デザート販売
「こんにちは」
「おお、良いところに来てくれた。腹は減ってないか?」
「悪いけどさっき食事を済ませてきたところなのよ。デザートくらいなら入るけど」
「それは好都合だ。そのデザートを食べてほしいんだ」
「かまわないけど……ひょっとして自作なの?」
「うむ。以前、クレープを作っただろう。あの時からデザート作りにはまっていてな」
「たしかにあれは見事な技術だったわね。味に関しても普通に美味しかったし」
「ありがとう。それで今回作ったデザートだが、これだ」
「あら、シブーストじゃない。これも美味しそうね」
「うむ。味に関しては今回も保証できる。しかもただのシブーストではなくて、食べるだけで一定時間、能力を増加させる効果があるのだ」
「それ凄いじゃない! 冒険者向けとして売り出すつもりなの?」
「その通り。ダンジョンの入口近くに専用の出店を作って、冒険者が利用しやすくするつもりだ。仕入れた材料がなくなるまでの期間限定だが」
「出店といえば、この前の唐揚げの時もそんなこと言ってたわね……このシブースト、変な材料は使ってないでしょうね?」
「安心しろ。今回は基本に忠実に作った。食べた時に特別な効果を発揮するのも、よく使われる魔法のハーブなどを調合した結果だ」
「それは良かったわ。私も出店を見かけたら寄っていくわね。ところで商品名はどうするの?」
「もう決めてある。ブーストシブーストだ」
「デザートの候補はたくさんあるのに、シブーストを選んだ理由が今わかったわよ!!」




