表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
塔を砕く魔王と、輪を繋ぐ龍。  作者: 十輪 かむ
大いなる輪を繋ぐ者
43/67

四十三の話


「アハハ、こいつは想像以上だねぇ」


 ヒナノの横でユリが笑った。


「当たり前だよ。こんなの、こんなの想像出来るわけないよ!」


 ヒナノの目に映るタヂカと牛頭法士のぶつかり合いは、最早人間同士の戦いと呼べるものではなかった。天変地異だ。ヒナノの知っている言葉で言い表すなら、それしか思い付かなかった。


「ユリさん、ここでこうしてるより、どこかへ逃げた方が良いんじゃないの?」


「いや、下手に動くより障壁の中でじっとしていた方が安全さ」


 その時、巨大な岩の塊の幾つかが飛んで来て、ヒナノ達の張る障壁に当たって砕けた。


「ほらね。あれは、ここいらの山一つ二つ消し飛んでもおかしくない。そんな中逃げ回ってたら、それこそ危険さ」


「牛頭さんは勝てるかな?」


「勝つさ」


 ユリは即答した。そこには言い淀みは全くなく、それを確信している様だった。


 ヒナノはそれでも不安だった。目の前で繰り広げられるぶつかり合いは、どちらが優勢だろうが、死が飛び交っている様にしか見えなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ