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俺の姉妹が鬼デレ過ぎていつまでも彼女が出来ない件。  作者: かむげん


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意外とやる男、俺。

「きゃーー!ペンギンさん、可愛い!! あぁ、コッチに赤ちゃんペンギンいますよ!」

 思ったよりも大はしゃぎな水無瀬。今回のこの『水族館デート計画』を企んでいたのは、本当は水無瀬なんじゃないかって思うくらいに、はしゃいでる。


ーーーー楽しいなら計画していたのが水無瀬だったとしてもいいのだが……。


「ふぅっ……さすがに県内随一だけあって、結構広いですね……。」

 水無瀬は相当はしゃぎ疲れたのか、肩で息するくらいにまでへばっていた。

 いや、本来水族館はそういうテンションで回る場所ではないのだが……。


「そこにベンチあるから、少し休もっか!」

 俺は近くに設置されているベンチに水無瀬を案内すると二人で腰掛けた。

「あ、そうだ!喉乾いてないか?近くに売店あったから飲み物買ってくるよ!」

「ご、ごめんなさい……!わ、私がはしゃぎ過ぎたばかりに……。」

 まだ少し興奮気味の水無瀬をベンチに休ませ、俺は先程見つけた売店に向かう。


ーーーー売店が結構混雑してたから、水無瀬待ってるだろうな……。


 随分と売店の会計で待たされた俺は飲み物を手に水無瀬のいたベンチに向かった。


「え、いない……あれ?場所が違ったか? いや、G-30ここのはず。」

 俺はベンチの横に番号が記入されているプレートを、買い物に行く前にチラッと見ていたのだ。

 結構待たせちゃったし、トイレか?いや、でも……。


「お兄さん、さっきここに座ってた青いワンピース着た女のコの知り合いかい?」

 狼狽うろたえている俺に、夫婦と思われる老人が声を掛けてきた。

「え、あ、はい、多分そうだと。白い麦わら帽子を被ってましたか!?」


「あぁ、じゃあ間違いないね。その子なら男連中に連れてかれてったよ。あっちの方だね。」


「えぇ!?ま、マジかよ……。あ、ありがとうございます!」

 俺は水無瀬が連れて行かれたであろう方を指差す老人に礼を言い、すぐさま駆け出した。園内走るの禁止!でも、今はそれどころじゃない!


ーーーーくそ、どこだ、どこだ!? もっと考えて行動するべきだった! 水無瀬を一人置いていくなんて、ナンパ目的の男達が放っておくはずがないじゃないか!


「あ、あれは!?見つけた!!」

 俺は周りを取り巻く男に焦点を合わせ、勢い良く足を踏ん張り、そして飛び出した。

「ライ○ー!キーーック!!」

 俺の飛び蹴りは、見事金髪のヤンキー風な男の腰に命中した。


「グエッ!!??」

 情けなく転がるその姿は見るも無惨、滑稽そのものだった。他にも三人仲間がいるみたいだが、見た感じ格闘技経験者とかではなさそうな、ただのヤンキー共に見えた。


「何だテメこの野郎!やんのか、クソガキが!」

 ヤンキー共が煽ってきたが、そこは陰キャ歴が長い俺には慣れっこだ。通用しない。

「てめぇ等こそ、人の彼女を掻っ攫っておいて、何様のつもりだ!?ぁあ!?」

 勢いで言っちまったが、俺は水無瀬の彼氏ではありません!ごめん、水無瀬!


 次第に周りがざわつき始め、この騒動を聞きつけたのか、遂にスタッフと警備員まで来てしまう事態になった。

「クソッ、行くぞ!」

「あ、おい待てよ!」

 俺の制止を振り切り、ヤンキー達は人混みを掻き分け逃げて行ってしまった。それにしても、奴らは相当暇なのだろうか。わざわざチケット買ってまで水族館にナンパに来るとは……。


「大丈夫だった!?怪我はない!?」

「だ、大丈夫です……。ありがとうございます!」

 水無瀬はナンパされ、ヤンキー達に連れられてきたのが余程恐怖だったのだろう。手足が小刻みに震えていた。

「怖い思いさせて、本当にごめん……。」

 気が付けば、俺は水無瀬を落ち着かせる為とはいえ、彼女を強く抱きしめていたのだった。

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