争い。
あれから俺はと言うと、水無瀬と花凛のキスの猛攻を躱し、外へと飛び出していた。
「あっぶねぇ、何なんだよアイツらは……。」
「やっぱり出てきた!待ってたよ、李玖!」
玄関を飛び出した俺を待ち受けていたのは、さっきまで部屋にいた雪菜だった。
「雪菜!さっき帰ったはずじゃ!?ってか、さっきのキスのせいで、今酷い目に遭ってるんだぞ!?」
「アハハハハ!!まぁ、そうなると思ってたよ。行くよ、李玖!」
もう日は沈み始めていて、夏なのに少しばかり涼しい時間帯になっていた。
雪菜は明るく笑うと、俺の手を引いてどこかに歩き出す。
「どこに向かってるんだ、雪菜……。」
待ってたよ、って事は……こうなるであろう事を予測していたという事なのだろうか。
「ん、近くの公園。今日さ、話があるって言ったじゃん? だけど妹ちゃんに邪魔されてうまく話が出来なかったんだよね……。」
「アレが全部じゃなかったのか?」
今日結構話をしたとは思うんだが、まだ話していない事があるってコトか。ただ、今日だけでも凄まじく慌ただしくて、正直整理し切れていない。
「う〜ん………。全部じゃなかったというか、うまく自分の口から話せていない事があってさ……。」
煮え切らないな……雪菜らしくない。さっきからぎこちないが、何かあったのか?
「なぁ、雪菜。」
「ス、ストップ!! き、聞かなくても分かるから……。」
「何言ってるんだ、雪菜。」
「だ、だって……あの二人ともキ、キス……してきたんでしょ?」
なんかそっぽを向いてしまった雪菜は、ボソボソと聞こえるか聞こえないかの微妙な声量で尋ねてくる。
「確かに迫られたけど、頭の整理が追い付かなくて逃げて来たんだ。」
「そっか、良かった……。ってか、安心したとかじゃなくて、ほら今までこんな体験した事無いでしょ?だから、嬉しい出来事連発だなって!」
雪菜は、俺の言葉にどこか安堵したような表情を浮かべ、そして何故か俺の事を遠回しにディスり始めたのだ。
「ひどくね?」
「い、いや……そういう訳じゃなくて!ごめん………。」
そんなこんなで、俺と雪菜は目的地である公園に到着していた。
「小さな頃、よく遊んだんだよねー。」
雪菜はトコトコと公園内を歩き出す。小さな頃はとてつもなくデカく、時には怖くさえ見えた遊具も、今では少しばかり小さく感じるくらいになっていた。
「私ね、中学の時にココで李玖に助けられてるんだよ。」




