振り出し。
「雪菜、今日はどうするつもりなんだ?学校サボっちゃったんだろ?」
「そうだね。でも、今日は李玖の為に休んだ様なもんだからなぁ……。」
でも、なんか雪菜からさっきガッツリ告白されたばっかりで……なんか真っ直ぐ顔を見れん!
水無瀬といい、雪菜といい、こんな美少女達が俺を好きって……こんな幸せな事あって良いのだろうか……!?
「何か話そうか……。」
「私、李玖の話を聞きたい……。」
「俺の話!? そうだなぁ……。」
俺は暫く考えた後、昔から今までの話をする事にした。 そして、雪菜の知らない事も話せられたら……。
「俺は仕事熱心な父親と、懸命に家庭を支えてくれた母親の間に産まれた。と思っていたんだ。 だけど、俺を産んだ母親はすぐに亡くなっていたらしいんだ。そして、俺の義理の姉妹の母親と父親が再婚し、それから数年後、母親は病気で亡くなってしまった。
その後、俺達は父親から追い出されるかの様に、この家に越してきたんだ。」
俺の話を聞いていた雪菜の顔が段々と険しくなっていく。
「そして、高校に入学してからも勉強に励み、学年で一位の成績を取った。でも学問以外では目立ちたくなかったから、俺は体育が出来ないフリをしたし、喧嘩も弱いフリもした。」
「って事はやっぱり、体育出来るし喧嘩も強いって事?」
「やっぱりって事は、薄々は勘付いてたの?」
俺の言葉に大きく頷く雪菜は、ニヒッと笑い、腕を組んでこう言い放つ。
「気付くわよ、そりゃ。どれだけ李玖の事を見てきたと思ってるのよ!あんなわざとらしい演技、私が見抜けないと思ったの?」
自信満々な雪菜だが、他の生徒達にはバレていない様な気がするんだが………。 それだけ雪菜の勘が鋭いって事か?
「そうなんだ、まさか全てバレていたとはな……。 まぁ、そうだな。続きを話すか。で、俺は明智達にイジメられ始めた。それに気付いた水無瀬は、俺に『偽恋人』の提案をした。だけど、俺が力を発揮した事によって、偽恋人の役目を終える事になったんだ。」
「で、姉妹が実は義理だった、と。」
「雪菜、お前……ワザと言ってるだろ……。」
俺が一番悩んでいるのは、実はそこだったりする。義理の姉妹とこれからどうやっていけばいいのだろうか……。
「ねぇ、李玖。義理の姉妹さん達と、これからどうやっていくつもり? その表情だと、まだ吹っ切れていないっぽいわね?」
「そうだな……振り出しに戻れたら、どんなに楽か。」
俺はすっかり項垂れてしまった。




