。水無瀬の顔は、公園の街灯でうっすらと照らし出されて、耳まで赤くなっている様に見えた。


「に、兄さん……!?わ、私はどうすれば良いと言うのですか!?まさか、私を置いて行くなんて事は無いですよね……!?というか、水無瀬さんは兄さんにくっつきすぎです!離れてください!」


「花凛ちゃんも一緒に付いてきてくれませんか?」 

「ふぇ!?」

 水無瀬の明るい笑顔は作り笑顔でも何でもなく、本心からの笑顔に見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ