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カイフクーンを売るための策

「そういえば、ハイカイフクーンはまだ売りに出さないの? 結局あれから一度も見てないけど」


「む……そのことか……」


「ひょっとして、まだ商品名のことで悩んでるわけ?」


「いや、名称に関してはハイカイフクーンでいくことに決定している……実は、商品名のこと以外にも気になることがあってな」


「何よ?」


「ハイカイフクーンを店に並べると、カイフクーンが完全に売れなくなってしまうのではないか、ということだ」


「それはそうでしょうね。携帯できる数には限りがあるんだし。でも上位版が買えるようになった時点で、もうお役御免になっていると思うわよ。そもそも、この前の話だとすでに売り上げが落ちていたんでしょ?」


「うむ。だからこそハイカイフクーンの開発を急いだわけだが、それがカイフクーンにとどめをさすことになるかと思うと、少し複雑な感情が湧いてしまうのだ」


「気持ちは分かるけど、上位版があるとどうしてもね……カイフクーンが必要なのは、お金に余裕のない駆け出し冒険者くらい?」


「はっきり言うが、駆け出し冒険者はうちの店を利用しないほうが良いと思っている。ある程度の経験を積んだ後でこそ、うちの店の良さが分かるはずだからな」


「それに関してはいろいろと突っ込みたいけど、駆け出し冒険者は利用しないほうが良いという意見には同感ね……だったらなおさら、もう店に並べる必要はなくなってるんじゃないの?」


「カイフクーンがあってこその、ハイカイフクーンだ」


「た、たしかに……じゃあどうするのよ? 何か良いアイディアとかないの?」


「よくぞ聞いてくれた。そこで俺が考えた起死回生の策がこれだ。カイフクーンにカラーバリエーションを追加してみた」


「あら、カラフルで良いじゃない!!」


「ありがとう。商品名はグリーンカイフクーン、イエローカイフクーン、レッドカイフクーンだ。価格もカイフクーンと同額にしようと思っている」


「こうしてみると新鮮な気分になって買いたくなるから不思議ね。価格が同じなら色を選ぶ楽しみもあるし、良いんじゃないかしら」


「好感触だな。作ってみた甲斐があったようだ。ハイカイフクーンを売りに出すのと同時に、これらのカイフクーンも店に並べるとしよう」


「ところで、色によって味や効果に差があるの?」


「……ヒント。かき氷」


「やっぱり色が違うだけなのね……」

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