表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
塔を砕く魔王と、輪を繋ぐ龍。  作者: 十輪 かむ
魔、氣、さんざめく
6/67

六の話

ゴウとヒナノとマサクニは、山の急斜面を跳びながら下っていた。


 山を生活の場としている彼らシメグリの一族は、幼い頃からの訓練により、急斜面でさえ転倒することなく凄まじい速度で下ることが出来るのだ。


「ねえ、どうしてテンユウ兄弟は追放されたの?」


 ゴウが前を行くマサクニに訊いた。


 直接的な奴だ。自分はそれに触れないでおこうとしたのに。そこらへんはまだ子供だ。ヒナノはゴウの背中を見ながら思った。


「今は喋ると舌噛むよ」


「舌を噛んでもヒナノが治してくれるよ」


「はあ? そりゃ治すけどさ・・・・」


 ヒナノは足が土を踏む音に紛れるように小声で言った。


「・・・・奴ら、二人して一人の若い女性をかどわかしたのさ」


「かどわかした? かどわかすってなんだ?」


 どこまで鈍感な奴なんだ。自分はそれだけで全てわかったのに。


「ちょっと、ゴウ」


「乱暴したのさ」


「男二人で一人の女を乱暴か。酷い奴らだな」


 おそらく、ゴウはその意味をわかっていない。だが、その怒りを持つことは正しい。ヒナノは何か言葉が出かけたが、それは抑えておくことにした。


「ああ・・・・みんな、そう言うさ」


 マサクニは何故か寂しげに言うのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ