逸脱している。
「花凛、お前なぁ…………。こういう事されて、普通嬉しいと思うか?」
「私は兄さんに追いかけられるなら嬉しいですが……?」
「では、こうだ。花凛が彼氏と付き合って、そこにGPSで追いかけてきた俺が登場。さすがにキツイだろ。」
「彼氏は兄さん以外に作るつもりありませんし、万が一、いえ億が一にでも彼氏が出来たとしましょう。そこにGPSで居場所を突き止めた兄さんが颯爽と登場! 私はすぐに彼氏とはサヨナラします。」
駄目だ……俺の常識が一切通じない。ま、まさか……花凛は極度のブラコンを通り越して、ヤンデレとやらになってしまったのでは……!?
「み、水無瀬、行こう!花凛には付き合い切れない!」
「は、はい!」
俺は水無瀬の手荷物を預かると、まだ回っていないコーナーに向かう。
「水無瀬、まだこれからイルカショーとか、ベルーガとか、シャチショーにも行くんだが……買い過ぎじゃないか?」
「ふぇっ!?まだそんなにあったのですか!?それは急ぎませんと!」
俺達は大型のコインロッカーが空いていたので、そこにゴンスケグッズを詰め込み、イルカショーに向かう。
「ちょ、ちょちょちょっと!?兄さん!?わ、私は、私は!?」
「あ?花凛だが?」
「名前じゃありませんよ、知ってますよ!自分の名前くらい!じゃなくて、私はどうしたらいいんですか!?」
「回れ右して帰りなさい!」
「何でそんなに冷たいのですか、兄さん……。まだあの時の私の接し方を怒ってらっしゃるのですね……。」
まぁ確かに無視されまくって面倒くさくなったっていうのはあるが……。
俺が陰キャで、水無瀬と花凛が二人揃って美少女だからか分からないが、この醜い痴話喧嘩に段々と人だかりが出来てきていた。
「花凛さんも一緒に回りますか?」
ーーーーえ?
「水無瀬、花凛はいいから!今日は二人で回ろう!」
「花凛さん、もしかして……私と一緒だと怖いんですか?」
水無瀬は俺の言葉も無視して、敢えて花凛に挑発する様な発言さえしていた。
ーーーーどうした水無瀬、今までそんな事言った事無いだろ……。
「はぁ?ちょっと偽の恋人同士だったからって、調子に乗っていませんか? 私と兄さんの方が長い間、苦楽を共にしてきたのですよ?貴女みたいなぽっと出女に負けませんが?」
負ける負けないの話じゃ無い気がするんだが……どうしてこうなるんだ、毎回毎回!
「なぁ、今日は………」
『黙っててください!!』
水無瀬と花凛、同時に何故か怒られ、黙るしかない俺だった。




