カイリキンの製品第一号
「お前のイメージから生まれた怪力になれる薬カイリキンについてだが」
「……いきなり喧嘩売ってるのかしら?」
「待て待て、拳を鳴らすな。最終的な調整も完了し、製品としてパッケージング出来たのでな。その製品第一号をお前にプレゼントしようと思ったんだ」
「あら、それは嬉しいわね。ありがたく使わせてもらおうかしら。どんな形になったのか見せてもらえる?」
「ほら、これだ」
「小さいビンに丸薬がいくつも入ってるわね。服用するときの注意事項とかはあるの?」
「そうだな。カイリキンについて改めて簡単に説明しておこう」
「お願いするわ」
「以前軽く触れた通り、カイリキンは一粒飲むことで本人の膂力を大幅にアップさせる薬だ。効果を発揮するのはわずかな時間、せいぜい三十を数えるくらいの間だな」
「やっぱり効果時間は短いのね」
「うむ。効果量とのバランスを調整した結果、そうなった。あと一気に複数飲んでも効果はひとつぶんしか発揮されないから、がぶ飲みはしないほうがいいぞ」
「ふんふん」
「今回のカイリキンには、飲んだ時のデメリットなどは特にないから安心してくれ。まあ、壊れやすい物を扱う時には飲まないほうがいいかもしれんな。言うまでもないことだが」
「デメリットがないってだけで嬉しいわ。あなたが作る薬やアイテムって、大抵変な副次効果がついてるから」
「カイリキンについてはかなり上手く作れたという自信がある。使う機会があったら忌憚のない感想を聞かせてほしい」
「分かったわ。楽しみにしてて」




