逆ナン。
「李玖君、そ、その方達は……だ、誰ですか!?」
水無瀬はショップから出てくるなり、女の子達に声を掛けられている俺に気が付いた。
「いや、この子達とは初めて会って、急に声掛けられて……。」
俺はといえば、急に現れた女の子達に狼狽するばかりで、何で声を掛けられたのか、全く意味が分からない。
「もしかして、彼女さんですか〜!?」
「だったら初めから断ってない?」
「だよねー。」
女の子達は、聞いてもいないのに口を揃えて水無瀬の彼女説を否定してくる。
ーーーーもしかして……コレが……美人局!? いや、美人局は通常女一人のハズ。(漫画の知識だけだが。)
そうでないのだとしたら、まさか詐欺!?
「もしかして…………逆、ナンパですか……?」
水無瀬は俺が逆ナンされていると思っているが、俺みたいな『陰キャ根暗ボッチオタク野郎』が逆ナンされる訳がない。
だがそんな俺でも、いや、そんな俺だからこそ美人局や詐欺に引っ掛かりやすいのだ。
「いや、水無瀬……この子達はそんなんじゃないよ。」
俺の放った言葉が、何故か水無瀬は気に入らなかったようで。
「へぇ、『この子達』ですか……。そうですか。モテモテですね、李玖君は!流石ですね!」
水無瀬は相当イライラしている様子で、スタスタと歩き出してしまった。
「水無瀬、ちょっと待って、水無瀬!」
俺は水無瀬の腕を掴むと、彼女を引き寄せる。
「どうぞ、『あの子達』とご自由に!!」
だが、水無瀬はすぐさま俺の腕を振り払って去って行こうとする。
「待てって、水無瀬!アイツらはさっき出会ったばかりの詐欺共だ!」
「………………さ、詐欺……ですか?」
水無瀬は、何やらポカーンとした様子で俺を見つめてくるが、俺は至って真面目だ。
「そうだよ。だから、奴等の事は放ったらかしにしてきた。明らかにヤバそうな奴らだったからな!」
「ぷっ、あははははははは!」
水無瀬は俺が今まで見た事も無い様な笑顔で大笑いしている。
こんなにも大笑いしている水無瀬、初めて見た。
「…………はーーーっ! 私、すっごく久し振りに笑いました!」
「え、そんなに笑う事!?」
「笑いますよ、どうしてそんな発想になるんですか。 李玖君は自覚無いかもしれませんが…………イケメン、なんです。」
ーーーーーーはい?




