確執。
「ねぇ、李玖は他にも料理とか作れるの?なんか料理とか凄く得意そうだから。」
「まぁね。よく家族に料理出してたからさ。母親が疲れたりしてた時なんかには、大体俺が作ってたんだよね。」
雪菜の問いかけに対し、俺はビーフカレーを頬張りながら答えた。
雪菜も満足そうにビーフカレーを次々に口に運んでいる。元々、雪菜は細身の体つきなのに結構食べるんだよなぁ……。
ーーーーそんな時だった。
「ただいまー。李玖ちゃん、体調は大丈夫!?」
義姉の柚葉が勢い良く玄関を開けて入ってくる。そして雪菜と目が合った瞬間、雪菜と義姉との闘いが始まる。
「あれ、お姉さん。お邪魔してまーす。李玖を放ったらかしにしてどこに行ってたんですかぁ?」
「大学よ、大学。貴女こそ高校はどうしたの?」
「李玖が休んでたみたいだから、心配で心配で仕方なくて早退しちゃいましたー。」
雪菜と義姉の争いは更に続いていたが、俺からしたらもっと仲良くして欲しいんだよなぁ。
「兄さん、今帰りました!遅くなり申し訳ありません!!」
バァン!と勢い良く玄関が開けられて、花凛が入ってくる。そろそろ玄関が壊れるな……多分。
ーーーーーーそして。
「あーー!何、兄さんと昼食とってるんですか!? 私よりも早く帰っているなんて、雪菜さん、貴女もしかして学校サボりましたね!?」
リビングに入ってくるなり、義妹の花凛が雪菜にギャーギャー喚いて噛み付いてくる。
「やっぱり末期のブラコンですねー、花凛さんは。あー、もう面倒くさい。……ごちそうさまでした!」
雪菜はそう言うと、ビーフカレーを一気にかき込み、食器を片付けると俺を引っ張っていく。
「おいおい、どこに行くんだよ?引っ張るなって!!」
俺は困惑しながらも、雪菜に引っ張られながら二階に向かう。
「兄さん!? 雪菜さん、兄さんをどうするつもりですか!?」
花凛が後ろで叫んでいるが、そんな事はお構いなしに雪菜は俺の部屋に入り、鍵をかけてしまう。
「やっぱりムカつく!!義理とはいえ、姉妹という立場にあぐらをかいてる!! 絶対に私の方が李玖の事が好き! マジであの人達なんなの!?」
雪菜は一人でイライラしている。花凛、柚葉姉さんと雪菜は水と油。顔を合わせれば火に油を注ぐ事になる。どうにもならん。
「あ、あの!李玖君は、李玖君はいらっしゃいますか!?」
バンッ!と開け放たれた、玄関であろう音。そして、俺の部屋からでも聞こえてくる女性の声。その声の主は『水無瀬歩乃華』だった。




