97/260
晦日刀
「晦日刀っていうのはどんな刀なの?」
「ほう。気になるか?」
「ある意味では満月刀よりもね。晦日って、月が隠れて見えないことでしょ?」
「その通りだ。晦日刀も満月刀と同じく、俺の自信作と言える物に仕上がっている」
「肝心の満月刀がああだったから、あまり期待はしてないんだけど……せっかくだし、見せてもらえる?」
「良いだろう……ほら、これだ」
「へえ、これが……ずいぶんと刃が小さいわね。まるでダガーみたい。こうして見てもさっぱり分からないんだけど、一体どこが晦日なの?」
「それはな……ここだ!」
「きゃああああああああああ何してんのよ早く手当てしないと……!! ……あら? 血が出てないわね」
「驚いたか? 刺すと刃が柄の部分に引っ込むつくりになっているんだ。刃が晦日するというわけだな」
「ただのドッキリアイテムじゃないの!!」




