これから。
「俺、実は……あの水族館で皆と鉢合わせてから、記憶が曖昧なんだ……。何があったのか、正確に思い出せなくて……。」
俺は水族館で皆と鉢合わせてから、記憶が曖昧になっていた。自分が何を思い、何をしたのか……。
「あれから李玖は、フラフラしてて……私達がギャーギャー騒いでる時に、いきなり座り込んじゃったんだよ……。 私達が呼びかけても反応が無いし……。」
そうだったんだ………。そんな事があったのか………。
「病院に行こうかって言ったんだけど、生返事の様な返事で『行かない』って、頑として聞かないから、お姉さん達が連れて帰ったんだ……。」
そうだったのか……。だから俺は家に寝かされていたのか。あれから多分俺の頭はパンク状態になっちまったんだな……。
「李玖……ごめんなさい!本当にごめんなさい!!」
「い、いや、別に雪菜が謝る事は無いだろ……。 俺がハッキリしないのがいけないんだから……。」
俺は頭を下げてくる雪菜に、本当に申し訳無く思っていた。 姉の事や妹の事は、雪菜や水無瀬には何の関係も無いのに、心配ばかりかけて、水無瀬と雪菜の事もどっちつかずで……本当にしょうもない。
ーー水無瀬にはハッキリ言おう。雪菜と付き合う事にしたから、偽の恋人はもう辞めると。
そして、姉と妹とは一度しっかり話さないといけない。
今度こそ最後まで逃げずに自分自身と戦わないと……!!
「雪菜、俺今までみたいに、どっちつかずじゃなくて、水無瀬とは偽の恋人ははっきり終わらせる。 その上で、雪菜と付き合いたい。だから、しっかり決着が着くまで待ってて欲しいんだ。……どうかな。」
俺の言葉に雪菜は、感動したように瞳いっぱいに涙を浮かべて大きく頷いた。
「もちろんだよ!それに私はいつだって李玖を待ってる! たとえお姉さんと妹さんが李玖の事を好きになっていたとしても、水無瀬さんがまだ李玖の事を好きでも。 そんなのに絶対に負けない位に李玖を好きになる! だから絶対に負けないし、どれだけでも待ってるから!」
こうして、俺と雪菜はまた友人の関係に戻る事になった。そして、俺は水無瀬にハッキリと偽の恋人を終わらせる事を決めたのだ。
「ところで私達さ、あの後全員とLIME交換して、李玖が実は社長だったって事や、水無瀬さんとは偽恋人だって事、私と水無瀬さんが李玖を好きな事、水無瀬さんが李玖の実家に行った事……お互いに全部情報を交換したんだ。だから、私達は対等に闘える。」
俺の知らない所でそんな事が行われていたとは……俺の個人情報はどこに消えたのだろうか。
でも、俺と雪菜は友達同士に戻り、水無瀬と俺も偽恋人を終える。そして、義姉と義妹とは和解をする。その上で自分の立ち場をハッキリとさせる。
ーーーーそれから全てが始まる。




